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高校2年 冬②フミヲがいいヤツすぎて惚れた話

冬の寒さもなかなかな厳しさになりだしたある日。

体育の授業があった。

東北の真冬は寒い。

この日は演劇部のホームでもある古い方の体育館で授業。

こちらは建物が古いおかげで隙間風が常に吹き荒れてるから余計に寒い。

寒くてあんまりテンションも上がらず、準備体操もほぼせずにフットサルを始めた。

寒さのあまり動きたくなかった僕はキーパーに。


途中、まぁまぁ盛り上がってきて、フミヲのチームと対戦することになった。

フミヲはバスケ部で、とにかく脳筋タイプのムードメーカー。

僕の味方が一度仕切り直そうと、キーパーの僕にボールを戻そうとした際、ボールを追いかけてきてそのまま接触!

するかに見えたけど、多分ぶつかってない。

ただ、なんかそこから僕は脚に違和感を抱えたまま教室に戻って着替えて次の授業へ。

そして授業の最中、強烈な痛みが足を襲った僕は、
あまりの激痛に座っていることもできなくなり保健室へ行くことになった。

フミヲにオンブされて笑

フミヲはめちゃくちゃ責任を感じているようだった。

いやいや、準備体操もせずにフットサルやってる俺が悪いんだからね!

脚が腫れすぎて制服がはち切れそうだったので、激痛に悶えながら体育用のハーフパンツに履き替えさせてもらって

迎えにきてくれた母の車で病院へ。


僕の右太ももは筋肉の筋が切れていた。

全治1ヶ月くらい。

生まれて初めてギプス装着。

そしてこの時初めて、椎名林檎はギブスだけど、病院で付けるのはギプスなんだなと知った。

生まれて初めてのギプスと松葉杖は、とても歩きにくかった。

そして、つけて数日は歩くのも禁止されていたので自宅療養。

そしたら、高校から4市町村も離れた我が家にフミヲがケーキを持って現れた。

しかもチャリで。

俺のせいだと思って。と。


おいおいおいー!

違う違う、真冬の体育で準備体操もしないでフットサルやった俺のせいだからー!

お前関係ないし!

マジでいいやつすぎだよ、、、

友達の行動で泣いたのは初めてだった。

フミヲらしい、飾り気のまったくない無骨なショートケーキ。

人生で最も忘れられないオヤツとなった。

毎日、お昼の校内放送でフミヲの曲が流れるたびに爆笑しててごめんね。

お礼と言ってはなんだけど、今度CDに焼き増ししてみんなに配ってあげるね。

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