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Part2 革になる動物

第二回目は、革になる動物についてです。

世の中にたくさんの動物がいる中、
何を基準に革となる動物は選ばれているのでしょうか。

革に利用されているのは、主に脊椎動物です。
(哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類、両生類など)  

脊椎は動物の身体を支える役割を持っています。
その為、脊椎をもつ脊椎動物の皮は身体が重力によって垂れ下がるのを防ぐことができ、
皮自体が身体を支える必要がないことから、柔らかく伸縮性があります。
 
対して、無脊椎動物(甲殻類、昆虫など)は甲羅や貝、殻などで
身体をささえる為皮が固くなり、実用には向いていません。
それらのことから、主に脊椎動物の皮が利用されています。  

〈比較的多く革に利用される動物たち〉

哺乳類:牛、豚、羊、ヤギ、馬、水牛、鹿、イノシシ、カピバラ、カンガルー、ラクダ
爬虫類:ワニ、トカゲ、ヘビ、ウミヘビ
鳥類:ダチョウ
魚類:エイ、サメ

これらのうち、豚、牛、水牛、ヤギ、羊、馬の多くは
家畜の副産物として皮が利用されていますが、
それら以外の動物の多くは野生動物であり
ワシントン条約によって利用の制限があります。
その為、飼育による革の供給が増えています。


ワシントン条約=CITES:
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、
絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的とする。(外務省サイト引用)  


*日本の皮革の現状
アメリカなど肉食文化のある国に比べ、
家畜の歴史が浅い日本では革の多くを輸入に頼っています。
しかし、豚革においては食肉政策から飼育数が多かったことから、ほぼ自給自足が可能です。
また、近年では牛革の自給自足率も上がっています。  


今回は革になる動物についてお話しました。
次回は広く革の性質の違いについてお話していこうと思います。  

Atelier8845では、
革製品のお修理、リメイク、オーダーメイドを承っております。
また、現在ブログでは役立つ革の知識、革製品について数回にわたってお話をしています。

【参考文献】
レザークラフトの便利帳 誠文堂新光社
レザーソムリエ資格試験公式テキスト Basic(初級)編


HP

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