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旅館の布団になりたい

生きてると「なんだかなあ」と思うことがある。

たとえば、店員さんに理不尽なクレームをつけている人を見たとき。
たとえば、表では仲良く見える人たちが、裏でお互いの悪口を言っているのを見たとき。

そんなとき、わたしはポジティブフィルターを働かせる。

クレームがそのサービスに良い影響をもたらすことはあるかもしれない。しかし、感情的にそれを伝える必要はない。それをすることで相手も恐縮してしまうからだ。
だからわたしはできるだけ感謝を伝える人でありたいし、そういうあたたかいやりとりがあふれる日常であってほしいと願っている。

悪口は、強い共感をもってもらいやすいことから、盛り上がりやすいコンテンツとして話題に上がる機会が多いように思う。これまでの経験上、悪口を言ってる人はすごく元気で生き生きしている。もし相手の成長を思うなら、指摘事項はその元気なエネルギーを活用して本人に直接伝えればいいし、思うことがあるならそれはそのコミュニティ内でやるべきではない。
だからわたしは、多少ストレスがかかろうと、これはこの場で言うことが適しているか?という自問自答を繰り返すのだ。
そうすることでわたしはわたしの平穏な生活を守っていきたい。

これをポジティブフィルターが働いてないわたしが見ると、自己満足でしょう、と耳元で半笑いで囁くだろう。
しかし、何事にも舌打ちをして生きるような道を、わたしは進みたくない。

だから今日も、度が強い眼鏡と一緒にポジティブフィルターをかけるのだ。
そうすることで、旅館のふかふかの布団のように、少しでもあたたかく包容力のある人間でいられるのだ。

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