しるし
画像は昨年制作した100号という大きな作品の一部である。
植物を通して、その植物の記憶(植物の細胞に宿る命の記憶のようなもの)と私がその植物を通し経験したことの記憶…を作品に残すという作業をしている。
時間を留めておくという記録のようなものだろうか。人為的ではあるがそれは化石に似ていると思っている。
自分のことを少し書いてみようと思う。
自分で言うのもなんだが、どちらかというとドラマチックな人生を送っていると思う。
意思が働かない領域で運命に翻弄されているような。
輝かしいドラマではなく、一般的には「不幸」と分類されるようなドラマだ。
渦中にいる時は、(強靭なメンタルの持ち主ではないので)真っ暗闇のどん底にいるのだけど、時が経ち過去になった頃にはその出来事は「過去のこと」と割り切って生きることができる。
それは「しるし」として記憶には残っているけれど。
そんな性格のせいか、自分を不幸だと思ったことはない。
ただ欲を言えばもう少し安心して心穏やかな人生を歩めたら…と思ってしまう。
最近は花の絵を描いている。
花と人の関係性。
花は他者(虫や鳥など)との関係を必然としており、自力で生き延びているものは少ないのではないか。
さらに人が加わることによって花の運命、そして人類の歴史まで変えてしまうような関係性が生まれるのではないかと思う。
話が壮大になりすぎてしまったが、しばらくは私の記憶に残った花と人の関わりを記録していきたいと思っている。
心穏やかに過ごせる未来を願って
2024春
「しるし」2023
F100 紙本彩色
おじま りゑ
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