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ニューノーマル時代の花火大会「実験 ARおうち花火大会」

本記事は2020年9月3日に投稿されたものです

こんにちは、プロデューサーの橋爪です。
今回は「webAR×新聞」の事例についてご紹介します。

この8月に、信濃毎日新聞(長野県)と一緒に企画実施した「実験 ARおうち花火大会」がバズりました!
SNSで拡散されたり、TVにも幾つか取り上げられ、沢山の反響をいただいています。
なので、話題がホットなうちにblog記事を書いておきます。

どんなコンテンツ?

8/15の朝刊に、諏訪湖の風景写真が掲載されました。
その新聞紙を壁などに貼り、スマホでQRコードを読み取ると、 Webサイト上で“画面に写っている新聞紙の風景写真のうえに花火がARとして出現する”というものです。

さっそく見てみましょう。

<Twitterイベントのリンク>
https://twitter.com/i/events/1294551151560388608

どうでしたか?
ARというとアプリをインストールなければならず面倒くさいという印象があるかと思いますが、
今はスマホのブラウザ(safariなど)で、こんなにも簡単にシームレスに体験することができます。
それに、情緒的な表現が2020年コロナ禍の気持ちとリンクしていますよね。

どんな仕組みなの?

もう少し詳しく説明すると、

①アプリARではなくブラウザAR!

アプリはみんなDLしてくれません。一時期、 広告業界でも流行りましたがやはりハードル高いです。
スマホの性能も上がりwebAR(ブラウザAR)用のツールも発達して、今はいろんな事ができるようになりました。
アタリはxRが得意なので、コロナ以降は特にこの領域に力を入れています。

②どんな画像でもマーカーにできる!

今回は画像の一部をNFTマーカー(マーカレスマーカー)としていて、一度認識した後は一瞬消えたとしてもSLAMである程度の位置関係を推測して出し続けるようにしています。 なので、新聞紙がちょっとクシャクシャになっていても認識できます。
「ARマーカー」は今までは野暮ったいデザインのものにしなければならなかったですが、デザイン性もぐんと上がりましたし、精度も結構なものです。

③CGで作った花火の動画を、新聞紙の手前に表示している!

ARというと3Dオブジェクトをテーブルの上に出すような表現が多いですが、今回は“ARの中でも平面的な表現を”しています。周り込んでオブジェクトを見るというより、コンセプトが「新聞紙の拡張」なのでその表現がベストでした。
諏訪湖花火は、湖面に花火が反射する様が美しいディティールなので、その辺りも作り込んでいます。

余談ですが、担当プログラマーの寺島も長野県の出身です(^^)

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どうして話題になったのか?

①気持ちに寄り添う

コロナ禍の夏やすみ。毎年あるはずのお祭りや花火大会が中止になっている。仕方ないとはいえ、何か心にぽっかり穴が空いたような淋しい気持ちになる。という方々が多いと思います。
その状況において、テクノロジーを活用して楽しさを伝えるだけではなく、地方新聞がもともと持つ地域密着性と組み合わせた「本当にその土地の人々の気持ちに寄り添っている企画/表現」をしたからこそ、多くの人の共感を得ることができたのだと思います。
ただ楽しいだけではなく、気持ちが動くということの大切さを私たちとしても勉強させてもらいました。

②古いメディアと新しいテクノロジーの融合

デジタルとは縁遠いイメージのある新聞は、日常生活のなかでのアナログの象徴として認識しているかと思います。
アナログのイメージがあるものに対して、新しいテクノロジーであるAR(しかも簡単にできるAR)を加えることによって、「見えなかったものが見えるようになる」というマジック感を老若男女が感じられたかと思います。
事実、PC上に表示されるマーカーを認識するよりも、あの薄くて手馴染みのある新聞紙からARが飛び出る方がグッと来ますね。

③シズル感

湖面に映り込む花火のリフレクションなどのディティールや、諏訪湖花火大会の特色花火(kiss of fire)の再現などを追求しました。
体験型のコンテンツになるので、音楽や演出も重要になります。情緒的なコンセプト/コピーワークだったので、本件にも絡んでいるCEO神林の友人の「いろのみ(柳平淳哉)」さんに楽曲提供をしてもらいました。彼はエモーショナルな音楽をつくっている長野県在住のピアニストなので、今回の企画にピッタリでした。
http://ironomi.com

みなさんも体験できます!

信濃毎日新聞が無いとできないの?
と思われる方もいるかと思いますが、実はこのサイトで誰でも体験できます。
https://shinmai-ar-hanabi.com

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サイト下部にある「ARマーカーを表示する」をクリックして、紙面pdfをPCなどで表示して下さい。もちろんプリントしてもOKです。
そのpdfの左下にあるQRコードを読み取ると、特設webサイトに移動し「実験 ARおうち花火大会」を体験できます。
公開期間が10/14までなので、ぜひ皆さんも体験してみてください。
※既に公開は終了しています

興味がありましたらご連絡おまちしています。

contact@atali.jp