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渾身の演奏 アンドレイ・ググニン ピアノリサイタル

こんにちは。コンサートサロン、アトリエミストラルのオーナー櫻井紀子です。
9月2日に開催された『アンドレイ・ググニン ピアノリサイタル』はたくさんの方においでいただき、大好評のうちに無事終演となりました。

コンサートチラシ

4年ぶり2度目の登場

アンドレイ・ググニンは、2019年以来、4年ぶり2度目の登場。
重厚さと超絶技巧を間近に聴けた前回でしたが、果たしてこの4年の間にググニンの演奏はどう変化したのか?非常に楽しみでした。

プログラム

ラフマニノフ 24の前奏曲
 幻想的小品集 前奏曲「鐘」作品3-2
 10の前奏曲集 作品23
 13の前奏曲集 作品32
今回の趣旨は「ラフマニノフ生誕150年記念コンサート」でしたが、ググニンがなぜラフマニノフのプログラムにしたか、ロシアを脱出して外国に住むググニンの今現在の想い等が反映された演奏になるであろうと予想は出来ました。

リハーサル風景

会場に登場してすぐにリハーサルを始めたググニンさんが練習していたのは、なんと「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」 なんでも今週末に名古屋フィルとの共演を控えているとのこと。主催者とスタッフがほぼ全楽章を聴いてしまったのはここだけの話(笑)

リハーサル風景

表現力の幅広さと奥深さ~ググニンの渾身

本番が始まり、驚いたのはその表現力の多彩さでした。ロシア的な重厚な音色とロマンチシズム、超絶技巧と繊細さ、迫力と美しさ…日本人からすると相反する表現がちゃんと音楽としてつながっていて、自然。
そして何より、深い。聴衆の心の奥に、完全に何かが届きました。
こういう演奏を聴くと、ロシア人によるラフマニノフには言葉やテクニックではなく、DNAレベルで共振するものがあるのではないか?と思ってしまう。楽譜には書ききれない、実は最も重要な「音楽」そのもの。

コンサートを通して「渾身」という言葉がぴったりな、ググニンの演奏。集中力という渦のようなものが見えた気がしました。すごすぎる。言葉もない。

驚いたのは、そんな壮大で重厚なラフマニノフなのに、ところどころ耽美でやわらかい、いかにもプレイエルらしい音色が聴こえてきたこと。私はこのピアノをおそらく日本で一番聞いているのでよくわかるのですが、プレイエルらしい音を失わずに弾いているのには驚きました。

アンコール

プロコフィエフ ピアノソナタ第7番第3楽章(戦争ソナタ)

実は実は、4年前の時も同じ曲でした!
アトリエミストラルで弾いたプレイエルのことを完璧に覚えていて、この曲を選曲したのだと思います。東京公演とは違う選曲でした。
プレイエルとは全く個性の異なる「戦争ソナタ」を敢えて弾く、というのはググニン自身のいろいろな思いがあったのだと思います。

お客様の反応

お客様は終演後、興奮しつつも、口々にその感動を伝えてくださいました。アンケートもたくさんいただきました。いつか紹介できればと思っております。また、聴いたことのない曲でも、すばらしい集中力で聴いていただき、主催者としてこれほどの喜びはございません。

ググニンの言葉

招聘元であるMCSヤングアーティスツのTwitter(X)から
「コンサートホールでのラフマニノフの前奏曲もありがたい。(略)。相応しい楽器さえあればサロンにはサロンの良さがある。サロンは弾く側にとってもっとパーソナルな演奏で、かつ欠点も長所も倍増して投影されるから学んだり吸収するものが演奏家にとってより大きい。年末にもう一度呼んでくれればやりたい。今度はサロンだけで.....」

ググニンのサインには

温かい雰囲気とすばらしい聴衆のみなさんへ感謝を込めて。A・ググニン

アトリエミストラルのサイン帳

今後の課題とお礼

今回、集客にあたりたくさんの方々にお世話になりました。世界的な演奏家の公演を主催することの難しさを痛感しました。今後もこのような演奏会を継続したいとは思いますが、私一人では限界も感じております。アトリエミストラルをどうしていくか?という問題にも直結する課題です。良きアドバイスありましたらお寄せください。

今回、ご協力してくださった皆様、またお越しいただいたお客様、そしていつも完璧なサポートのスタッフ、何より招聘元のMCSヤングアーティスツ様、そしてアンドレイ・ググニン氏に心からの感謝を申し上げます。

ありがとうございました。

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