東大大学院を蹴る!?独立大学院大学とは何か

こんにちは。Ataktsです。

私の学部時代の友人で他大学の大学院に進んだ学生は何人もいますが、その中で二人は独立大学院大学に進学しました。しかも彼らはどちらも東京大学大学院を受験し、合格したのち、東大大学院を蹴ってその大学院大学に進学しました。

その独立大学院大学の名前は総合研究大学院大学。しかし、一般の知名度は東大の方があるのになぜ、総研大を選んだのでしょう。

今回は、あまり広くは知られていないかもしれない独立大学院大学の魅力について書いていきます。

1. 独立大学院大学とは

文部科学省の資料によると、学部を置くことなく大学院のみの大学(昭和51年学校教育法改正)という定義だそうです(https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2018/12/18/1411901_005.pdf)。

日本の大学院は基本的に2年間の研究を行う修士課程(博士課程前期)とその後プラスで3年間研究活動に勤しむ博士課程(博士課程後期)、1~2年間で職業に直結する専門的な知識を有する専門職学位課程があります。その中で、この独立大学院大学の大半は5年一貫制の博士課程(修士課程+博士課程)プログラムを実施しています。

ただ5年一貫制の博士課程でも2年間で辞めることもできるそうです。この場合、修士の学位をもらって辞めることになります。また、他大学で修士を取得した後に、独立大学院大学のように5年一貫制プログラムの大学院に編入し、そこから3年間で博士取得を目指すこともできるようです。

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マイナビ進学より(https://shingaku.mynavi.jp/cnt/etc/column/step2/basic/)

2. 独立大学院大学に進学するメリット

研究設備、環境、人材が整っている

独立大学院大学は一流の研究機関であり、多額の資金と投じて研究に適した設備、環境が整っています。また、それに伴い、一流の研究者が集まっており、魅力的な研究ができる環境であると言えるでしょう。

周りの学生が博士課程修了を見越している

当たり前ですが、プログラム的に修士の学位を得てリタイアしようと考えている学生は少なく、多くの学生は博士の学位を取得するために日々研究に勤しんでいます。そんな中で研究活動を行うのは良い刺激になるのではないかと思います。博士課程の先輩も多く、奨学金や学振に申し込むための書類作成でアドバイスをもらえる機会も普通の大学院より多いでしょう。まさに研究者を目指す学生にとっては画期的な場所と言えると思います。

3. 友人が総合研究大学院大学に進学した訳

上記の点も魅力的でしたが、東京大学大学院でも設備は整っていますし、人材も申し分ないです。博士課程の学生も多いでしょう。なぜ友人は東京大学大学院ではなく、総合研究大学院大学に進学したのでしょうか。

それは彼らが研究機関に就職することを目標としていたためです。総研大は18の研究機関で博士人材を育成する大学院であり、学生は国立民族博物館や宇宙科学研究所、国立天文台など日本の名だたる研究機関で研究することができます。また5年先を見越した研究ができ、指導教員が有する潤沢な資金を用いて充実した研究をすることができるらしいです。

また、これはあくまで私の憶測ですが、そのような研究機関に席を置き、研究する機会があれば、博士課程修了後にその研究機関にポスドクなどで取ってもらいやすいのではないかと思います。やはり、誰かわからない人を採用するより、昔からその研究機関で学生として熱心に活動している姿を見ている人の方が採用しやすいでしょう。

これらの理由で彼らは総研大に進学したそうです。

4. 友人が進学した独立大学院大学の紹介

現在日本には大体26個の独立大学院大学が設置されているようですが、その中で私の友人が進学した大学院大学を紹介いたします。

・総合研究大学院大学 (SOKENDAI)

1988年に設置された国立大学で、日本で最初にできた独立大学院大学です。本部は神奈川県ですが、学生は様々な研究機関(大学共同利用機関)で活動するため、同じ総研大生でも研究室の場所はバラバラです。研究現場での高度専門教育と広い視野を養う総合教育・高い研究者養成率が魅力です。総研大には東大大学院を蹴った学部時代の友人二人が進学しました。

・奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST)
奈良先端科学技術大学院大学は1991年に設置された国立大学で関西文化学術研究都市の中核を担っています。情報科学・バイオサイエンス・物質創生科学を相互に関連し合う学問としてそれぞれの領域を有する先端科学技術研究科のみの大学院になっています。「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング 2015 (文部科学省/科学技術政策研究所)」で国立大学第2位であり、理工系研究の最先端であると言えるでしょう。このNAISTには私の編入前に在籍していた大学の知人一人と高校の頃の友人一人、合わせて二人が私の身近で進学しました。

終わりに

私は大学院を受験するまで独立大学院大学のことは知りませんでした。また、自分の専攻と直結するような研究室がなかったため進学しませんでしたが、友人達曰く非常に素晴らしい場所だそうです。大学院進学を考えている方は是非一度どんな研究室があるのかチェックしてみてはいかがでしょうか。

ご覧いただきありがとうございました。

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