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note72 「音」でお客を惹きつける方法

私がフジテレビ時代、年に1回、東京湾花火大会があり、それは台場の局舎の目の前で打ちあがります。私のデスクは13階の窓際でしたので、本当に眼前に花火がさく裂するのです。ところが迫力を感じません。

その理由は、窓が厚いガラスに覆われていて、花火の爆発音が遮断されてしまうからです。無音の花火ほどつまらないモノは有りません。
2年目以降は、社内放送のスピーカーから音を録って流しています。目はリアル花火、音はスピーカーから流れるという変な感じです。
 
さて、何を言いたいかと言いますと、人の感情の揺れは視覚だけでなく、「音」の存在の影響が大きいと言えます。
音無しの花火は、全く迫力がありません。
 
ちなみに浅草ビューホテルの高層階でも同じ場面があります。
隅田川花火が部屋から眼前で観られます。
ところがさすが観光施設です。部屋の窓はもちろん完全密閉されているのですが、1か所だけ小さな窓だけ開くように工夫されていて、そこから花火の音が入るという訳。
これなら迫力満点ですね。
 
エンターテイメントの世界では、音響効果や音楽は大変重要です。
 
ドラゴンクエストのゲーム音楽は、すぎやまこういち先生が作曲しましたが、実はクラシック音楽がベースです。
ゲームにクラシック音楽? 
一見違和感がありますが、すぎやま先生はクラシックにこだわったそうです。
クラシックでやれないなら作曲は引き受けないと・・・・・
そこまでこだわった理由は、未来永劫、永遠に残るゲーム音楽にしたかったからだそうです。
結果それによって、ドラゴンクエストのブランド価値は上がり、他のゲームとは一線を画した荘厳な世界感が醸し出されました。
ホールでの壮大なゲーム音楽コンサートも開かれました。
 
ディズニーランドに行ったことは有りますか?
舞浜の駅を降りたとたん、すでにディズニー音楽で包まれています。
ゲートを歩いていくと、欄干から流れる音楽でいやがおうにも気分が高揚していきます。
園内に入ったら一気に音楽が高くなり、耳から体感を包み込んでいます。
イッツ・ア・スモール・ワールドのテーマ曲は、なぜ一度聴いたら覚えてしまい、ハミングしたくなるのでしょうか?不思議でたまりません。
※ディズニーの音楽に関しては、少し先で詳しく述べます。
 
昔「かくし芸大会」の番組で私の後輩が時代劇の演目を作りました。
その殺陣のシーンになんとルイ・アームストロングのジャズの音楽をBGMに付けたのです。これを見た時には鳥肌が立ちました。
チャンバラシーンにジャズ?
一見違和感だらけと思うかもしれませんが、大変感動しました。
 
「なるほど!ザ・ワールド」はお陰様で80年代~90年代大ヒットしました。
音に関して言うと、海外レポートの映像には、BGMはほとんどつけませんでした。
原則的には現場の音を生かしたのです。理由はリアリティーを大事にしたかったからです。音楽をあえて入れないで、現場音だけで勝負する、視聴者は「その場にいる」という感覚に、少しでも浸ってもらいたかったのです。
更に、エンディングはオープニングと言う逆転の発想をして、エンディングの曲は、オープニングの曲を再度流しました、
その理由は、番組は毎週放送があり、終わりではなく、次週の始まりへつなぐ演出だったのです。
つまり「さよなら」ではなく、「またね」というメッセージです。
 
さて、少しテレビや映画から離れてみましょう
車のフェラーリの音と、カマロの音は全く違います。どちらが好きですか?
ホンダのバイクと、ドカッティー、BMW、トライアンフ、或いはハーレーダビットソンのエンジン音は全く違います。
みんなそれぞれの魅力があり、エンジン音自体がブランドになっています。
 
レストランで、ハンバーグが鉄板の皿にのって出てくるのがあります。
ジュージューと音からもおいしさが伝わってきますね。

或るラーメン店。
店内に流れるBGMがジャズ音楽でした。
これだけでそのラーメン店の性格がわかります。
お客の層も変わるでしょう。
 
スーパーのマックスバリューの店内では、常時テーマソングが流れていて、耳に焼き付きます。
当然テレビCMなどにも使われています。
 
北海道にあるクラブメッドに行った時、リムジンバスから降りたとたん、ゲートで景気のいいダンス音楽がガンガン流れました。
気分は一気にバカンス気分です。
音楽の「つかみ」です。
「さーこれからめいっぱい遊ぶぞ」と言う気分になり、思わず体が動き出してしまいました。
 
鉄道を見てみましょう
小田急ロマンスカーが通過する車外音は、クラクション代わりでしょうが、とても疾走感が感じられる音楽です。

駅の音楽。高田馬場では鉄腕アトムの曲が流れます。
駅に着く度に、なんだか「今日も頑張ろう」という気になります。
新幹線の東京駅に到着するときの車内の音楽、「お疲れ様」と言う感じがよく出ています。
 
デパート内のお知らせアナウンスの前の短い音楽、ジングルと言うのですが、注意喚起の意味が込められています。
 
最近は職場でも、音楽を流す会社が多く有ります。
音から来る心地良さを演出してしています。
 
我が家は、隣が森で、朝は小鳥の鳴き声で目が覚めます。
小鳥の鳴き声はなぜ、さわやかで安堵感が感じられるのでしょう?
会社でも、観葉植物を置いて小鳥に鳴き声を流す会社もあるようです。
 
このように、音楽や音をマーケティング上戦略的に活用する
「音ブランディング」が、今注目されています。
音楽や音は人の感情を揺るがす大きな要素でもあります。
曲次第では、生産性を高めたり、幸せな気分になったり・・・
貴殿の会社や店舗、或いはデジタルツール等ビジネス面で、印象的なBGM音楽や、音楽ロゴを使っては如何でしょうか。
 
 

ついでに、こちらが現在私が熱海で活動している会社です。
お問い合わせはこちらまで。


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