見出し画像

きみはもうひとりじゃない

10ヶ月間のCTIコーアクティブリーダーシップの旅路の中にある4回のリトリート。リトリート毎にnoteを書こうと思っていましたが、全く書ける気がせず、あと2週間ほどで、リトリート4も始まるところまで来ています。

お盆、みなさんいかがお過ごしですか?

私は、ずっと怒涛の日々でしたが、スペースのある時間を過ごすことが出来ています。そのおかげで、Hana Hopeさんの曲を何度も聴いています。作詞は、加藤登紀子さん。何度も読み聴き返したくなる楽曲なので、ぜひMVを観てもらいたいです。この曲に合わせたら、noteも書けそうな気がして来たので、今回は、歌詞を引用しながら、noteを書いてみようと思います。

1.今回のテーマは家族

このリーダーシップの学びにおいて、私の中でずっと〈裏〉テーマとして流れ続けていたのが、「家族」です。リトリート1の前日に、祖母が亡くなることから始まっているこの旅路。この10ヶ月弱、私は、家族との関係性の中で、リーダーシップの学びを実践しようとして来ました。今までだったら考えられない奇跡の様なことも起こったし、うまく行かなくて、失敗したことも多々あります。リーダーシップに参加して良かったと思う理由は数多ありますが、実家の両親との関係性において、最もそれを感じているかもしれません。

家族の話をするのは、とても長い時間が必要だったし、今は、一番硬い栓が開いた気持ちでいます。〈裏〉テーマとしていた家族の話無くして、私の人生の目的も今やっている活動も無かっただろうと思っているので、今回は、家族の話をしてみます。

ありがとう こめんなさい
言えないきみが好きさ
本当の気持ち言えるまでは
黙っていていいよ

2.忘れられない家族旅行

リトリート1から帰ってから、私が真っ先にやりたいと思ったことは、「両親を旅行に連れていくこと」でした。理由は分かりません。でも、家族を旅行に連れて行きたい。そんな風に心底思ったことは、自分でも意外でした。

何かに突き動かされるように、「旅行に行かない?」と連絡し、家族の思い出になる旅行にしようと準備を進めました。

同時に、その頃、父が認知症かもしれないというという母の深刻な話を電話越しによく聞き始めていました。私自身も、介護や認知症の本を読み始めたり、情報を調べ始めたのもこの頃です。

空が綺麗すぎて
泣きたくなるのはどうして
どこか遠い人のこえが
聞こえる気がして

リトリート2の明け。色々な病院で検査を受け、「アルツハイマー型認知症」と診断を受け、要介護認定がおりました。認知症の特徴として、感情のコントロールがうまく出来ないというものがあります。元々、一度、自分の怒りの感情に火が付くと収拾が付かなくなる父。母にも今まで以上に強く当たる父に、母が滅入ってしまう構図が、更に色濃くなっていきました。

こんな状態で、旅行なんて行けるのか、行っていいのか?と、弱気な気持ちや、投げ出したくなる気持ちが溢れ出てきます。けれど、リトリート2のテーマは、「相手から創る」。今の両親から創るをやってみようと、そんな気持ちもあり、相談の上、旅行に行きました。

旅先は、満開の桜が見頃だった滋賀県

旅行中は、リーダーシップの学びを思い出して、色々な事を試しました。最初は、旅行中でも大声で怒鳴っていた父。何で私は旅行をしようなんて言ったんだろうと反射的になりそうな時に、この「父から創る」ことを思い出し、関わりました。すると、明らかに父の表情や態度が、変わっていったのです。表情も柔らかくなり、饒舌に私の小さい頃、学生時代の話を沢山してくれました。

「私は、愛し、愛されて生まれて来た」。

そんな風に思えた忘れられない夜でした。

翌朝、宿から見た琵琶湖が美しかった


旅行から帰ってきてから1週間後、父から手紙が届きました。お礼とともに丁寧に書かれた言葉のひとつひとつが嬉しくて、何度も読み返した手紙です。この手紙を一生大事にしようと決めました。

空を飛ぶ鳥も
迷子になる時がある
そんな時はもっと高く
飛び立って行くんだ


3.家族とつながり

リトリート3明けの翌日。私の最大のリトリート3で私が持ち帰った決意は、「つながりの中に居続ける」というものでした。リトリート3が始めるまで、「つながっているんだよ」と言われても、私にはどうしてもピンと来ない。頭では分かっても、それが本当の意味でどういう意味なのか分からない状態だったのです。

リトリート3の中で、仲間からの関わりで、白旗を挙げざる得ないと言う気分になりました。頭では分からなくても、つながりを身体の感覚が覚えている。それは、頭ではなく、体感覚で得た学びでした。

誰かを愛したら
きみはもうひとりじゃない
だれかの為に空を見上げる
きみはもう一人じゃない

そんな新世界の感覚に夢見心地の状態にいる中で、母から電話がかかってきたのはリトリート3の翌日です。

父の気性がさらに激しくなり、30年間続く母のうつ病が悪化しているという内容でした。どしんと胸に重く来る内容で、電話越しでも2人の間に流れてる空気がどんどん薄くなっていくのを感じ、出来るだけ、深呼吸をしながら聴きました。ああ、リーダーシップに行っても、全然、現実は辛いなと思ったのも事実です。

リトリート3から戻ってきた私は、母と電話をしながら、初めて泣きました。その後、実際に、母の身体に触れ、足をさすりながら、本音で話をしました。それは、母とのつながりを沢山感じることが出来た瞬間でした。ゆっくりと、でも、明らかに、家族の関係性も変わって来ている、そんな変化の最中にいます。

大好き大嫌い
どっちか分からないよ
本当の気持ちわかるまでは
抱き合っていようよ

介護のことは、まだまだ始まったばかりです。これからも、リーダーシップの学びを沢山実践していきたいと思っています。

遠方に住んでいる私だからこそ、色んな人に助けてもらわないと何もできないと言うことも現在進行形で学んでいます。地域包括センターの方やデイケアの方への感謝は計り知れません。

4.家族の話がしたい

リトリート3が明けてから、「みんなと家族の話がしたい」と色んな人と家族の話をしました。自分が心から本音で話すと、今まで聴いたことがない相手の家族の話も聴けて、関係性がより深くなる体験も何度もすることが出来ました。

時間はシャボン玉
一瞬に消えていく
どんな短い思い出だって
僕は忘れない

私の人生のテーマは、「命に触れ、めぐりを創る」。めぐりとは、「つながり」のことだったと最近とても思うのです。それは、私が一番求めているものでもあります。自分自身と、相手と、場とのめぐり(つながり)を創るために、私はコーチングもしているし、エサレンマッサージもしているし、場づくりもしていると思った時に、月並みな言い方になってしまうけれども、色々なことがつながってきた所にいます。

きみを守る人が突然
どこか遠くに行ってしまったら
それがきみの旅のはじまり
誰かを憎むより愛する人に


5.目に見えないつながり

最後に、もう一度、私の家族の話を。
一昨日、母からお墓参りに行ったという連絡と共に、墓跡に綴られている祖母の歌碑が送られて来ました。私が生まれる前に亡くなって会ったことは無い祖母の話、家族の話を一気に思い出し、何度も歌を読みました。

野の花を 摘みては手向し 逝きし子は
たたかいの 果ての遠き日や


戦争による空襲の際、祖母は、一番小さい息子をおんぶをして必死で逃げたこと。逃げ切った先で、その背中で息子が亡くなっていたことを知ったこと。戦争が終わってから数年後に、父が生まれたこと。

祖母は椿が好きだったそう

祖母はどんな想いでこの歌を歌ったのだろう。
きっと、今の私よりも若い時の体験です。
そう思ったら、会ったことのない祖母を抱きしめたくなりました。

縦に続いている家族のつながりを感じて、祖母に、戦争で亡くなった幼い叔父に、気持ちを重ねました。それは、はじめての感覚でした。

遠くの国で今
争いが起こっている
目を閉じて思い浮かべよう
暗い夜の怖さを

明日は、終戦記念日。ゆっくり空を見上げたいと思います。目に見えないけれど、つながりは確かにある。その中に居続けて、生きていることをゆっくり感謝する1日を過ごしたいと思います。







よろしければ、ぜひサポートをお願いします。いただいたサポートは、現在行っている活動をより必要な人に届ける為に、使用させて頂きます。