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午前1時、軽井沢で片頭痛を吹き飛ばす踊りを舞う。

2024/4/22 曇り
片頭痛度 50%
緊張片偏頭痛 70%

昔は純粋無垢な顔をして旅行を全力で楽しめていたのだが、近年は片頭痛が悪化してしまい体調を気にしながら旅行をせざるを得ない状態だ。
せっかくの旅行だし楽しみたいのは山々なのだが、片頭痛が付き纏うこの身体では楽しめなくなってきている。

片頭痛があるときにはどうしたって体調が悪くみえてしまうので旅行仲間に気を使わせてしまうし、どこかで雰囲気を悪くさせてしまっているのかなという不安もある。
旅行が楽しくないわけじゃないし不機嫌なわけじゃない。単純に頭が痛くて少しぼーっとしたり顔を歪ませてしまっているだけなんです。
歩くのも遅いかもしれないけど頭が痛いからついていけなくて……いやもう本当にごめんなさい……っていう気持ちになることが多過ぎてみんなでいく旅行は控えたりしていました。

ただ、昔からの気心知れた仲間だったら頭痛のことを理解してくれているので多少体調悪そうでも各々で好きに楽しんでくれるのだが。サンキューマイフレンズ。

⭐︎

というわけで今日は軽井沢に来ています。
ひさびさの家族旅行です。
大人5人子ども2人でワイワイと遊びます。

ダムを見学したり美味しい蕎麦を食べたりしていたのですが、高低差で発生する気圧の影響や、天気も雨模様で片頭痛的なコンディションは最悪でした。

いつものようにそつなく笑顔を貼り付けながら行動しても頭には鳴り響く片頭痛の音。
ふらっと飛び出る旅行ですら「頭痛のせいで楽しめていない」というネガティブな感情が心から漏れ出てきてしまう。

宿に到着してゆっくり温泉にも浸かるかなと思い露天風呂に浸かるものの、動悸のような激しい心拍と身体が温泉を拒否しているような感覚に陥りそそくさと退散。
これまでは温泉もゆっくり浸かれたし調子のいいときはサウナも入れていたのだが、どうやらコンディションが悪いと温泉すら受け付けなくなるというショックを抱えて浴衣に着替えた。

⭐︎

夕飯はとっても美味しい和食屋さんだった。
個室貸切でコースはおまかせ。
とても贅沢な時間だった。
片頭痛治療の為に酒は控えるようにしていたのだが、ひさびさに解禁して酔っ払うほど酔った。
お酒が強い方なので理性が弱まり気持ちよくなるまで飲むことはなかなか珍しいのだが、久しぶりの家族旅行ということもありたらふく飲んだ。楽しかった。楽しかった!

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この数年、片頭痛に悩まれされ続けている。
どんなたのしいイベントがあっても、どんなたのしい出会いがあっても、どんなたのしい食事をしても。
常にあるこの頭痛のせいで楽しさは半減していた。

だが、今日は飲み過ぎて酔っ払ったからかなんだかとても上機嫌になれた。頭痛を忘れるほど酔っ払っているのだろうか。ひさびさに世界が明るく感じた。


食事を終えて部屋でひと段落した深夜1時。
思わず私はホテルの外に飛び出した。

山の中にあるホテルは少し脇道に入ると街灯がほとんどなく暗闇となる。
近くを通る川のせせらぎが鼓膜を弾ませる。
ひんやりとした山風がほどよく酔いを覚ませてくれる。
暗闇の中で願いを込めて空を見上げるとそこにあるのは曇天。星は見えませんでした。残念。

それでも私は暗闇の林道を歩き始めた。
頭痛が弱まっているときは本当に気分が晴れやかだ。
私はこのときに限り無敵だ。どんな嫌なことでも立ち向かう自信がある。家族だって守れる。

こんな夜遅い時間にすれ違う人なぞいるわけもなく、私は踊りながら徘徊を続けた。

うろ覚えのナートゥダンスや気持ち程度のソーラン節、最近PVを見たからわりと振りを覚えていた恋愛レボリューション21。

なにせ空気もいいもんだからついついどこまでも歩みを進めてしまう。

私の片頭痛はもしかしたら東京から離れたら治るのかもしれないな、などと希望的観測が脳裏にチラつきながらホテルへと舞い戻っていった。

⭐︎

もういい大人なのだから、体調管理も含めて社会人の生活だ。
この片頭痛がどのくらい辛いかの物差しなんてないのだから、自分のバランスにあわせてやりたいように生きていかなければならない。

片頭痛の原因がスパゲッティのように絡み合っている今、原因の除去と体質改善を1歩ずつ歩みを進めていくしかない。

長い戦いになるかもしれないが、もし私の頭痛が完治したときは。

無痛の人間として深夜徘徊しながら朝まで踊り狂いたいものだ。

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