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【講演会レポ】『ワクワク コラボレーションでまちづくり』講演会@愛知県教育委員会 海部教育事務所さま

こんにちは
「ワクワクをカタチに」をテーマに活動しているアトリエヤマダです。

アトリエヤマダ代表の山田龍太がアーティストの視点からまちづくりについて愛知会の教育委員会でお話しする機会をいただきました。かなり時間が経ってしまいましたがレポートしていきます。

内容:ワクワク コラボレーションでまちづくり
日時:2022年9月29日(木)
進行:愛知県教育委員会海部教育事務所 主任教育主事 吉川様
登壇者:中川剛史様(富田林市立中央公民館)、山田龍太(アトリエヤマダ)
会場:大治町スポーツセンター(愛知県海部郡大治町大字北間島字藤田33-1)

今回のトークセッションは大阪の富田林市立中央公民館の中川剛史さんから一緒に登壇しませんかとお声がけいただき実現しました。

富田林市立中央公民館 中川剛史(ナカガワ タケフミ)さん
これまでの公民館活動の成果と課題を検証し、公民館に何ができるのかをまとめた冊子「公民館の歩き方」を発表。それをもとにした小論文が「月刊公民館」に掲載。また、公民館とアーティストのコラボレーションを仕組むことで、賑わいや楽しみを見出し、新しい価値観やコミュニティを生み出している。

中川さんとの出会いは大阪富田林市市政70周年プレイベントにて公民館の建物を塗るイベントをご一緒させていただいたことがきっかけでした。

大阪富田林市市政70周年プレイベントの様子。当時の富田林市長(吉村善美さん)にもお越しいただきました(一番右)

▽イベントレポート

トークセッションのテーマは
『ワクワク コラボレーションでまちづくり』

以下、トークセッションの一部を文字起こししています。

主任教育主事 吉川さん「山田さんは「ワクワクをカタチに」をテーマに活動されていて、楽しさやワクワクで人をつなぐという考え方には大変共鳴する部分がありますので、今回ゲストとしてお越しいただきました。
楽しさやワクワクという本来形のないものにアートを通して形を与えて見える化する手触りのあるものにするという山田さんの活動は多方面で共感を呼んでいまして、大阪市、神戸市、豊中市などの行政とのコラボレーションも多い山田さんですので、この後のコーナーでいろいろなお話を聞いていきたいと思います。」

富田林市立中央公民館 中川さん「私が山田さんにインタビューするような形で、山田さんの活動やアトリエヤマダの魅力を紐解いていこうと思います。」

山田「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

中川さん「今後、会場にいらっしゃる社会教育委員の方々や生涯学習の職員のみなさんが考えていることを実現するときに山田さんとコラボするようなことがあれば素敵だなと思っています。まずは山田さんがどのようにしてワクワクをカタチにしているのかを、ご自身やアトリエヤマダについてお話ししていただけますでしょうか。」

山田「みなさんお集まりいただきありがとうございます。アトリエヤマダの山田と申します。よろしくお願いします。」

中川さん「みなさんもうご覧になられたかもしれませんが、会場の後ろにある作品が山田さんがこどもたちと一緒に制作した造形作品となっています。」

会場の後ろに展示させていただいたカラフルな造形作品たち

山田「後ろに展示している作品は、池袋や渋谷、群馬県、大阪などいろいろなところで作った段ボール造形を、子どもたちと一緒にペイントして最終、私も含めアシスタントと一緒に仕上げた作品の一例になります。
私はもともとの劇団の舞台美術を作っていましたが、その(制作の)過程を子どもたちと一緒に楽しむことを今はメインにしています。子どもたちとの制作を中心にしたまちづくりとかイベントの企画がどんどん幅が広がっている状況です。」

中川さん「ありがとうございます。今日は「まちづくり」というテーマも含まれていますので、山田さんは自治体のまちづくり事業にもいろいろと関わっておられると思います。山田さんが実践されているまちづくりの具体例と、この中でアートの果たす役割みたいなものについてお聞かせください。」

山田「はい。大阪の豊中市の庄内駅を中心に、歩いて10分圏内を舞台に、使われなくなった銭湯や、公共施設(自治会館、公民館、商店街など)をつなげるイベントの企画・運営・キュレーションをさせていただきました(2021年)。

また、東京では渋谷駅前で100年に一度という大規模な再開発をしてるんですけど、そこの建物は立派なんですけど、そこを盛り上げるコミュニティが育っていないということで、渋谷駅前の観光施設様と一緒に3年後4年後5年後を見据えたプロジェクトを行っているところです。」

中川さん「以前、山田さんとお話したときに困っていることを解決するのがコラボレーションの本質みたいなことをおっしゃったと思うんですけれど、今おっしゃられた、現在使われていない銭湯とかをアートの力を使って再生するという部分もそういう困っていることを解決するというようなニュアンスがあるのかなと思いますが、そのあたりは意識的に活動されたりしていますか?」

山田「そうですね、”解決してあげる”という意識は、全く私自身はなくて、”あ、おもしろいな”というか。
もう一つの事例としては、大阪市の西淀川区に使われなくなったバスターミナルの跡地があるんですけど、そこに私は5〜6年関わっていて、もともとはバスターミナル跡地だったんですけど、そこをギャラリーにして毎月何かの企画をやるとか、年に一度の芸術祭をして盛り上げるとかというのをやってます。」

中川さん「楽しいことをすると人が集まってくる。人が集まってくると何かが生まれる。何かが生まれるということ自体に、何か地域課題を解決するような部分があるんじゃないかなと思ったりもしています。山田さんは今もいくつか具体例を出していただきましたが、次々と新しい企画を打ち出していますけれど、このアイデアはどこからやってくるのか。また企画するにあたって気をつけていることをお伺いしたいと思います。ここにいらっしゃるみなさんも講座やワークショップに携わっていて、新しい企画を考えるのに苦労されている方もいらっしゃると思いますので、それにあたって考えていること、気をつけていることを山田さんにお伺いしてアイデアを共有したいと思います。」

山田「そうですね。クリエーター・アーティストとしては自分がやってきた経験値がありますので、どんどんアイデアがあふれてくるんですけれど、講演会ということで改めて考えてみたんですが、アーティストというのは人に指示されてうごく人種ではあまりないので、では何かというと「価値観」。私であれば「ワクワクをカタチに」するということなんですけど、その価値観と、たとえば「自治体さんの今後どうしていきたいか」という「数年後のビジョン」と「熱意」が合致したときに一番アトリエヤマダとしても、これまで成果が出てきたなと思います。」

中川さん「この講演会が始まる前、山田さんと少し話していて、5年先のことを考えて動いてますということを言われて、すごいですね。って笑。
行政職員よりも長期間で考えられてますねみたいなことを話したりしていたんですけど、やっぱり今携わっているプロジェクトの間の関係もあると思うんですけど、短期のみならず、長期のことも考えながら常に動いているという感じですかね。」

山田「そうですね。もちろん単発で”この空間を全部ワクワク空間にして欲しい”という依頼はありますし、それも大好きな仕事なのでやっているんですけど、”ここを継続して盛り上げていきたい”という依頼もこの3年4年で増えているのもあって、長期的に考えるようになっていきました。」

中川さん「もしかしたらそんな山田さんとコラボしたいという方も、(教育長も先ほどコラボするにはという話をされていましたけれども笑)実際皆さんも、アーティスト・芸術家とコラボしたいと思いついても、どのようにすればいいのかわからないという方もいらっしゃるかもしれませんので、山田さんがこれまで依頼先からあったアプローチの具体例やアーティストの立場から、こういうアプローチや上限があるとうれしい、こういう人から仕事を引き受けたくなるいうのがあれば教えてください。」

山田「そうですね。非常にふわふわした段階が多いです。具体的には、予算取りのため、企画になる前の段階で相談いただくことが多いポジションになっているので、その部分は正直に担当の方が話していただけると、これまでスムーズだったかなと思っています。
「実はこういう問題がある」など後から小出しで出していただくこともあるんですが、それよりかは最初に悪い条件も含めて伝えていただいた方が、こちらも(プロジェクトは)3年4年5年って言ったんですけど、非常に付き合いやすくなるかなと思います。」

中川さん「お金の話はやっぱり一番最初にしておいた方がいいですよね。そうでもないですか?」

山田「そうですね。あとは、アートとデザインの違いの話にもなると思うんですけども、たとえば彫刻家として彫刻を作っている人にとっては、じゃあどこの公園にこの彫刻を作ってください。は、すごい簡単な発注内容になると思うんですけど、アーティストとデザインっていうのをごっちゃになって理解できていない行政の方とか、自治体の方は多いのかなっていう印象があります。」

中川さん「アートのことをアーティストほど詳しくは知らないけれど、アーティストと仕事したい、アート的なイベントをしたい、という方もいらっしゃると思うんですが、アートに関して精通している必要はないですよね。」

山田「そうですね。ただ精通していたらなおよしってぐらいですかね。まずは”正直に”が一番ですかね。アーティストに対してジャンル外の発注をしたりとかも、(私以外のアーティストのネットワークもありますのでそういった情報も入ってくるんですけど、)そのアーティストの取り組んでいないことをそのアーティストに発注していたり、このデザインは得意じゃないという方に発注してしまってたり、実際問題そういうことが起きていたりするので、実態も含めてそういうアートとかデザインとは何なのかというところがもう少し共有できるとお互い幸せなのかなとは思います。」

中川さん「アーティストに関わらず、一緒に仕事をする相手のことを事前にある程度調べておくっていうのは、最低限のマナーとしてあると感じますよね。」

山田「そうですね。何回も会って人となりが分かっていればやすいと思うんですけど、全く知らなくてちょっとネットで見て気になったアーティストに自治体の方から声をかけるときに時に、難しいかなと思うので、そこは課題なのかなとは思います。」

中川さん「はい。ちょっと長くなるので、まとめていきたいと思いますけれども、山田さんがこれからやっていきたいと思っていること。特に自治体と一緒にやっていきたいと考えていることを教えてください。」

山田「その土地その土地での特徴であるとか、企業の特徴や環境の違いがあると思うので、その土地の強みを使ったテーマパークみたいなものを子どもたちでも楽しめる場所みたいなものを各地で作っていけると楽しいのかなと思います。そこで生きてくるのは、アトリエヤマダのカラフルな世界観であるとかがマッチしてくると思うので、そういったところは今まで行ったことのない場所とか全部やってみたいなと思ってます。」

中川さん「ありがとうございます。それではみなさんの右側に見えています出張図工室チョキペタスを皆さんに見て触って体験してもらおうと思います。このチョキペタスなんですけど、山田さんに「カタチにすることを目指さない図工室」というコンセプトがあるみたいなんですけど、その辺も含めてまず山田さんに紹介していただければと思います。」

山田「はい。これは配布したチラシやパンフレットにも江戸時代から続く老舗紙屋と書いた文字があるとおもいますが
こちらは東京の239年続く紙屋中庄さんと一緒に紙の可能性を再発見しようというかなり大きなミッションを掲げて、これも3年ぐらいある計画なんですけれど、そこから生まれた一つのプロジェクトです。

これは何かというと、もちろん紙はたくさん種類があり、企業様から出る廃材が使い放題の出張図工室です。開始から1年2年なんですけれど、広島や大阪に行ったり、いろいろなお話をいただいています。」

中川さん「それではさっそくみなさんに近くで見ていただきたいと思います。」

山田「はい。このチョキペタス号にはカラフルで楽しい文具がたくさんあります。素材もたくさんあり、これは明治から続く日本橋のリボン屋さんからいただいた、廃盤になってしまって使われなくなったリボンや、墨田区もものづくりのまちなんですがファスナーが型落ちになってしまって商品にならないのでということでいただいたり、そしてこちらの鉛筆の端材は触っていただくと楽しいのですが、葛飾区の鉛筆をつくっておられる会社さんから鉛筆を作る過程で出た、芯のはいっていない廃材をたくさんいただいて工作に使わせていただいています。なぜ端材をいただけたかというと、コロナの前には社会科見学で小学校などに廃材をお渡ししていたそうなんですが、見学がなくなってしまい、たくさん余ってしまうようになったそうでチョキペタスに使わせていただけることになりました。捨てるのにもお金がかかってしまうことがあるので、チョキペタスで活用させていただいてます。

北星鉛筆さんの芯なし端材
創業240年の老舗紙屋中庄さん本社ショールームの様子(東京都中央区)

そのほかにもペイントされたプチプチや、カラフルな消しゴムなど、色付きのものは子どもたちも楽しいので、スタート、と言うと子どもたちはなにかしら自由に作り出してくれています。
最近はお子様だけでなく、保護者の方にも一緒に楽しんでいただけているのは当初想像していなかったのですが、よかったことかなと思います。
端材や道具のメーカー様ともつながりが増えてきています。
端材というのはいろんな可能性があるので、ちょっと工夫するだけでかなりおもしろいと思います。」

チョキペタス空間で楽しむこどもたち

広島の住宅展示場で行った際のチョキペタス動画をみていただいたり、当日カラフルなアトリエヤマダカーで東京から愛知に向かいましたので、その紹介などさせていただきました。

アトリエヤマダカー


吉川さん「チョキペタスの話をもっと続けたいところではあるのですが、コーナーを変えまして、「究極目指すところはなんでしょうか?」という質問をしていきたいと思います。
中川さんは公民館の事業の進行やまちづくりをされており、そういった視点から。山田さんは自治体とのコラボレーションなど、ワクワクを広げてらっしゃるアーティストとしての視点でお願いします。私吉川は教師をやっていましたから、教育者の視点から書いていきたいと思います。

それでは、お二人が書かれている間に、私からいきたいと思います。
私は、「わたしだからできること」を目指しているように思います。子どもたちが生涯をかけてこれというものをみつけるための自己教育力を私たちは育てていく。そして、「わたしだから」というところに私は大切なのかなと思います。そんなつもりで教育に日々邁進しています。
さて、中川さんいかがでしょうか。」

中川さん「はい。私は、先輩から言われて今も印象に残っている言葉がありまして「公民館の仕事は例えばケースワーカーのように命に関わるわけではないけれど、公民館に救われたという人はたくさんいる」と。それが私のやるべきこと、私の仕事かなといつも感じています。」

吉川さん「ありがとうございます。山田さんお願いします。」

山田「はい。私も、今後どうしていきたいんですか?とイベントに呼んでくださる方に聞かれることがあるのですが、正直、5年10年前に、やりたいと思っていたことをやっていっている感じなんです。それを実現できるのがアーティストという仕事ではあると思うのですが、さらに何がやりたいかなというと「世界中のワクワクを集めたテーマパークを「みんなで」つくる」というのができると、
もちろんUSJとかディズニーランドとか既にいっぱいあるんですけど、自分たちでつくることができると面白いんじゃないかなと思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。「みんなで」というところが山田さんらしいなと思いました。山田さんはすごいテーマパークを作って、じゃあ遊びにいらっしゃいじゃなくて、多分それをつくるプロセスをみんなで楽しむかって気がします。いかがですか?」

山田「そうですね。チョキペタスもカタチを目指さないというコンセプトがとかあるんですけど、極論、図面を書いてしまえばイメージ通りのものが出来上がると思うのですが、そうじゃない、何か、もっと、、「プラスアルファの遊び」みたいなところに、非常に価値があるのかなと思っています。なので、みんなでつくっていきたいな、と思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。それでは話は変わってしまいますが愛知ということもありまして、愛知芸術祭に行ってアートに触れてきました。ここで「アートの力」について、50回以上講義を行ったことがある中川さん、アーティストの山田さんに改めてどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。」

中川さん「はい。アートの力は、固定的なものでなく、流動的なものです。よくこれはアート作品なのか、という批評があると思うのですが、アートに対してアートとは何かをアップデートしていくこともアートの役目ですよね。ですので、アート作品の中にはわけのわからないものもあります。だけど、わけのわからないものを楽しむ余白は社会に必要じゃないかなと思っています。今、なんでもわかりやすさっていうものが求められていますけど、そうすると逆にわからないもの、共感できないものの排除が生まれてしまう。好きなものであったり、共感できるものを受け入れるというのは誰でもできますので、基本的人権・表現の自由っていうのはそうではない人とかを受け入れましょうということのはずです。
でも、いま人にやさしくない社会になってしまっているので、その中でアートは多様な価値観、自分とは異なるものを受け入れるというのを作品や表現活動を通して見る人や体験する人に伝えることができます。
昨今の人や組織へのバッシングなどを見ていると、今の世の中はひとびとが憎しみでつながっているのではないかと怖くなるのですが、アートは、それとは違う価値観で人が繋がれるということを教えてくれます。
ワクワク・楽しさ・美しさ・驚きそんなもので繋がれる世の中の方がずっとよいと思いますし、それを実現できるところが、アートの大きな力だと思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。とても素敵なお言葉を聞けました。山田さん、アートだからなし得ることとか到達できないこととかあるかもしれませんが、いかがでしょうか。」

山田「そうですね。アートだから、というのは非常に難しい切り口かもしれないんですけど、改めてアートの力を考えて見ると、価値観というのがそれぞれのアート。アーティストという点ではありますので、半強制的にといいますか、強引に価値観のバトルが、アーティストとアーティストを組み合わせることで予定にはなかった世界が最終的にアウトプットとして出来上がるというのは、非常におもしろいことなのかなと思います。
これまで考えてなかったことが生み出されるきっかけになるのかなと思うので、予定調和ではないといいますか、そういった点がアートの力なのかもしれません。」


吉川さん
「ありがとうございます。それでは次に、地域復興・再生のテーマで話し合っていきたいと思います。
今、地縁の繋がりが希薄になっているといわれています。自治体に未加入であったり、子ども会がどんどん解散していく、特にコロナ禍で子どもの貧困が実際数字でもかなり出ています。それから、外国人居住者や空き家の増加、家庭教育の二極化や多様化したり。また、祭りや文化の継承が困難であるという社会の中で、「地域のコミュニティーを作っていく」
これが他にも取組として地域学校共同活動であるとかそういった活動がたくさんあります。でも、今回社会教育、生涯学習として特に中川さん、山田さんの取組により「賑わい」ができる。そしてそこで人が繋がる。そしてそこにコミュニティーが生まれていく。というようなところがあります。このような、まちづくり・ひとづくり、人を繋いでいくというような意識はどうでしょうか。お願いします。」

中川さん「はい。自発的な行為をするときにメリット・デメリットという考え方で判断することが多くなってることがあと思うのですが、例えば先ほど吉川さんがおっしゃってましたが、PTAや自治体にメリットがないから参加しない、一方で大学生は比較的ボランティアに積極的ですけども、それは就職活動にメリットがあるからという観点も大きいのではと思います。

しかし、このメリット・デメリットという観点では、地域コミュニティーを再生することはないと思っています。

そこで鍵となるのが、楽しいであるとか、ワクワクではないかと思っています。最初から最後まで、おもしろおかしいというのは世の中に滅多にありませんが、物事の入り口に楽しさやワクワクがあった方が入りやすくなりますし、後々に、問題解決していくようなシリアスな局面に差し掛かったときにも、最初に楽しさで繋がっているとコミュニティーの雰囲気はずいぶんと違ってるんじゃないかなと思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。山田さん、いかがでしょうか。」

山田「はい、大きいテーマ、ですね。コミュニティで言うと、私自身池袋、日本橋、渋谷、それぞれの地域で3年4年5年かけて、それぞれのクライアントの方と一緒にやっているのですが、この数年でどう意識が変わったかというと、アーティストとしてこの空間を瞬間的にワクワクさせてくださいってだけではなく、1年2年継続するような場所をつくるためには何が必要か、連続性というところはかなり意識しています。企画のときに、3年見据えると連続性になっていくんですけど、そういったとことを企画段階で意識するようにしています。」

吉川さん「ありがとうございます。今回の、海部地区4者合同研修会講演会はコラボレーションをテーマにしているのですが、例えば、教育と農業と福祉。これらをコラボレーションしたらどうなんだろう、何が生まれるんだろうとか。医療と音楽と教育。であるとか、大治町×富田林市とかこれもコラボかなと思います。異なるもの同士が繋がることによって価値がうまれるのではないかと言うふうに思うんですけども、コラボレーションというものについてお聞きしたいと思います。今度は山田さんからお願いします。」

山田「はい。これまで接点のなかった2社、3社がある共通の目的に向かって何かおもしろいことをしよう、もしくは場所を改善しようということを一緒になって話し合っていくことで、これまでになかった、例えば、ワクワクが生まれるというのはあるかなと思います。」

吉川さん「ありがとうございます。中川さんお願いします。」

中川さん「そうですね。私がやっていることはコラボレーションと思っていなくて、吉川さんに言われて初めてそうなんだと気付かされたんですけど、公民館のみならず、地域課題を解決していく上で、コラボレーションを用いることはすごく有効な方法だと思います。

AとBという組織がコラボレーションすると、Aが思っていることが100%、あるいはBが思っていることが100%実現されるわけではないけれど、協調はしますよね。どこで折り合いをつけるか、結構今の世の中で重要なことだと思いますし、もっと、いいところは、もしAが失敗したとしてもBが支えることができる。Bが失敗してもAが支えることができる。それがコラボレーションのいいところ。もっとたくさんの人が関わると、もっと支える人が多くなるので、1人の失敗をみんなでカバーできますよね。それはすごくコラボレーションのいいところだと思っています。

例えば公民館などの社会教育施設で同じ趣味や学びを持った人が集まる場所なので、そもそも共通基盤をつくりやすい仕組みになっているんですよね。最近公民館に地域課題の解決を期待されているのはそのせいで、公民館が公民館に、社会教育施設が社会教育施設にできることをきちんとやっていくこと。直接的でなくても間接的に地域課題を解決することになると思います。その鍵となるのが、コラボレーションなんだと思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。最後におひとことずつ。未来に、どのような夢を描いてらっしゃるでしょうか。お聞かせください。」

中川さん「そうですね。僕、K-POPが好きなんですけど、BTSの歌詞の中で「夢なんて持たなくたっていい」という歌詞があるんです、夢なんて持たなくなって小さな理想をそれぞれ追求していけばいいというような歌詞があり、すごく共感するんですけど、夢の強制みたいなものにちょっと反発するようなんですけど、、

僕は公民館で働くことが夢だったんです。
公民館に配属されるのが2回目で、1回目は1年間だけ配属したんですけど、その一年の経験でこんなにおもしろい職場はないと実感して、再度、公民館に配属されることを望んでいたので、今まさに夢を実現している途中という感じです。役所の仕事の中には自分の信じてないことをやらされていて、しかも、それをやることがかならずしも住民のためにならないってことがわりとたくさんあるんですけど、公民館の仕事を通して自分の好きなことが実現できて、しかもそれが住人にも喜んでいただけることもあるので、こんなにも理想的な職場はないと思っています。今後も公民館でできることをできるかぎり楽しいことをたくさんしていきたいと思っています。」

吉川さん「ありがとうございます。山田さんお願いします。」

山田「はい。「世界中のワクワクを集めたテーマパークを「みんなで」つくる」ことを今後も掲げていきたいと思っています。これに賛同していただける方と一緒にいろんなところを盛り上げていけたら嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。」

吉川さん「ありがとうございます。ではですね、今いろんなインターネットのおかげで、今回の3人の打ち合わせもネットでできたんですけど、世界がより身近になっています。より幅広く多様な人材や世界とのコラボレーションが可能だと思います。今ないものや未知なるもの、そういう発展に満ちているのではないかと思っています。ただ、そこには仕掛け人である私たちの前向きな気持ちと、最初の一歩のちょっとした勇気が大切かなと思います。中川さんのお言葉にもありました、私だからできること、好きから始めてみてもいいのかなと思います。

今回、私はまず中川さんと電話していただくにあたって、富田林市の「公民館の歩き方」という小冊子を読ませていただき、本当に感銘をうけました。ホームページにも紹介されていますのでぜひお読みいただけるととってもいいのかなと思います。よろしくお願いします。
それからもしご縁があればアトリエヤマダの山田さんとコラボレーションしてもいかがかなと思いますので、よろしくお願いします。お時間少しすぎてしまいましたが、トークセッションのコーナーを終了したいと思います。

なにか質問ある方いらっしゃいますでしょうか」

男性「中川さんのワクワク・楽しいのお話、共感しました。私もまずは自分の楽しいことワクワクすることから(企画を)始めたいと思いますが、人によってワクワクや楽しいはバラバラだと思います。そのあたりいかがでしょうか。」

中川さん「すごく本質的なことをおっしゃってくださったと思います。楽しさ・ワクワク自体も多様性があって、あることに楽しいと感じる人もいれば、それを楽しくないと感じる人もいるので、それは常に意識していかなければならないなと思っています。当館の場合、なるべく同じ講座やワークショップを繰り返さないようにしています。それは質問者様がおっしゃったように、その講座をよかったと言う人は、次も同じ講座をやってほしいと言ってくださるのですが、それはきてくれて喜んでくれた方はそうなんですが、例えば公民館講座というのは大体10人から20人くらいですかね、そうなると富田林市は大体10万人くらいの人口がいるんですけど、同じ講座をするということは、講座に参加しなかった9万9千990人のことを考えてないということにもなります。なので講座に参加しなかった9万9千990人のことも考えなければいけない。その講座に興味がない、おもしろくないと思っている人に向けて、私たちは常に新しい、いろんなことをやっていかなければならない。多様な人がいらっしゃるので、多様な人に合わせるように、我々も多様な講座をやっていく。その中でもしかしたらAという講座がおもしろくないと思っている人もBという講座は来てみたら面白いと感じることがあるかもしれない。そのようなマッチングの可能性を信じて、いろんな講座を企画しています。」

男性「ありがとうございます。」

講演会に来られている方は市の職員の方や公民館で働いておられる方が中心になっており、生涯学習講座のマンネリ化や利用者の固定化、高齢化により利用される方が減っていたりする問題などがあげられました。
そんな中、人と人が繋がり、関わっていくこと。行政の職員として、講座だけでなく事業展開を考えていく。地域、あるいはいろんな団体とコラボレーションすることが大事なのではないかというお話を聞くことができました。

また、「ワクワクコラボレーションでまちづくり」というトークセッションと同じテーマでグループ協議なども行われ、市町村それぞれさまざまな実情があるなか、各市町村の教育委員会の方向性、理想、夢について語り合われました。

最後に愛知県の海部地区の発展に向けて中川さんからは、
コロナにより、私たちが繋がりの中で生活していたんだということがよりわかるようになり、コラボレーションという繋がりを模索していく中でも、昔ながらの村社会的な濃いつながりではなく、ゆるく繋がり、ただ困ったときには助け合う関係性を、公民館や社会教育施設にいる方々が作っていけるようにしていければなと思っています。と語られました。

そして最後の最後は、山田ではなく一緒に来たアトリエヤマダのスタッフに一言というフリをいただき、まとまらない話ではありましたが、講演会後は応援していますと暖かい声をかけていただき、無事に幕を閉じました。

今回は吉川さん、中川さん、山田による講演会の内容を一部ではありますが、レポートと言う公開させていただきました。全て太字にしたいくらい濃い内容でした。
ご縁を繋いでくださった中川様、ゲストとして迎えてくださった吉川様、大変貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

代表の山田は講演会が楽しかったようです。
講演会やワクワク コラボレーションのご依頼お待ちしております。


ワクワクをカタチに
アトリエヤマダ株式会社
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