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『明けぬれば くるるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな』藤原道信朝臣

《意味》
夜が明けてしまえば、また必ず日が暮れてあなたに再び逢えると知ってはいるものの、それでも一度は別れて帰らなくてはならないのが、やはり恨めしくてならない、この白々しい夜明けです。

「朝を恨めしく思う」
百人一首の中でも数多く歌われているテーマの一首です。

藤原道信は時の権力者・藤原兼家の養子です。藤原兼家といえば、藤原道長の父親。よって政治的にも出世していたのですが、政治より和歌を好み、歌人たちとの交流が深かったようです。
見た目も性格も申し分なく、雅な人物だったのですが、残念なことに流行病であった天然痘で23歳という若さで亡くなってしまいました。
なかなか情熱的な恋愛をする人だったようで、身分違いの高貴な女性・婉子女王に恋をしたものの失恋してしまった時に、次の歌を贈っています。

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