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地元に帰りたくない

ちょっと暗い話になりそうだけれども、最近思ったことを少しだけ。


「年末年始はいつ帰ってくるの?」と先日母からLINEが来た。

うーん…

即答できなかった。

休みは1週間くらいあるけれど、何日間帰ろう。

とりあえず、「29日」と伝えた。

でも、朝寝坊をしたり、昼間は大掃除もしたいので、向こうに着くのは夜になるだろうし、年始も2日にはこちらに戻ってこようと思っている。

先日、パートナーと話していた時、「〇〇(彼)はいつからいつまで実家帰る?」と聞いてみた。

「そうやなぁ、冬休みの初日から最終日までフルで向こうで過ごすつもりかなぁ」と言っていた。

それを聞いた私は「そっかぁ、いいねぇ」とだけ返事をした。

私の周りで一人暮らしをしている人に話を聞くと、多くの人が「早く実家に帰りたい」とか「地元が恋しい」と言っている。

長期休みが取れたら、できるだけ長く帰省したい

そう思うのが普通なのかな。


私は自分の地元が好きではない。

もちろん、お気に入りのお店や場所はあるので、「大嫌い」というレベルではないけれど、それでも今後地元に戻って暮らすことは、今のところは無いかなぁと思っている。

実家暮らしをしていた頃はそこまで気にしていなかったけれど、「地元に帰りたくない」という気持ちが強いということに、一人暮らしを始めてから気がついた。


自分で言うのもなんだけど、私の地元は結構栄えている。

何かを購入するにも、ほぼ最寄駅周辺で完結するし、大体の人が「便利でいいね」と言ってくれるような立地。

一方、地元と比べると、今住んでいる街はだいぶ落ち着いている。

スーパー、ドラッグストア、100円ショップはあるし、生活必需品は最寄駅周辺で揃うけれど、少し大きい買い物や友達のプレゼントを選ぶためには電車に乗る必要がある。

正直、今の街で一人暮らしをすることを周りに伝えた時も、「なんであんなに好立地に住んでいるのに?!」と言われた。

でも、実家よりさらにアクセスの良い場所に住むとなると、私の収入では家賃が払えないという金銭的な問題もあるし、

仮に少し不便になったとしても、いい加減、地元で過ごすことに嫌気がさしてきたという気持ちもあった。


私が地元に帰りたくないのは、家族仲が悪いとか、そういうわけではない。

実家は普通。

家族と関係も付かず離れず、程々な距離感。

でも、地元は嫌い。

たぶん、私がそう思う1番の理由は、「中高生時代の嫌な記憶は地元と共にあるから」だと思う。


大学時代、実家の最寄駅の近くでアルバイトをしていた時、

お店に私と同い年くらいの2人組の男性が入ってきた。

あまり他人のことを悪く言いたくはないけれど、明らかにガラが悪い雰囲気の人たちだった。

内心「嫌だなぁ」と思いつつ、淡々と接客をしていると、そのうちの1人から唐突に「〇〇中学の子だよね?」とニヤニヤしながら言われた。

確かに私はそこの中学校の出身だけど、その2人組のことは全く知らない。

「あ、はい、そうですけど。」と動揺していない風を装って返事をしたけれど、内心はビクビクしていたし、「自分は知らないのに、相手は自分を知っている」ということに「気持ち悪い」とも感じた。

でも、私のことを知っている理由は、すぐに見当がついた。

中学時代にいじめを受けていたから

面識もない人たちではあったけれど、おそらく、私をいじめていた主犯の男子生徒と絡みがあった、1学年上の人たちだなというのは、なんとなく察した。

あまり詳しくは覚えていないけれど、その後もいくつか質問をされて塩対応をした記憶がある。

同日に出勤していた別のメンバーの1人が、「さっきの変な2人組にセクハラっぽいことを言われたんだけど、お客さんとは言えど許せないよね」と休憩の時に訴えていたのを聞き、呆れた。

今でもその時に思ったことを覚えている。

それは、

ここに暮らす限り、中学生のいじめられていた頃の自分に閉じ込められるのかもなって。

例えば、成人式。

普通はいろんな同級生と「久しぶり〜!」みたいなノリでたくさん写真を撮ったり、式典が終わった後は中学校ごとの打ち上げに参加したりすることが多いのかなって思う。

でも、私の場合、成人式は小学校の頃から仲の良い友人と2人で参加をして、

終わった後に軽くお昼ご飯を食べて、

その後は父の車で祖母の家に行って振袖姿を見せて終了。

たまたま成人式の前後で元同級生と顔を合わせても無視を貫いた。

そのくらい、地元にいる同級生や私の中学時代を知っている人たちのことが嫌いだし、いじめの主犯はいたけれど、クラス全体でいじめを受けていたのも事実なので、総じて信用をしていない。

私の過去を知らない人からは、「人見知りしないし、友達も多そう」と言われるけれど、

今付き合っている友人たちは、ほとんどが大学入学後に知り合った人たち。

地元に帰って遊ぶ友達なんて、全くいない。

だから、家族に顔を見せるために帰省はするけれど、地元に対する愛着はほぼない。

まして、仮に将来結婚して、子どもができたとしても、私の地元で子育てをするのはあり得ないと思っている。


引っ越すまでは全く降りたことがなかった、今住んでいる街。

知らない人たちばかりに囲まれている世界に最初は不安もあった。

でも、今はそれが気楽にすら感じている。

「ここには私の過去を知っている人はいないんだよね」

そして、こちらに引っ越してきてから、地元には2回帰省したけれど、

その時も「もう私はここの街の人間じゃないんだ!」普通は寂しさを感じるところかもしれないけれど、

私はむしろ「この街の人間ではなく、他の街の住民になれて嬉しい!」という開放感でいっぱいになっていた気がする。


地元愛のある人を見ると、正直羨ましいと思うし、

私も「地元大好き!」と言える瞬間がいつか来るのかしら、と思ったりする。

でも、とりあえず、今はこの街で精一杯新しい道を歩いていこう。

そんなことを思う今日この頃です。










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