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アノトキノコトバ 2023春Ver.

2023年1月15日に投稿したモノを、
一田憲子ライター塾通信講座の際に
今、「アノトキノコトバ」を
どう受け止めているか。
修正したモノです。
もしかしたら、
人生の中でまた変わっていくかもしれません。


私には忘れられない「言葉」がある。

高校3年生で進路を考える時、
今の職業である先生になろうと決めていた。

実力は足りなかったが、
だからこそ力を付けて夢に挑戦したいと思った。
そのことを、
担任の先生に告げた時にこう言われた。

「あなたは先生には、なれないと思うよ。」

かれこれ30年前の話なので、
事の詳細は忘れてしまったが、
あの時の事は今も覚えている。
しかも、大事な節目に思い出す。

受験に失敗した時には、
やっぱり先生の言うとおりかもと落ち込んだ。
大学時代は、
言われたことの悔しさを晴らそうと勉強に燃えた。
採用試験連続不合格になった時には、
別の職業に就くことを考えた。
合格したときには、
見返してやったと言う気持ちと同時に、
鼓舞するために
わざと言ってくれたのかもと思った。
育休明けの時には、
この仕事を続けるのは楽じゃないと
覚悟を伝えてくれたのかとも感じた。

その時々で思うことが違っても、
いつもあの時の言葉を思い出す。

もう一度会って聞いてみたい。

「先生、あの時どんな思いで
 言って下さったんですか?
 私はあの言葉のおかげで、
 自分を奮い立たせたり、慰めたり、
 達成感を感じてきましたよ。」

今となっては先生の真意は知りようもない。
知らない方がいいのだと思う。

未来を否定される言葉だったけど、
あの言葉を「先生からの呪いの言葉」にせず、
夢を諦める根拠にはしなかった。

そして、事あるごとにあの言葉を
「厳しい道だけどやってみなさい。」という
励ましのメッセージだと
受け止め直して生きてきた。

そして教員として生きる覚悟を決め、
自分を強くする言葉に変えたのだと思う。

言葉は生き物だ。
口から出た瞬間から
こちらの意思とは関係なく、
力を持って動き出す。

それならば、せめて私は受け取った言葉を
プラスに変える強さを持ちたいものだ。

『アノトキノコトバ』は、
私に人生を切り開き、
前向きに生きていく力を
つけてくれたように思う。


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