出窓の時間で
あれ、いないっ!と気づいた時
大体はそこにいるのだ
カーテンが「ここにいるよ〜」と
入り口をつくっていて
それを目印にわたしはいく
そぉっとカーテンをひらく
だけど、いつも起きてしまう
だからわたしは、「ここにいたの〜」と毎回言う
わかっちゃいるのに毎回言う
彼は出窓においておいたニットの上にのっていた
そのニットは数日前に彼がご飯を吐いて汚したものである
好きなニットに吐かれたのはとても悲しかったけど
それ以上に吐くことが辛いことを知っているわたしは
吐いてしまった彼の背中をなでた
クリーニングに出すためになんとなくおいておいたニットは、すでにエサの匂いはなくなり彼のお布団になっていた
そして、彼は身体を窓にペッタリつけていた
寒くないか心配になった私は窓に手をつけた
…さむくない。心なしかあたたかく感じた。
そういえば、今日は2月なのに19度まで上がり、
春が近づく匂いがしていたことに気がついた。
彼は眠かったのに起こさないでよと言わんばかりに
わたしを睨んでいる
ごめんごめんと思いながら
わたしは彼の頭に鼻をくっつけた
そして、背中に頬をくっつけ
おしりをポンポン優しく叩く
ゴロゴロの音が聞こえた
優しい音で切ない音だ
いつか可愛い猫が寝てるところに
飼い主が顔を埋めるなんて
虐待だ!可愛そうだ!となる時代がくるのかな
それでもわたしはお構いなしに彼の背中に
顔を埋めて浅く呼吸をした
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