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今年印象に残ったコンテンツ【齊藤】

明日の叙景のドラム、齊藤です。
今年印象に残ったコンテンツを書きます。


映画

TAR/ター

世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたリディア・ター。彼女は天才的な能力とそれを上回る努力、類稀なるプロデュース力で、自身を輝けるブランドとして作り上げることに成功する。今や作曲家としても、圧倒的な地位を手にしたターだったが、マーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんな時、かつてターが指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは、追いつめられていく──

https://filmarks.com/movies/100794?mark_id=155621319

5月6月の明日の叙景EU&UKツアーの帰りの飛行機で観ました。
ある種、神のような存在になることを究極的な目的にするとキリがなくなり、どこかでガタがくる。(なるほどだから指揮者という設定なのね)
主人公のターは服のほこりを払うことが癖で、キャラクター描写としてうまい&カッコいいので、一時期自分もやっちゃってた。

ノット・オッケー!

ある女性がテロの被害者を装いフォロワーと名声を得る。

Disney+

Disney+で去年配信のブラックコメディ映画。
うだつが上がらない主人公の承認欲求が肥大化して、嘘でもってSNS上でインフルエンサーに。活動をする中で、学校銃撃事件に遭いそれをきっかけに銃規制を訴える活動をしているティーンエイジャーと出会い心を通わせるが…。
「手垢のついた言葉」というものがありますが、今年は、ある言葉を使うことで救われている人たちがいる言葉を不用意な手で使い手垢をつける、ということがよくあり、悲しく思った。
この映画の主人公は手垢を付けてしまいます。

フェイブルマンズ

50年にわたるキャリアの中で、『ジョーズ』から『E.T.』、『ジュラシック・パーク』まで、史上最も愛され、変幻自在な数々の作品を世界に送り出してきたスティーヴン・スピルバーグが、“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描く。
初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年は、8ミリカメラを手に家族の休暇や旅行の記録係となり、妹や友人たちが出演する作品を制作する。そんなサミーを芸術家の母は応援するが、科学者の父は不真面目な趣味だと考えていた。そんな中、一家は西部へと引っ越し、そこでの様々な出来事がサミーの未来を変えていく──。
母を演じるのは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などでアカデミー賞®に4度ノミネートされたミシェル・ウィリアムズ、父役には『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のポール・ダノ。
両親との葛藤や絆、そして様々な人々との出会いによって成長していくサミーが、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求める物語。

https://www.universalpictures.jp/micro/fabelmans

こちらもEU&UKツアー帰りの飛行機で観ました。が、日本語字幕が無かったため英語字幕・英語音声で見始めたところ、最初の10分で「これはかなり凄いのでは!?」と思い、途中で視聴をやめて、後に日本語字幕でしっかり観ることに。
この作品の主人公は上記二作品の主人公とは全く逆で、編集者という映像を操る神であることの怖さや危うさを痛感・自覚しながら、その上で映像制作に勤しむ。
諸事情でライブ映像の編集をしていた時期に観たので、わかった(気になった)箇所が結構ありました。

ウィッシュ

どんな願いも叶うと言われる魔法の王国ロサスでは、国民は偉大な魔法使いであるマグニフィコ王に願いを捧げ、いつか王様が魔法で自分の願いを叶えてくれることを信じて暮らしていた。 しかし、アーシャは、人々に慕われているマグニフィコ王が、実はみんなの願いを閉じ込め支配しているという王国の真実をひとり知ってしまう。 思いもしなかった真実を知ってしまったアーシャが夜空に向け「どうかお願い」と強く願ったとき、彼女のもとに降りてきたのは願い星<スター>だった。 スターや相棒の子ヤギ・バレンティノ、そして仲間たちと共に皆の願いを取り戻そうとするが、みんなの“願い“を破壊しながら、その願いの力で魔法の力をさらに増していく、ディズニー史上最恐のヴィランとなるマグニフィコ王がアーシャの前に立ちはだかる―― 。

https://filmarks.com/movies/105386?mark_id=165674841

「為政者に関してのエトセトラ。または国家における、企業としてのディズニー(またはエンターテイメント)の理想的な立ち位置」を示した作品という印象。
これは自分によくあることなのだけど、コンテンツの制作者が表現したいことであろうと自分が感じたものが、自分の感覚と合致していると、表層が雑であっても多少満足しちゃう。
予告編でわかる設定を見た時点で、これは結構ハイブローな作品になるのでは?と思っていた。実際に「主人公の亡き父は哲学者」という設定や、中盤自分が知った真実を仲間に説明するミュージカルシーンでは、明らかにプラトンの洞窟の比喩を彷彿とさせる表現が出てくる。
ただ近年のディズニー傘下フランチャイズ作品を観て思うのが、映画の尺を短くすることにこだわり過ぎて、大事なものまでオミットしてはいないか、ということ。残念ながらこの作品にもそれを感じたところです。

ドラマ

THE LAST OF US season1

人体に寄生する菌類による感染症が発生。パンデミックから20年が経ち文明崩壊したアメリカでは、生存者による勢力争いが起こっていた。生存者の1人・ジョエルは、「ファイアフライ」の指導者・マーリーンから、身元不明の少女・エリーを隔離地域から脱出させる運び屋を任される。はじめは小さな仕事だったが、やがて壮絶な旅へ発展していき、2人は生き残りを懸け感染者がはびこるアメリカ全土を横断することに…。

https://filmarks.com/dramas/8913/12705?mark_id=10910663

ゲーム原作のドラマ。ゲームは未プレイ(いずれやりたい…)。
ドラマ「チェルノブイリ」の制作陣と「THE LAST OF US」原作者の共同で制作された作品。良いに決まってる。
メインキャラクターではない脇役のストーリーを一話かけて描き、それが後にメインキャラクターのストーリーに還元される、というのは、とてもドラマ的で素晴らしい表現だと思う。
2話目はゲーム原作者のニールドラックマンがエピソード監督をしているのだが、世界観の構築が良い。が、演者の演技がすこし硬い印象はあり、庵野秀明の実写作品での演技演出と近いものを感じた。
最近はゲーム原作の映像作品がうまくいくことが多かった。来年配信のFalloutドラマシリーズ、A24によるDEATH STRANDINGも楽しみです。

キラー・ビー(原題:Swarm)

殺人、セックス、音楽。本作品はフィクションではない。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8NQ1TTT?tag=filmarks_web-22

チャイルディッシュ・ガンビーノとしても知られるドナルド・グローヴァー監督によるドラマシリーズ。
あるポップスターの狂信的なファンが度を超えてしまう話。
話はとにかくしんどいが、演出が冴えてる冴えてる。固定カメラをうまく使った映像作品はとても好きです。
後半に出てくるカルト教団、その教祖の役にビリー・アイリッシュを起用してるんですよ。キャスティングも冴えてる冴えてる。
EU&UKツアー中の空き時間に観てました。

いちばんすきな花(生方美久脚本作品すべて)

二人組を求める人生で出会った、4人のひとりたち

https://www.fujitv.co.jp/ichibansukina_hana/

「ノット・オーケー!」の中で書いた「言葉に手垢がつく」ことに紐づけて、このドラマの脚本家は、手垢がついた言葉から手垢を落とす作業をする人だという印象を持ちました。
それに、セリフやモチーフのリフレインが凄すぎる。ドクターマンハッタンみたいな脚本(?)。

テレビ番組

SIX HACK

あなたが、偉くなるための番組。 なぜ、偉くならないといけないのか。 どうやって、偉くなるのか。 6つのハックを手にして、偉くなりましょう。 明日から使える”偉くなるためのハック”をお伝えします。

https://youtu.be/oRlIVWD-H4o?si=CGgLfnYzB1vGAfg0

なかなか説明の難しい番組。シニカル、ブラックコメディ、ホラー、サイケ、メタフィクション、この辺りが入ってます。

祓除

「祓除(ふつじょ)」は穢れや禍などを除くことを意味し、これまでに人々のあいだで穢れや禍とみなされてきた映像や物品を無害化するための式典。2023年11月18日にテレビ東京が開催。

https://youtu.be/57DD_VUIylc?si=wXYkEi74xveg7wWU

上記SIX HACKの制作陣も参加しているホラーイベントです。これも説明が難しい。

音楽

各メンバー分、プレイリストにまとめてあります。

まとめ

今年印象に残ったものを総評すると、大いなる力には大いなる責任が伴う、ということをそれぞれの角度から描いたものが多かったなと思います。

(header photo by 井上恵美梨)


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