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Art Work 『アサギマダラ(前編)』

(こちらは、旧ブログの記事を合併したくて、移行した過去記事になります。)


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2021年1月6日


 昨年の夏、蔵王の山頂を訪れた際に、アサギマダラという、蝶に遭遇しました。その浅葱色の、翅(はね)の美しさを知って、いたく感動しました。

 今回、お誘い頂いた展覧会に出す作品には、その感動を表現したく、只今制作に集中しています。
 学生の頃に、グループ展に参加したことがありましたが、絵を販売するのは、初めてのチャレンジでして、部屋に生けた水仙の香りが、思いを引き締めてくれています。


アサギマダラ(浅葱斑)
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
科 : タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : マダラチョウ亜科 Danainae
属 : アサギマダラ属 Parantica
種 : アサギマダラ P. sita

wikipediaより


 アサギマダラは、旅する蝶でして、春には沖縄・台湾から、本州・北海道へと北上し、秋には再び、沖縄や台湾まで南下することが、明らかになっています。その移動距離は、約2000キロを超えるものもいます。幼虫は関東より南の地域では越冬します。蝶になってからの寿命は約5ヶ月。


 翅を広げた大きさは、10センチほどで、翅に淡い浅葱色(あさぎいろ)と呼ばれる、薄い水色のまだら模様があります。このまだら模様の部分には、鱗粉(りんぷん)が少ないため、半透明に透き通っています。後翅の肛角部付近に、黒班状の性標があるのがオスで、メスとの区別がつきます。


 吸蜜するヨツバヒヨドリの花には、毒があり、その毒の成分を取り込むことで、オスはフェロモンを出しています。また、その毒のおかげで、鳥に食べられることが、少ないとのこと。

フジバカマ


 山頂で撮影した、ヨツバヒヨドリの花です。独特なディテールに、魅入りました。高山植物はエネルギッシュで、特別な生命力を感じます。

ヨツバヒヨドリ


 ここから、制作の過程の記録になります。


 下絵を、トレーシングペーパーを使って、「Arches 極細目 300g」の用紙を水張りしたパネルに、移していきます。今回は、パネルでの販売なので、汚れないように、細心の注意を払います。


 PIGMA(耐水性のペン)を使い、輪郭をとりました。0.05mmを使用したので、細部が描きやすく、また点描が、鱗粉感を出すのに、マッチしていると感じました。

 こちらは、水彩(ウィンザーニュートン)の下塗りを終えたところです。美しい薄浅葱色が、塗れました。


 この後、ヨツバヒヨドリの下絵を、配置していきます。一気に下絵を描かなかったのは、まず、蝶に命を吹き込むのに、集中したかったから、とでも言いましょうか。


 お付き合いくださり、有り難うございました。
後編に続きます。


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