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Jリーグ応援願望

2002年日韓W杯のとき、ボランティアをしました。そのときにリーダーだった、某J2チームの広報A氏が、まだW杯の興奮が冷め切らない打ち上げかなにかで、「これからが問題なんだ。この盛り上がりを、Jリーグにつなげていかないといけない」と語っていたのを、いまでもよく覚えています。

わたしは、A氏のアツき思いにまんまと感化され、当時J2だったチームの試合に足を運ぶようになりました。最初は、何がなんだかさっぱりわからなかったけど、お祭りのような雰囲気と、A氏がしかけるイベントの面白さと、スタジアムの清々しさ、生で試合を見る感動に、見事にハマりました。なんとしてでも、チームをJ1に昇格させたい。その思い一心でした。その後数年間、結婚して子供が生まれる臨月まで、わたしはスタジアムに通いつづけました。息子の世話に追われるうちに、チームはJ1に昇格し、何年間も上位5位以内に入る強いチームに成長したのを、横目で見つつ、なんとなく「自分の役目は終わったな」と勝手に感じていました。

あれから16年。ロシアW杯ロスのなか読み終えた、津村記久子著「ディスイズザデイ」には、当時のわたしのようなサポが老若男女入り乱れて登場します。架空の二部リーグを応援する人たちのそれぞれの人生。スタジアムに通っていたころを懐かしく思い出し、読んで胸がアツくなりました。A氏がめざしたサッカーは、まさしく「地域に根ざしたチーム」でした。商店街の人たちを巻き込み、小学校を巻き込み、わたしのような関わった全ての人を巻き込む。たかがサポーターと思われがちですが、観客が多ければ多いほど、チームは強くなるんだと感じました。

ディスイズザデイにある通り、スタジアムには老若男女いて、みんながチームの勝敗に一喜一憂します。試合と観客の一体感、臨場感にはなにものにも変えがたい高揚感があるんです。Jリーグの魅力を余すとこなくその筆力で書き上げた津村さんは、本当にすばらしいと思います。

地元のJリーグの試合、一度行って見ませんか?いやなことを忘れられますよ。わたしもまた行ってみようかな。その前に、A氏にもこの本を薦めてみよう。

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