アタック・オブ・ザ・キラー・珪藻土バスマット!
「アイエエエ…助けて…助けて…」
風呂上がりの男が尻餅をつき、失禁しながら命乞いをする。
その流れ出たものを、目の前のバスマットは一滴も残さず給水しながらひた…ひた…と2つの角を足のように動かし、男ににじり寄る。
そしてばっ!とバスマットは男に飛びかかった!
「アアアアあああarghhhhhh…!」
男が叫び声を上げながら一瞬でミイラに成り果てたと思った瞬間にはもうそこにはバスマットとサラサラのパウダーが残されていただけだった。
「grrrrrr…」
そしてバスケットがボコボコと膨れ上がると、小さなバスマットがべしゃりと産み落とされ、2枚のバスマットは次の獲物を求め閑静な住宅街をさ迷い始めた。
「いいか、奴等の渇きは永遠だ」
テレビでアメリカ人がそんなことを言いながら、バスマットをショットガンでぶち抜く映像がお茶の間に届けられる。
始まりは三ヶ月前からだった。
突如としてバスマットが人間を襲い、乾燥虐殺を繰り広げ始めた。
奴等の正体は珪藻土バスマット、どこにでも売ってるバスマットの一つだった。
だが、奴等は突如として人類に反逆を始め、既に人類の一割がパウダーと化した。
その乾燥の早さと吸水性により、デタラメな勢いで人間の水分を奪いさるのだ。
そして今、人類は世界規模での反抗作戦を開始したのだ!
「いくぞ豚ども!!!」
「「「「おお!」」」」
「「「「「正常なバスマットを取り戻すために!!!!」」」」」
【続く】