見出し画像

私がジュエリーデザイナーになったきっかけ


ジュエリーの目にみえない効果


そもそもジュエリーに対して「思い」を持った最初のきっかけっていうのが、古い記憶で二つ

一つは、中学生の頃、祖母からのゴールドの指輪を譲り受けた時
もう一つは、高校生の頃、母がルビーの指輪を買ってくれたんですね。

それらを身に着けたときの高揚感が今でも鮮明に心に残っていて、今思えばそういうのがきっかけかなーと思います。

というのも、渡米後にもその指輪を持って来ていたので、たまに身に付けては、当時のその指輪を手にした時の感情をふと思い出したり、気づけばその指輪にチラチラ目をやって眺めては、気分が高まったり、

その指輪を通して、「つながり」とか「守られている安心感」など、目にはみえない効果を感じたんですよね。

祖母からの指輪なんかは経年変化なのかちょっと歪みがあるんですけど、その歪みまでもが祖母の温かみに感じて、

手元のこんな小さなピースでこんなにも心を動かしてくれる、というジュエリーの存在に気づいて、自分にとってジュエリーというのは、ただ好きとか、ファッションの一部とかだけではなくて、自分の人生の一部なんだなって感じたんですね。

そうして、私も人の人生の一部に関われるような仕事をしたい、こんな小さなアートで大きな喜びを与えたい、と思うようになったんですよね。

ただ、もともとクリエイティブなことに興味を持っていたんですけれども。子どもの頃から、絵を描くことが好きでしたし、何か物を作ったりすることも得意でしたし、あと「色が人の感情に影響を与える」ということにも興味があったので、色に関わる仕事がしたいとずっと思っていたんですね。

後に友人からの紹介でジュエリー業界とご縁があってジュエリーの仕事を始めたんですけれども、ジュエリーの世界も、色と芸術性を兼ね備えたものだったので、まさに自分が関わりたいと思っていた世界が合致。これだ!という思いだったんですよね。

そこで、経験を積みながら、仕事以外の時間にもジュエリーの知識や技術を学んで、そうして自分でデザイン制作をするようになると

実際に、自分が表現したものを手にした方達の笑顔に触れる回数が増えると、それがまた非常に嬉しくて、自分の作ったもので、少しでも人の心を動かす事ができたのかなと思える瞬間ですよね。

そうして、誰かの役に立ってるとか、やりがいを感じて、どんどんジュエリーデザインの仕事にのめり込んでいきました。

で、自分がデザインしたジュエリーで、それぞれの人生の物語を輝かせるお手伝いがしたい、という思いで、今でも好きで続けております。


▶︎余談ですが。。。

ちなみに幼稚園の時のアンケートに書いた将来の夢は「ケーキ屋さん」。

幼稚園生ではありがちな将来の夢ですよね。

特に意識せず何となくこんなもんかなって書いた記憶がありますが、渡米前の19歳〜20歳でパティシエをやり、自分が作ったスイーツをお店で提供していたので、この夢は叶ったと言っても過言ではないでしょう。

スイーツの見た目の美しさへのこだわりから丁寧なものづくりを意識していて、自分が作ったものが館内パンフレットでフィーチャーされたりと、なかなか向いていた気がします。

美しいデコレーションケーキなどを見るのも大好きで、後のジュエリー造りにおいてデコレーションケーキに着想を得たこともあります。


小学校に上がると、遊びの一環で、同級生と3歳下の弟を引き連れて近所に「金」や「ダイヤモンド」を掘りに行っていました。

もちろん本物の金やダイヤモンドではないのですが、金色や半透明の小さな石を土からホジホジ掘り起こしては「金だー!」「ダイヤモンドだー!」と言って遊んでいました。

今となっては現在のジュエリー業と通ずる行動だったかなと思っています。



輝くのはジュエリーだけでなく、持ち主の人生そのもの

ジュエリーを通じて仕事をしているときに、目に見えないものを感じることができたんですね。

ジュエリーって、言ってしまえば、特に無くても困らないもの。いわゆる生命維持に必要な水などと違って、特に無くても生きてはいけるんですよね。

でも、

意志や思いが宿ったジュエリーというのは、持ち主にとって「無くてはならないもの」になり得るんですよね。

家族が増えた時の感情や決意だとか、何かしらの人生の節目だったり、またはプレゼントされたり、親などから受け継がれたときなど、

忘れたくない思いや意志などがジュエリーに宿ったとき、

本来目に見えない「想い」というものが、
ジュエリーという形あるものとして持ち主に寄り添い続ける
んですね。

そうして、お客様とジュエリーとの間に様々なストーリーが生まれるのを見てきたんですけれども、それは持ち主にとって間違いなく「必要なもの」「無くてはならないもの」でした。

それはまさに、私にとっては祖母や母からの指輪に感じたこと。
想いがその指輪に宿っているんです。

ジュエリーって、それを手にした時の充足感だけでなく、ジュエリーの輝きが自分自身にパワーを与えてくれたり、内側からの力にもなってくれるものなので、輝くのはジュエリーだけでなく、持ち主の人生そのものなんですよね。

ジュエリーの本当の価値っていうのはそこにあると思っています。


物質的な価値だけでなく、精神的価値を届けたい。
という思いでやっております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?