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作業療法士と介護福祉士はどう違う?

9月13日、はっぴぃFM87.3「陽だまり日記」に出演させていただきました。今回で4回目の出演。なんとくのいちがこのコーナーの最多出演者だそうです。ありがたいです(*^^*)

過去3回は「在宅介護について」「作業療法とは」「作業療法と理学療法の違い」「作業の意味」など、沢山のお話をさせていただきました。

今回はパーソナリティのななこさんから、介護現場の作業療法士の仕事についてご質問がありましたので、お答えしました。

この記事では、番組で話した内容を元に、作業療法士と介護について見て行きたいと思います。


作業療法士と介護福祉士の違い

資格取得までの違い

作業療法士
高校卒業後、専門学校または大学で3~4年勉強したのち、国家試験を受けることで資格が取得できる。
介護福祉士
養成校で1~2年勉強したのち、国家試験を受ける。または介護現場で実務経験を3年以上積んで、実務者講習を受ける。または福祉系の高校に入学する。


職域の違い

作業療法士
身体障がい、精神障がい、発達障がい、老年期障がいの4領域がある。

活躍できる職場は病院、施設、メンタルクリニック、精神科デイケア、精神保健福祉センター、精神障がい者支援センター、精神障がい通所授産施設、認知症専門病院、放課後デイサービス、リハビリテーションセンター、介護老人保健施設、在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター訪問看護ステーション、訪問リハビリテーションなど
介護福祉士
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護、病院など

介護福祉士が活躍している現場に加えて、身体障がい、精神障がい、発達障がいに関わっているのが大きな違いです。


目的の違い

支援をして充実した生活を送ってもらうこと、その方のQOL(生活の質)を上げるという点では同じです。

作業療法士は介護老人保健施設で個別のリハビリと、レクリエーションなどの集団のリハビリを行っています。

作業療法士も介護福祉士も、例えば介護老人保健施設でレクリエーションをすることがあるのですが、そのレクリエーションに求める意味が異なります。

作業療法士
レクリエーションを治療として用います。さらに、個人に合わせて適切な作業項目を選びます。例えば、集団の中に歩行能力の維持を目指した患者さまがいらっしゃれば、足を使うような活動・座ったままサッカーなどの項目を選びます。集団での活動に参加しにくい患者さまがいれば、個別でQOLを上げる取り組みをします。
介護福祉士
楽しみが最優先でレクリエーションを行います。これは個人的な感想ですが、施設全体の満足度は介護福祉士さんたちの腕にかかっています。


私も介護老人保健施設で勤務したことがあります。どちらがリーダーになってレクリエーションを行うこともあります。利用者さまにとってはただのレクリエーションに違いないのですが、職員側は目的を変えてレクを実施しています。

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作業療法士は日中しか関わることができないのですが、介護福祉士さんは夜勤もあるため、利用者の方々とより深く関わることができます。治療を行うのは作業療法士ですが、介護福祉士さんからの情報で利用者さまの状態を把握してから、その日のリハビリに向かいます。

利用者さまの状態によりますが、入浴介助や排せつ行為などの日常生活動作を、作業療法士は利用者さまが自分でもできるようにするために介入しますが、介護福祉士は介助が目的です。

例えば、ベッドから車いすに移りたいと言われた時に、介護福祉士さんはすぐに援助をします。作業療法士はどうやったら自立ができるだろうか?下肢の筋力強化が必要かな?関節の可動域を広げたら動作をしやすくなるかな?ベッドの位置や車いすの位置を変えたら良いかな?など、必要な能力と環境調整を考えます。


介護の領域で作業療法士が求められる理由

介護の現場で、作業療法士の柔軟な視点と、治療者目線での考えが求められています。作業療法士は身体面と精神面の両面から治療を行うことができます。さらに、介護の現場では目的が機能の維持や余暇時間を楽しく過ごすという方も多いです。作業療法士は日常生活の中に治療の意味を組み込むのが得意です。機能の維持や余暇時間を楽しく過ごすのが目的の方に、バリバリのリハビリを行ってもモチベーションが上がりませんよね。

リハビリをリハビリっぽく見せない工夫に長けているのが作業療法士だと思います。個々人に応じた「作業」の提供。これが作業療法士のニーズです。

しかし、介護福祉士さんの中にも、利用者さまの治療・自立という視点を持って考えられる方が沢山いらっしゃいます。実際に治療行為を行えるのは作業療法士ですが、専門的な知識を磨がかないと、治療者としての意味がありません。


支援する側に求められるものは?

共感能力と専門的な知識。これに尽きます。先述のとおり、専門的な知識がないと、リハビリ職はただの高級取りで、施設にとっては必要のない人材なのです。

患者さまに合った治療を提供するため、作業療法士は自分の引き出しを増やしていく必要があります。

しかし、そうは言っても、コロナの影響もあって勉強会が少なくなってます。読書をしたりSNSなどで情報収集したりして、自分から知識を得ようとしなければ、待っていても何も情報が入ってこないという状態になります。


さいごに

今回、パーソナリティのななこさんから介護福祉士と作業療法士の違いについて聞かれ、「面白い質問だなぁ」と思いました。というのも、理学療法士と作業療法士の違いはよく聞かれるのですが、他の職種との違いを聞かれたことが初めてだったからです。

医療系以外で働いている方が、作業療法士についてどのようなイメージを持っているかが分かるので、毎回この「陽だまり日記」への出演を楽しみにしています。

させぼはっぴぃFM87.3、アプリで視聴可能です。「必要な人に必要な情報を」ということで、毎週医療や福祉の現場から職業人がゲストとして招かれ、ななこさんとトークをされています。よろしければ一度ご視聴くださいませ(*^-^*)

介護福祉士さんへ:作業療法士目線で介護福祉士さんについてもお話させていただくことをお許しください。補足や訂正があればコメントにてよろしくお願いします。


【活動紹介】


CAMPFIREコミュニティ

病院内だけでなく、地域で作業療法を行っていくために、切り絵作家として独立したいと思っています。精神障がいや発達障がいのグレーゾーンの方を支援していきたいと思っています。この活動を応援してくださる方がいらっしゃいましたら、詳細をご覧いただけると嬉しいです。↓


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ありがとうございました!


記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。