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競争率は上がる?コロナ鍋での大学院進学を考える

こんにちは。Ataktsです。

これから大学院入試がある方もいると思いますが、受験生の中にはコロナ鍋の今日、「例年と比べて大学院進学の競争率が激しくなるのではないか」と不安になる方もおられるのではないでしょうか。

今回は今日のコロナ鍋下での大学院進学について考えてみました。これはあくまでも考察であり、個人の考えであるため、間違いを含む可能性があります。あらかじめご了承ください。


大学院は学生が欲しい

まず、基本的に大学院生の席数は多いです。

大学院重点化が1990年代以降続いており、それに伴い大学院生の数を増やしている傾向にあります。そのため、中には定員割れしている有名大学大学院も少なくありません。旧帝国大学などの名門大学でも、研究科によっては夏の入試で定員割れを起こしており、冬に再び入試を行うことも珍しくありません。

大学院は学生が欲しいのです!他の国はともかく、基本的に日本では大学院生が大学院にお金を払うので学生が多いに越したことはありません。そのため、コロナ鍋下でも(経営困難な私立大学を除く)多くの大学は定員数を下げることはないだろうと予想されます。


就職活動の難化に伴って大学院入試も難化するのか?

国内大学院進学(修士)を考えている人にとって不安な点は、就職活動がうまくいかなかった同級生が、大学院入試に流れてくるということでしょう。

結論から言えば、そこまで心配することはありません。ただ、今年は理系(理学系、工学系)の大学院入試は少しだけ競争率が高くなる可能性があります!

中央教育審議会大学分科会大学院部会(第81回) H29.5.30によると、平成16年(2004年)から、大まかに、学士課程修了者の進学率は横ばいであり、最も多い理学系でも大体40%程度であることがわかっています。

それではリーマンショック後の就職氷河期である平成22年〜25年(2010~2013年)での大学院進学率はどうだったのでしょうか。平成22年〜25年では、多くの専門分野は横ばいになっており、保健系は減少しています。しかしながら、理学系、工学系は進学率が平成22年度のみは上昇していました。

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もちろん、現在の状況と過去の就職氷河期は比べられず、今年度は実際にどのような状態になるのかはわかりません。また、データも少なく信憑性も低いものとなっております。ただ、今年度に限れば、少し理系の大学院進学率(修士)は上昇する恐れはあります。

ちなみに博士課程はリーマンショックなど関係なく減少傾向であるように見受けられます。(ポスドク問題やパーマメント職の不足を置いておくと、)国内博士課程進学の競争率はコロナ鍋でも変化しないと思われます。

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外部への大学院進学は増えるのか

これについてはデータがないのでわかりません。ただ、私の学士時代の学科(理系)では例年全体の10%程度が他大学院に進学していましたが、リーマンショック後すぐの平成22年では3%程度だったと記憶しています。

この原因はやはり不明ですが、大学院進学率が少し上昇したため、どの大学でも内部進学率も必然的に上昇し、(1)結果的に外部大学院を志しにくくなったから、(2)または競争率が高くなったから、ということが考えられます。

現在は、新型コロナウイルスの影響で卒業研究の進展度が例年と比べて遅くなり、自身の研究活動が思うようにいかないため、延長するという意味で内部の大学院へ進学する生徒の割合も増えているようです。これらを統合すると、主に理系の外部大学院について今年度に限っては、外部生との競争率は減る一方で、内部生との競争率が上がる可能性があります。

ただ、外部からの枠がなくなることはありません。むしろ、オンラインで研究室訪問ができるため、例年より多くの研究室を訪問でき、出願を増やすことができます。また、外部からの希望者が少ない分、名前を覚えてもらいやすくなります。私としては、他大学大学院進学を考えておられる方がいるのであれば、頑張って欲しいと思っています。


終わりに

まとめると、理系の大学院進学率は今年度のみほんの少し高くなる可能性があります。それに応じて外部への大学院進学は、外部生との競争率は下がり、一方で内部生との競争率が少し上がってしまう可能性があるのではないかと思います。ただ、それは一過性のもので今年度に限定されると予想しています。


これからも大学院入試や編入学などについて書いていきますので、何卒宜しくお願い致します。


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