秘境ギアナ高地の旅4 エンジェルフォール~カナイマ湖
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サンタエレナの空港。民家みたいな素朴な作りで、のんびりした雰囲気でした。 エンジェルフォール観光の拠点になるカナイマまで移動します。
私たちを運んでくれるセスナ機
グランサバナを眼下にみる1時間半のフライトです。
セスナ機はグランサバナ上空をぐんぐん飛んでいきます。あんなに苦労して歩いたのは何だったの?!と拍子抜けしながらも、空から見るとギアナ高地の成り立ちがよく分かって面白い。
アウヤンテプイのエンジェルフォールに向かいます。
エンジェルフォールが見えてきました。高低差979mは世界一。あまりの落差に、滝の先端が下に着く前に霧散してしまい、滝つぼがありません。
エンジェルフォールが流れ落ちるアウヤンテプイは、テーブルマウンテンのなかで最も大きく、東京23区がすっぽり入るくらいの面積です。 乾季のため水量は少なめですが、返って繊細に感じられて美しかったです。
旋回しながら色々な角度から滝を見ました。虹がきれい!
エンジェルは天使の意味ではなく、滝を発見したアメリカ人パイロット、エンゼルの名前です。霧状に消えていく姿はエンジェルヘアと言いたくなります。
カナイマ空港に到着しました。
カナイマ国立公園観光の拠点になるめ、たくさんの観光客がいました。
私達は2槽のボートに乗り込み、上から見たエンジェルフォールを下から見に行きます。
途中の中州でランチタイム。
エンジェルフォールのキャンプサイトまではボートで4時間! カラオ川を遡り、更に支流のチュルン川に入っていきます。
川を遡るって、何でそれだけで冒険している気分になるのだろう。
川の水はタンニンを多く含み、オレンジ色。
水位が低いところでは、ボートを押しながら何とか進みました。水量があまりに少なかったら引き返すかもしれないと聞かされていたので、ちょっとドキドキ。中州に差し掛かると私たちもボートを降りて歩き、チームワークで乗り切りました。
名前が付いていそうな岩。
ひとまずキャンプ地へ到着。 ジャングルの向こうにエンジェルフォールが見え、歓声があがりました。
晩ご飯は直火で焼く鶏の丸焼き。焼き上がりまでちょっと時間がかかりましたが、眺めているだけで不思議と癒されます。
蚊帳付ハンモックでおやすみなさい。 この環境で寝られるか心配だったけど、コテッと寝てしまいました。
朝まだ暗いうちから、ガスをつける音に続いて朝食の準備が始まる気配で目が覚めました。早く動き始めて、暗くならないうちに宿泊地に着くのが鉄則です。
川の対岸に渡り、ジャングルを1時間半歩いて、エンジェルフォールの真下まで行きます。
ちょっと前までは山の民だったのに、今やジャングルの民。 途中で猛毒を持つアリに遭遇。 見かけは怖くないのですが、何度も刺されると命に関わるそうです。
看板を見て、一応観光地なのだと再確認。ジャングルをさらに分け入って進みました。
エンジェルフォールの真下に到着。上の方は雲で見えないけれど、マイナスイオンのミストが気持ち良い!
エンジェルフォールの下にある階段状の滝。レースみたいで美しかった。きっと雨季には様相が一変するのでしょう。
下の滝つぼで、しばし水浴びタイム。 水温もちょうと良くてさっぱりしました。
帰り(下り)は行きより幾分楽に進みました。ボートは木製で、ヤマハのエンジンが付いていました。浅瀬も多い川を進むには、重くても木の方が強度があって安心です。
カメさんのお通り。
クルーズスタッフの皆さん、お疲れ様でした! お父さんと一緒に初参加してお手伝いを頑張ったクリスチャン君は、みんなのアイドルでした。あれからほぼ10年、もう立派に仕事ができる年齢になっているはずだけど、クルーズが観光として成り立っているでしょうか・・・
ロライマ山のテント泊と並ぶメインイベントを無事終了して、充実感一杯でカナイマのホテルに到着しました。
初めてのハンモック泊も楽しかったな~ キャンプ地では朝5時頃起床していましたが、明朝は7時起きでかなり余裕です。
リゾート気分が漂うカナイマ湖畔。
ボートで滝巡りに出かけました。
現地の人は生き物を見つけるのが上手です。
近くで見る滝は迫力満点。
水の芸術。
アチャの滝では上陸して滝の裏側を歩きました。
乾季でこの迫力!
虹
もしかしたら、見守られていた?
カナイマに別れをつげ、プエルトオルダス経由で首都カラカスへ。
カリブ海を望むカラカスのビーチリゾート。
打ち上げディナーは、前菜・メイン・デザートのプリフィクスのコース。 14日間のツアーに参加される方はリタイア世代の方も多く、海外の山旅の熟練者ばかりでした。 そんな方々でもギアナ高地はいつか行きたいという憧れの地だったようです。バックパックを買うことから始めたド素人の私がご一緒させて頂けたのは感謝しかありません。
川魚のフリット。
最後の最後にやっとスーツケースにも再会しました。ツアー中、山のテント泊用・川のクルーズ用と荷物を何通りにも仕分けするのが、地味に大変でした。防水の要不要・電気やシャワーの有無も考えながら、細々した装備を決められた重さに収まるようにします。 そうしてまとめた荷物も、手早く出したり仕舞ったり出来ないと、いつまでもテントでごそごそ物音をたててしまうし、不測の事態にさっと動けません。 ツアーといえども、一人一人が自分に責任を持つことの大切さを学びました。
マイアミ経由で日本へ。 我が家へはもう一つ旅をするほど遠い。
何かに突き動かされるように出かけたギアナ高地。圧倒的なパワーをもらって、人間らしさを少し取り戻せた気がします。 またどこかから招かれたときに、ためらいなく出かけられる自分でいたい。そしてそのどこかが、平和でありますように。