花摘み〜ブーゲンビリア
昨年末にベトナムへ旅をした。北部のハノイとその近郊。かなり前に行った南部のホーチミンとは印象が全く違ったように思う。
ハノイは都市である。街中は人混みが酷く混沌としており、交通ルールを守っているんだかいないんだか道路はバイクで溢れている。
それでもとても美しいと感じたのはアジアとヨーロッパの文化が調和した街並みと青々とした緑の多さによろものかもしれない。
中心には湖のある広い公園もあるが、街中とにかく緑で溢れているのである。巨大な木がわさわさと葉を広げていた。
そんなハノイの人々にとって植物は身近な存在で暮らしになくてはならない存在のように感じた。
都市なのでもちろん庭のようなものはほぼない。ベランダやテラスに花や植物の鉢植えが無造作に置かれている。たくさん、しかもどこの家にも例外なく。
家だけではない。
ハノイからバスで(高速道路を使って)2時間ほどのところだっただろうか、世界自然遺産になっているハロン湾がある。ハロン湾クルーズは船内で食事を楽しみながら湾を周遊し、途中洞窟を散策する観光客に人気のクルーズだ。
そのクルーズ船のデッキでも植木鉢で植物が育てられていた。クルーズということで高級感を演出するものなのかもしれない。
そこで見たブーゲンビリアの鉢植えが妙に印象に残っている。当たり前のように暮らしに花があるのはもしかするとフランス統治時代の影響なのかなとも思う。南国の花と花のある暮らし。ブーゲンビリアを見ながら、南国の生温い風を感じながら、ベトナム北部の人々の暮らしを思った。
「花摘み〜ブーゲンビリア」
2024 F0号
銀箔、岩絵具
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