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伝統的な料理か、現代的な料理か。 cucinare

個人的な話なので、特に誰かの為になるかは分かりません。
暇な人だけ目を通していただけると嬉しいです。

フィレンツェに来て1週間が経ちました。
できたことを大まかに挙げるとすると、
①何とか簡単な意思をイタリア語で大家さんに伝えることができるようになった。
②バスの乗り方が分かった。
③食事に行った店に自己紹介をして、そこのシェフとメールアドレスを交換することができた。

まだまだできないことは無限にあるので、少しずつイタリア語のレベルをアップして減らしていこうと思います。

③の、お店への仕事交渉は、イタリアに来て1週間にしては早い方だと思いますが、今は勢いに任せてみてもいいのじゃないかと冷静に考えています。波に乗っている時はとりあえず乗ってみて、危険だと感じたらブレーキをかければいい。

このお店があるのはフィレンツェからバスで約20分、街を一望できる有名なミケランジェロ広場とは逆の方向へ山道を登って行きます。
フィエーゾレ(Fiesole)という場所なのですが、そこは有名なミケランジェロ広場よりも広域のフィレンツェを一望できるとても景色のいい場所でした。
大家さんのバンナに教えてもらいました。
人も多くはなく、標高が高いので空気も澄んでいます。
僕は直観的にこういう場所に住んでみたいなと思いました。
調べてみると、フィレンツェよりも歴史の古いエトルリア人の都市国家だったそうです。静かでとても小さな街です。観光する方にはおすすめの絶景スポットです。フィレンツェの人ごみに疲れてしまったら、ぜひ足を運んでみてください。

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バス停留所のある広場のRistorante Bistrot al 5というお店で食事をしました。
食べたのは「Tartara di manzo brado, cavolo nero, castagna, midollo(放牧牛・黒キャベツ・栗・骨髄) 」と、「Agnolotti ripieni di salciccia di Grigio del Casentino e stracchino del Mugello, crema di zucca e olio evo alla salvia(̠カセンティーノ産グリージョ豚のサルシッチャとムジェッロ産ストラッキーノチーズのラビオリ・カボチャのクリーム・新鮮なエキストラバージンオイル・サルビア)」です。
デザートには「Ganache di ciccolato biancovado,zafferano di Fiesole, olio nuovo, arancia, pinoli(ホワイトチョコレートのガナッシュ・フィエーゾレ産サフラン・新しいオリーブオイル・オレンジ・松の実)」

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それなりに値段はしますが、どれも地元の新鮮な食材を使った素晴らしい料理でした。この後カメリエーレと交渉してシェフとメールアドレスを交換することができました。返事が来るかどうかは分かりませんが少し前進した気がします。


ここで僕は一つの疑問を持ちました。
働く場所に関してです。
せっかくトスカーナに来たのだから、昔ながらのトラットリアで、昔ながらのトスカーナ料理を学んだ方がいいのではないか?

次の日僕は昔からやっている街中のトラットリアに行きました。
誰もが知っているリボリータと猪のラグーパッパルデッレを食べました。
確かにとても美味しかったのですが、何だかワクワクしないのです。
この2つの料理のレシピは知っていますし、自分でも作ることができます。
もちろんお店によって味が違うのは分かるのですが、正直日本でもイタリア以上に美味しいリボリータとパッパルデッレを作るお店はいっぱいあります。

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フィレンツェには昔ながらのレストランが無数にあります。
そのほとんどが昔からのレシピを忠実に守っています。

伝統って何で伝統になったのだろう?

伝統って何で守っているのだろう?

僕は自分の中に一つの答えを導きだしました。
上記の2つの疑問を考え追及することこそがイタリア料理を理解することだと。伝統的なレシピが伝統的なレシピになっている由縁こそがイタリア料理の伝統の本質だと。
なのでそこはこれから更に勉強することが大切だと思いました。
知識の部分です。

逆に技術の部分に関してはもっとワクワクする方へ行きたい。
あらゆるイタリア料理を食べてきた自分にとっては、伝統的なレシピを美味しく再現することさえできれば十分だと思っています。
そもそもヨーロッパで現代的な料理と言われれば必ずフランス料理のエッセンスが含まれています。
しかしそれでもいいと思いました。
イタリア料理の哲学をもった料理であればそれはイタリア料理になると。
伝統をそのままのカタチで残すことは本当に大切ですが、それと現代において自分の店でそれをするかということとは切り離して考えた方がいい気がします。

なので僕に与えられたこれからの課題は伝統的なレシピが伝統的なレシピである由縁の研究と再現、そしてその伝統をふまえたイタリア料理の哲学をベースにしたワクワクするような現代的な料理技術の向上の2つだと思います。

どちらか迷っている時は大体の答えがどちらか一つではありません。
もちろん時間やお金の制限があったり、どちらか一方を決めなきゃいけない時も必ずあります。しかし遠回りをしてでもやらなきゃならないこともあります。

もちろん言葉の話せない外国人が仕事を見つけるだけでも十分かもしれませんが、アタックできるチャンスがある場所にいるのだから、アタックだけでもどんどんしていきたいと思います。

明日は鎌倉で好きになった自然派ワインをベースにした現代的なエノテカへ行ってみようと思います。ではまた来週👋

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