見出し画像

上野千鶴子氏の「女ぎらい」のタネ本のセジウィック「男同士の絆」

氏が本の中でタネ本だと言っていた「男同士の絆」。またNHKでお正月にやっていた100分で名著のフェミニズム会でも紹介していた本。

【主要目次】
 まえがき / 謝 辞

序 章
   1 ホモソーシャルな欲望
   2 性の政治学と性の意味
   3 性か歴史か?
   4 本書が論じるもの

第1章 ジェンダーの非対称性と性愛の三角形

第2章 恋する白鳥
     —— シェイクスピア『ソネット集』の例

第3章 『田舎女房』
     —— 男性のホモソーシャルな欲望の解剖モデル集

第4章 『センチメンタル・ジャーニー』
     —— セクシュアリズムと世界市民

第5章 ゴシック小説に向けて
     —— テロリズムとホモセクシュアル・パニック

第6章 代行された殺人
     ——『義とされた罪人の手記と告白』

第7章 テニスンの『王女』
     —— 七人兄弟にひとりの花嫁

第8章 『アダム・ビード』と『ヘンリー・エズモンド』
     —— ホモソーシャルな欲望と女性の歴史性

第9章 ホモフォビア・女性嫌悪・資本
     ——『我らが共通の友』の例

第10章 後門から階段を上って
     ——『エドウィン・ドルードの謎』と帝国のホモフォビア

結 び 20世紀に向けて
     —— ホイットマンのイギリス人読者たち

ホモソーシャルということばは今ではよく使われるが、その言葉をはじめて提案した本であるとのこと。

まだ序章と結論しか読んでいないが、上野千鶴子氏がこの本はフーコーの「性の歴史」の影響を受けているというだけあって、ボズウェル、ドーバーなどの同一の引用文献が出てくる。
 序章に「風と共に去りぬ」の性的な観点からの分析を読むと、今では古典的に言われることが書いてありきっとこの本を発としているのだろうと感じた。
 分析はフーコーの本と歩調を合わせるべく、ヴィクトリア朝時代の前後となっている。
 また分析は脱構築が活用されているということである。フレンチセオリーの影響下に置かれた興味深い本である。
 つまらところ、読むべき本であるがタフな内容とボリュームで跳ね返されそうである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?