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#10|運命のその日は超定番、運動会の日だった

たまたま通った保育園が超アクティブだったおかげで、
長男はお咎めを受けることなく、クラスメイトに馴染んで育ってくれた。
唯一、電車でスキー場に出かけた行事のお迎えの際、副担任に硬く手を握られ、囚われ人のように固まって改札を出てきた彼の、亡霊のように佇む2人の姿は、かなり強烈に脳裏に焼き付いているけれど。

地域の小学校へは、幼稚園と保育園双方から子どもが入学する。が、保育園の子供が2/3以上で、ほとんどがクラスメイトだ。一回り以上若い彼らのママは華やかで、一塊のグループを形成していた。

そしてその日は、その類の子どもたちがクリアすることが難しい難関、2学期9月の運動会の日にやって来た。

小学校の運動会は校門脇に屋台が出るほどの地域のお祭りで、両親はもちろん、その両親が隣町からでもやって来る一大イベントだ。すっかり減ってしまった児童数なので校庭はスカスカだけれども、開門時にはそれでも熾烈な場所取り合戦が繰り広げられる。そんな熱を帯びた行事が無事終わり、埃を吸って疲れた状態の私たちに、担任の先生が近づいて来た。

「K君のことでお話ししたいことがあります。」

自分の子供が学校の意に沿わないことをするのは容易に想像が出来たので、
最初はすごく抵抗を感じ、その旨伝えたが、先生はそれに動じることはなく重ねて学校での様子を訴えてくる。別日に面談をすることになった。

(イラスト*長男3歳半)

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