記者会見潜入レポ(妄想Ver.)
皆さまこんにちは。芸能記者のジェーンです。
今日は大都芸能の記者会見場におじゃましています。大都芸能の闇にするどく斬り込んでみたいと思います。
あ、そろそろ質疑応答が始まるようです。
(司会者)それではご質問のある方、所属とお名前を明らかにした上でお願いいたします。
はい、そちらの女性、どうぞ。
フリージャーナリストのジェーンと申します。速水社長におうかがいします。
単刀直入にお聞きします。速水社長は女優の北島マヤさんにご執心だとの噂がありますが、これは事実でしょうか?
否定されるのですね。
お忙しいはずの社長が北島さんだけは直接世話をやかれているとの情報があります。
本当にそうですか?
北島さんは確かに過去の短期間、大都芸能の所属でしたが、今は違います。雇用関係のない女優に社長が便宜を図っているとなると、これは背任行為に当たるのではないでしょうか?
では具体的にうかがいます。
北島さんが紅天女の候補となり、姫川亜弓さんと一緒に「紅天女のふるさと」での稽古に出発される日のことです。東京駅のホームで皆さんにお見送りされるシーンで、社長は偶然を装って登場されましたよね。目撃者がたくさんいます。(文庫版第20巻)
そうです。その場には演劇協会理事長や大都芸能の大女優である姫川歌子さんもおられました。なのに社長はほぼ北島さんしか見ていません。重鎮達をほったらかしにしたまま、5ページにわたり北島さんと嬉しそうに話しておられました。そして何度も「がんばりたまえ」と励ましておられましたね。姫川亜弓さんには一言しか声をかけなかったのに。
ええ、ありえません。そこには大都芸能の若手ホープである桜小路優さんもおられましたが、覚えていらっしゃいますか?
覚えておられないのですね。アウトオブ眼中でしたか?それとも、もの忘れが激しくていらっしゃるのですか?
ええええ、そうでしょうとも。あなたは永遠の若社長ですから。それに引き換え私たちは年をとる一方です。この連載が始まった時はあなたより、いえ北島さんよりも年下だったのに、今や月影先生に追いつきそうなんですよ!
だいたいあなたがさっさと紫のバラのひとであることをカミングアウトし北島さんに告ってれば、この話は昭和で終わってたんです。今がいつかおわかりですか?令和ですよ!れ・い・わ!はぁはぁ。
うるさーーーーーい!
その時、速水社長が会場の隅にひかえていたガードマンに目配せを送った。
わらわらと私に駆け寄る屈強な男たち。
あっ、なにをするんです!なにを…!
パシャパシャパシャ。
焚かれるフラッシュ。
騒然とする場内。
…こうして私は大都芸能を出禁となりました。
以上、現場からジェーンがお伝えしました。
またいつかお会いしましょう。
※すべて妄想です。