こなみでちらうらなどくしょかんそうぶん その4。
若干お久しぶりです。別の書き物してました。
というわけで、今回読んだのはこの作品でごぜーます。
『日和ちゃんのお願いは絶対』
著:岬鷺宮 氏
イラスト:堀泉インコ 氏
まるで、世界が終わりたがっているみたい――それは。最後の恋物語。「――わたしのお願いは、絶対なの」
どんな「お願い」でも叶えられる葉群日和。始まるはずじゃなかった彼女との恋は、俺の人生を、世界すべてを、決定的に変えていく――。
ほんわかしていて、かわいくて、どこかちょっと流されがちで。
それなのに、聞いてしまえば誰も逆らう気になどなれない「お願い」の力を持つ日和と、ただの一般人なのにその運命に付き添うことになってしまった俺。
「――でも、もう忘れてください」
世界なんて案外簡単に壊れてしまうのに、俺たちの恋だけが、どうしても終わってくれない――。
これは終われないセカイの、もしかして、最後の恋物語。
(原文:日和ちゃんのお願いは絶対 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト あらすじ部より引用)
上記の通り、『三角の距離は限りないゼロ』と同じ作者である、岬鷺宮氏の作品です。こちらは三角の最新刊と同日発売だったのですが、追って買う形となりました。
話書きとして詳しくないのはどうなんだと思わなくもないですが、これはいわゆる『セカイ系』というやつらしいです。
調べたところ『新世紀エヴァンゲリオン』もこの呼び名がついたそうな。
で、とりあえず感想の感想ですが。
文章はもとより、とにかく、終わり方が綺麗。また、そこへの持ってき方もこれまた綺麗。なにより、作中でたびたび、そしてこのお話の根幹となっているであろう『お願い』をそう持ってくるかと。そんな感想でした。
ただ、日和のいろいろな『お願い』をするには、相手に『それをしながら……』という条件みたいなのがあるんですけど、その『条件』のところだけが今もちょっともやもやしてるかなぁ。
おそらく『お願い』なのか『そうでないのか』の違いは、エピローグにあるままなんだろうなとは思うんですけど。
ただ、わたしの中では、なんかまだちょっと腑に落ちてないというか、さすがにこの解釈はこじつけがすぎるかなって感じで。出題されたテストに対してひとまず書きはしたけど、「あれで合ってるかな……どうかな……」ってなんか無駄に不安になっているような感じ。
読み返してみても「実はここも『お願い』なのでは?」みたいなミスリードというか、疑心暗鬼というか、やっぱりありますし。
とはいえ、終わりよければすべてよしじゃないですが、今まで何度も出てきた『お願い』と、最後の最後の『お願い』、そこでまったくニュアンスが違う書かれ方をしているあたりは、さすが岬鷺宮氏だなーと(信者感)。
あとは……やっぱり印象的だったのは、最初のほうにある伏線ですね。納得はできる理由なのになんか不自然だったのはそういうことかと。驚くほどあっさりかつ綺麗に見事にやられました。
他には挿絵のところの日和とか(某キャラを思い出したのは内緒)。
もうちょっと絵莉はどうにかならなかったのかとか(こっちはまぁ続編とかで補完されるかもですが)。
これを書いているときに、他の方はどんな感想を書かれているのかなーと某所を見ましたら、氏があとがきで書いてらしたとおり、とある作品のタイトルが挙げられていました。
当時は無縁な文化だったゆえに読んだ(観た)ことはないですが、そんなわたしでも、名前は知っていたくらいド有名な作品でした。
言われてみれば、ああ確かに、当時そのタイトルはよく聞いたなと。
で、ネタバレ平気勢のわたしは、早速wikiさんのお力を借りて、どんなお話かざっくり調べてみたんですけど。
もしこの作品が、その某作品の影響を受けているなら。
作中の、日和の、何かが○○しているような表情や発言に、いろいろと説明がついたり。もちろん経緯は違うでしょうが……。
そんな感じでいろいろ引っかかっているところや未消化なぶぶんはありましたが、途中途中で振り回されたり、やっぱり綺麗だったり、表(と表現することにします)の甘えん坊な日和が可愛かったりで……
はい、面白かったです! 安定のこなみ。
というわけで、『日和ちゃんのお願いは絶対』でした。
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