見出し画像

ニードフル・シングス、読了

数日前の記事に続き。スティーブン・キングのニードフル・シングス下巻、読み終わった。
キャッスルロック、炎上( ̄◇ ̄;)‼️
まさにそれだああ〜〜〜😱💦💦💦

キャッスルロックに小さな店がやってきた。
店の名はニードフル・シングス。
その店が売るのは、誰かにとってガラクタでも、誰かにはかけがえのない品。
心の底から渇望するものをもし、目の前に出されたら? 誰も欲求に抗えないだろう。
だがそれを買ったが最後、店主リーランド・ゴーントと見えない契約をすることになる…

この物語、キャッスルロックに住まう人々の様々な過去・因縁を絡めて、ゆっくりと伏線を辿りながらクライマックスへ盛り上がってゆく様が素晴らしい!
話の中でしばしばアラン(キャッスルロックの保安官)が、無意識に指で影絵を作り出し遊ぶシーンが出てくる。
また彼はちょっとした手品で子供たちを和ませようとする。
ただの趣味なのかな、と思っていたがこれが最後にあんな形になるなんて‼️
目には目を、術には術を。
クライマックス10ページは思わず前のめりになって読んでしまった。

リーランド・ゴーントの魔力は強く、コントロールされてしまうとなかなか術から抜け出せない。
だが人間皆が皆、それに操られたままではなく、自力で呪縛を解く者もいる。それには精神肉体ともに激しい痛みが伴い、自分を見つめ直し理性に立ち返る勇気が要る。結果的にそうしたメンバーが自力で覚醒しアランを救った。
もう駄目だ、こちら側に帰って来れないだろうと諦めていた人が、幾度となく葛藤を繰り返した末に立ち直ってゆく。その過程を見て人間捨てたもんじゃない!と思うのは、登場人物の人生を知り尽くした気になっているから。
それはしつこいくらいキングが、彼らの過去を内面から掘り下げ語ってきたからである。

物語の中で、とても良い台詞があった。
「亡霊ってどんなものだか知っているかね。
亡霊とは、過去を乗り越えられないでいる人間のことだよ」
これに、はっとした。そうかもしれない。
いや、そうだ。どんなに振り切っても、忘れようとしても消えないのは、自分自身の中できちんとそれに決着をつけていないからだ。
それができていないと、ちゃんと幸せに向き合えない。
深い、深いところでキングが我々に語りかけているような気がした。

あとがきを読んで改めて思った、ニードフル・シングスの中には、なんと多くの過去作品の登場人物が再登場していたのか! まさにキャッスルロックを舞台にした物語の集大成。
スティーブン・キングはこれに、キャッスルロック最後の物語、と副題を付けたというが、
もうキャッスルロックという町は小説の中に登場させないつもりなのだろうか。
あんだけ炎上してしまったら、、、いや、終わりにするつもりだから炎上させたのか。
だとすると寂しいなあ。
この本を読んでから、キャッスルロックを舞台にした物語を揃えてみようか、と思い始めている。
過去読んだ本はみんな手放してしまったし、日本ではもっぱら図書館で借りて読んでいるから、手元にはまったくない。
スティーブンキングの本を集めてみるか。…
読み返したら、またのめり込みそうだ(^_^;)

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?