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熱海の崖に家を建てる カーボンニュートラルはお金がかかる?

オリンピックやらコロナやらいろいろありますが、我が家は粛々と熱海Case Study Houseの設計を進めています。「個人でできるカーボンニュートラル」編にも書きましたように、熱エネルギーを使おうと暖房給湯のできる木質バイオマスボイラーの導入を検討しています。ところがこれがなかなか悩ましいことがわかってきました。今日はそのあたりの悩みを皆様に共有させてください。

熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House。
自腹でケーススタディしながら
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。

猫砂を燃やすペレットボイラーに注目

木質バイオマス燃料は、薪やチップ、ペレットなど様々な種類があります。我が家が注目するのは、木分を圧縮成型した直径6~8㎜、長さ10㎜~40㎜の円筒形の乾燥燃料で、品質にばらつきが少ない木質ペレット。
特徴は、
① 燃焼機器への自動供給、自動調節が可能。
② かさ密度は木材チップの2倍以上、エネルギー密度(容積あたりの発熱
量)も3倍以上あり、輸送及び貯蔵効率が高い。
③ 乾燥燃料で、着火性や燃焼性が良い。
④ 発熱量は石油の1/2と低いが、 生産・輸送、燃焼を含めたCO2排出量
は石油の1/5、電気の1/10と少ない。
⑤ ただし、雨水にさらすと膨潤し崩れ、貯蔵に注意

なんだか難しそうですが、猫を飼っている人ならピンとくるあれ、そう、ヒノキチップの猫砂です。猫砂と木質ペレットって同じものなのです。猫飼いのみなさん、親近感湧きませんか?

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結構高い!

設計事務所経由で、ペレットボイラの見積りをとってみました。

暖房負荷23Kw(床暖房のみで79㎡)、給湯負荷23.4Kw(数時間で湯舟200Lを2回、温度50度まで温める)を想定、50Kwの出力の製品を選定。

ボイラー本体とペレットをためるサイロ、周辺機器、輸送費等をいれた価格は、GUNTAMATIC社BIOCOM(30Kw) 600万円、オコフェン社(56Kw)800万円でした。思ったより高い。

林野庁さんのホームページにも「木質バイオマスボイラーの導入は、化石燃料ボイラーに比べて初期費用が大きく、導入の大きなネックになっています」とあり・・って、助成制度つくってください!

代替策を考える

いろいろ調べると、個人住宅のボイラー適性規模は10Kw~30Kwなので、設計事務所が設定した50Kwは少しオーバースペック気味です。このギャップ、どうして生まれてしまったのでしょう。我が家は2人暮らしなのに、エネルギー使いすぎな設定なのかしら?

木質バイオマスボイラーには下記特徴があることがわかってきました。
①木質バイオマスボイラーは、化石燃料ボイラーと比較して高価であるため、ピーク負荷に合わせた規模で導入を行うことが最適とは限らない
②木質バイオマスボイラーは、瞬間的な熱需要の変動に対するレスポンスが遅いことが特徴。ベース負荷を木質バイオマスボイラーでまかない、既存の化石燃料ボイラーによってピーク負荷をまかなう、ハイブリッド型システムにしたほうが、コストパフォーマンスが高い

カタログなどをみるとGUNTAMATIC社BIOSTAR(12~23Kw)、THERM(5~10Kw)、オコフェン社PE(S)10(10Kw)と、低出力の製品もあります。たぶん、これでベース負荷を賄えるようにして、初期費用を抑えるのだと思います。その上で、ピーク負荷分を別のエネルギー源で対応することを検討する必要がありそうです。ものすごく単純には、ピーク負荷分を電気で賄うという仕組みにするのがよさそう。

ただ、給湯部分についていうと、太陽熱で400Lの貯湯をする予定なので、給湯はこれで一定の分散ができるのではないかと(素人的には)思うのです。床暖房がピークの障害になるのであれば、各部屋にペレットストーブボイラーを配置し、メインボイラの負荷を下げる方法も考えられます。ペレットストーブボイラーって、カタログ価格で60-70万円くらいなのですよね。あとは、床暖房を温水式を電気式に置き換え、ボイラーの対象を給湯だけに絞ることでしょうか。なんかできそうな気がするのですが、素人ではこれ以上よくわかりません。

ということで、夏休みで少し時間があるので、もう少しリサーチしてみます。解のない逡巡にお付き合いいただいて申し訳ありません!

まとめ

猫砂をエネルギーの原料にするという、猫飼いにはなんとも親近感のあるペレットボイラ―の導入を検討しています。ただ、化石燃料ボイラーに比べ高価であることから、ベース負荷をペレットボイラーでまかない、電気や他のエネルギーで分散しピーク負荷をまかなう、ハイブリッド型システムを考えることが課題となっています。コストと性能のバランス、考えないと!もう少しリサーチを進めます。

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出典

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会「よくある質問 木質バイオマスの燃料について」https://www.jwba.or.jp/explanation/fuel/#01(2021年8月1日閲覧)

一般社団法人日本木質ペレット協会「バイオマス産業社会ネットワーク第161回研究会 日本の木質ペレット利用の現状と課題、今後の取り組みについて(平成28年10月18日)」https://npobin.net/research/data/161stOkamoto.pdf(2021年8月1日閲覧)

林野庁「木質バイオマス実践情報」http://www.mori-energy.jp/database/boiler/notice.html(2021年8月1日閲覧)

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