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アンドレイ・ググニン 国際ドイツピアノ賞 優勝!

9月にアトリエミストラルでラフマニノフの前奏曲全曲を演奏してくださったアンドレイ・ググニンさんが、『IPGA International German Piano Award 国際ドイツピアノ賞 優勝』というニュースが飛び込んできました。

この国際ドイツピアノ賞は、ドイツのフランクフルトで開催され、今回で13回目。名だたるピアニストが出場し大変厳しい審査が行われます。

さる11月25日に行われたファイナルの模様が公開されています。
ググニンは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏。(動画開始後45分後くらいに登場)

非常に抑制の効いた、あくまでもベートーヴェンの作品に寄り添い、ベートーヴェンの音楽を追求している演奏だと感じました。

近年は、ピアニストやオーケストラ、指揮者などが「スター」のように取り上げられ、作品そのものよりその作品を演奏する側をスターとして扱う風潮にあり、そこにビジネスも絡み(チケット代が高騰し)、一般聴衆もついつい「作品」よりも「演奏家」に目が行ってしまう傾向にあると思います。

特に日本にいると、誰もが知っている有名メジャーなコンクールや日本人が上位入賞したコンクールだけが報道され、それ以外のコンクールは話題にも上りません。そしてそれは非常に「偏った」見方・聴き方につながるということを多くの善良な日本人は気づいていないのでは?と今回の件で感じています。

かくいう私もこのコンクールにことは、まったく知らず、ググニンの招聘元であるMCSヤングアーティスツから情報をいただいて知ったひとりです。


アンドレイ・ググニンはロシア人でありながら、ウクライナ侵攻に抗議して現在はクロアチアに住み、世界で演奏活動をしています。そのような状況の中、超難関のコンクールに出場、あまたの有名ピアニストを抑えての優勝というニュースは、多少なりともググニンを知っている私としては、とても嬉しいことでもあり、ググニンのその強靭な精神力に非常に驚いております。ただものではない!

アトリエミストラルでのラフマニノフ前奏曲全曲は集中力と迫力・臨場感・そして時に繊細さと温かさを感じさせる演奏でした。
アンコールにはプロコフィエフの戦争ソナタを、ピアノの箱全体が鳴り切っているかのような音で演奏してくれました。そしてそこには「作品」がきちんと存在していました。

その場に居合わせた私は、なにかとてもすごいものを聴いてしまった衝撃にその後しばらく立ち直れませんでした(苦笑)

本当におめでとうございます。
そして地方の小さなサロンに来てくれてありがとう。


2023.9.2 アンドレイ・ググニンさんと

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