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記憶装置としての音楽

映画やドラマなどで使用されていた楽曲を聴くと、その作品のことを思い出すというのは、誰もが経験したことがあるのではないかと思う。

比較的最近の例を挙げるなら、Official髭男dismの「ミックスナッツ」を聞けば、「SPY&FAMILY」を思い出すのではないだろうか。アニメの第2期は、別の方が主題歌を担当されているが。また、RADWIMPSの「大丈夫」を聞けば、「天気の子」を思い出すのではないだろうか。

しかし、それ以外でも、ある音楽を聴くと、ある出来事あるいは思い出を思い出すこともあるのではないだろうか。

上述のように、映像作品と音楽が関連している場合、そこから生まれるイメージは単純なことが多い。一方で、楽曲が何らかの作品とは関連しない場合、音楽から想起されるものは人それぞれだろう。

私の場合、GReeeeNの「歩み」を聞くと、小学校の時の宿泊合宿を思い出す。あの時、あの場所でこの曲を聞いたか、あの頃この曲が流行っていたからだろう。

思い出す記憶の内容は、時が経つにつれて勝手に美化されていっている部分もあるかもしれない。しかし、ある曲を聞くと、自分の中でその曲と紐づけられた「あの頃」に戻ることができる。忙しいと音楽を聞くゆとりさえも得られないが、ふとした時に聞いた音楽が、過去へのタイムマシンとなっているのは面白くもある。

自身の思い出と音楽との紐付けがいつまで続くのかはわからない。でも、小学校の時のこともしっかりと覚えているのだから、そう簡単に結びついた糸が解けてしまうこともないのではないかと思っている。

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