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『今はただ 思ひ絶えなん とばかりを 人づてならで いふよしもがな』左京大夫道雅

《意味》
今となってはただ、あなたのことは諦めますということだけでも、人づてでなく、直接会ってお伝えしたいと思うのです。


許されぬ恋の道。引き裂かれた恋の終わりの一首です。

この歌の作者・左京大夫道雅は、関白であった藤原道隆を祖父に、内大臣であった藤原伊周を父に持つエリート家の後継として生まれました。しかし5歳の時に父・伊周が道長との争いに敗れ失脚、日陰の道を歩くこととなります。
そんな道雅が恋に落ちた相手は三条院の第一皇女、そして神に仕える恋愛厳禁のお役目・斎宮の任を終えたばかりの、当子内親王でした。

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