見出し画像

Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます #01 「ズラタン・イブラヒモビッチのヤバイ話


みなさん、はじめまして。元プロフットボーラーの林陵平です。
この記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

僕はヴェルディ・アカデミーから明治大学を経て、2009年にJリーガーに。そこから12年間で延べ7クラブを渡り歩き、Jリーグ通算で300試合、67得点を記録。2011年のクラブワールドカップでは、チームをベスト4に導くPKも決めました。そして、2020年12月に現役を引退しました。

そんな僕ですが、なにを隠そう、じつは「Jリーグ随一の欧州サッカーマニア」を自負しています。自叙伝やストーリー集などを出す選手はいますが、海外サッカーのガイド本を現役中に作ったJリーガーは僕が史上初だと思います(ご興味ある方は初の著書『Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます』もご参照ください!)。

ですからこのnoteでも、海外サッカーの魅力を伝えられればと思い、著書のなかから何名か、スター選手や名監督の「スゴさ」と「ヤバさ」を、一部抜粋して紹介していきます! 海外サッカーを好きな人も、あまり知らなかったという人も、誰でも楽しんでもらえるようなトリビアも詰め込んでいるので、肩の力を抜いて読んでもらえればと思います。

さて、まず最初に出てくるのはズラタン・イブラヒモビッチ(現ミラン)です。ズラタンは、彼がパリSGにいた頃に現地のトレーニングセンターまで行って、サポーターと一緒に氷点下の中で4時間も〝出待ち〟したほど、僕が「神」として崇めるプレーヤーです!

【イブラヒモビッチのここがスゴイ!①】

テコンドー経験が活きたアクロバティックプレー


自他ともに認める世界最高クラスのストライカー。いや、個人的には史上最高のストライカーだと思っています。195センチ・95キロという巨漢とは思えない繊細な技術、パワー、視野の広さ、そして決定力と、CFに必要な能力をすべて兼ね備えていますね。

最大の魅力は、「超アクロバティック」なプレー。ボレーキックやヒールキック、オーバーヘッドキックはもちろん、なんと回し蹴りまで駆使し、前代未聞のスーパーゴールを何度となく決めています。

そのバックボーンとなっているのが、幼少期に習っていたテコンドー。黒帯の腕前だったそうですね。ただでさえ身体が大きいのに、その格闘技経験のおかげで足が誰よりも高く上がります。だから、普通の選手ならヘディングするような高さのボールも、足で叩けてしまうんです。圧巻ですね。

画像2

【イブラヒモビッチのここがスゴイ!②】

老いることなく「偽の9番」に進化!


20代後半になって以降は、いわゆる「偽の9番」へと徐々に変わっていきました
※[偽の9番]……9番(センターフォワード)ながらトップ下や司令塔のように振る舞うため、「偽の」という言われ方をされる。「ゼロトップ・システム」という呼称も)

最前線を起点にしながら中盤まで下がり、ビルドアップ、崩し、フィニッシュと攻撃の全局面に効果的に絡むんです。これはリオネル・メッシやフランチェスコ・トッティのようにセカンドトップ系の選手に多い動き方なんですが、ズラタンのような本格派CFがこのタスクを担うのは稀。おそらく前代未聞でしょう。
※[セカンドトップ]……主に2トップシステムの時に、少し下がり目にポジションを取るFWのこと。

40歳目前の現在もトップレベルで戦えているのは、このプレースタイルの進化も大きいと思います。もう39歳になりましたが、個人的にはあと5年はプレーが見たいですね。


俺はまるでベンジャミン・バトン(80歳で生まれた人間が若返っていく物語の主人公)さ。いつも若く、老いることがないんだ

ってズラタン様の言葉を、僕は信じています(笑)。

【イブラヒモビッチのここがスゴイ!③】
とにかくカッコいい!「ズラタンの言う事は絶対」


ズラタンはプレーのみならず、発言もとにかくカッコいい! いわゆる「ズラタン節」です。その一部を紹介しましょう。

「クリスチアーノ・ロナウド? リスペクトしているよ。でも、俺のライバルじゃないな」
「俺のいないワールドカップなんて見る価値がない」
「2位以下は最下位と一緒だ。俺がいれば優勝できる」

アヤックス→ユベントス→インテル→バルセロナ→ミラン→パリSG と、ほとんどの所属先でリーグ優勝を果たしてきた。

「俺はフェラーリだ(他の選手は一般車)」
「バルサの選手はみんな静かで優しい。お行儀の良い小学生の集まりのようだった」
「トレーニングでも試合でも200%の力を出し切るべきだ。そうじゃなきゃ勝利なんて掴めない」


どうでしょうか?

一見すると傲慢な大口叩きにも見えますが、これが違うんです。
ズラタンは決して自分を偽らないだけで、しかも妙に説得力があるんですよね。
だから、現代のサッカー界には、「ズラタンの言うことは絶対」という謎の不文律があります(笑)。

【イブラヒモビッチのここがヤバイ!①】
「彼に殺される…」仲間にも容赦なく怒り狂う!


さてここからは、技術やプレーの「スゴさ」だけでなく、常人とは異なる「ヤバさ」もご紹介していきたいと思います。

ズラタンはかなり「熱いパッション」の持ち主です。
とにかく負けることが大嫌いで、敵と揉めることは日常茶飯事、仲間にも容赦なく激しい檄を飛ばします。
最近もミランのチームメイトであるイスマエル・ベナセルが、こんなことを言っていました。


「ズラタンと一緒に戦うには、常に全力を尽くさなければいけない。完璧を求めるからね。そうじゃないと、彼は怒り狂う。殺されてしまうんじゃないかって勢いでね(笑)。でも、僕はそれで正しいと思う。本当のハイレベルっていうのはそういうものさ」

10年ほど前には、トレーニング中に激しいタックルを浴びせてきたオグチ・オニェウ(元アメリカ代表DF)と大喧嘩に。なんと頭突きを食らわせたそうです。

画像2

そんな敵なしの「武闘派」ズラタンが、唯一、頭が上がらないと言われているのが、妻のヘレナ・セーガーさん。11歳年上の元キャリアウーマンです。写真を見ると分かるんですが、たしかになかなか怖そうな奥様……。ズラタンがほぼ唯一、逆らえない方だそうです。

【イブラヒモビッチのここがヤバイ!②】
何十億も稼ぐ大スターなのにお金に超細かい!


ズラタンは「お金に細かい選手」としても知られています。

年間で何十億円も稼ぐので、お金にはノータッチというトッププレーヤーも多いですが、彼は自分にかかわるお金のすべてを把握しているそうです。

スラム街出身でこそ泥をするほど貧しい生活を送っていた少年時代の影響もあるんでしょうが、決定的だったのが2001年の事件。スウェーデンのマルメFFからオランダのアヤックスに移籍した時でした。

その交渉を信頼するあるクラブスタッフに任せたところ―――――


( ↓↓↓ 続きは本編にてお楽しみください ↓↓↓ )



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?