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HSPは良い聞き手になれますが…

友人と会話をする際、相手が一方的に話を続けて、私が聞き役に徹してしまうことがまれにあります。私も話したい、というシグナルを出すのが下手なのかもしれませんが…。

相手にストレスが溜まっていて発散させたいような状況だと、そのことを察して聞き役になってしまいます。私は疲労しすぎて、その夜は眠れません。相手の気持ちが和らいだならよかったと思いつつ、私の話も少しは聞いてもらいたかったと悶々とします。翌日まで疲労を持ち越すことも珍しくありません。

HSPやそのほかの敏感な人は、相手の話を丁寧に注意深く聞くことができます。共感を示しながら、相手が話しやすいよう適切な質問をしてあげることも得意です。その能力のおかげで相手に気持ちよく話をさせることができ、相手を癒すこともできます。しかし、相手があまり敏感でない人の場合、このようなHSPの献身的な姿勢にあまり注意を払ってくれません。相手が一方的に話し、HSPはひたすら聞くという関係性に陥りがちです。

デンマークの心理療法士であるイルセ・サンは、HSPやそのほか敏感な人は、自らを疲弊させ、過度の刺激を与えるような会話に巻き込まれがちだといいます。

「HSPの人は、相手の話にきちんと耳を傾け、自然とシンパシーを抱きます。その能力のおかげで、たまった不満を解消したいと思っている人の気持ちのはけ口にされてしまいます。そのせいで、その日に必要なエネルギーをたちまち、相手に使い果たされてしまうかもしれません。」

『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』イルセ・サン ディスカバー・トゥエンティワン(2019年)


上記を読んで、みなさんどう感じましたか?

たまった不満を解消したいと思っている人の気持ちのはけ口にされているのかもしれないと知り、私は正直衝撃を受けました。

普段は言えないことを私には心を開いて話してくれているのだ、と好意的に受け取めているふしがありました。しかし一方的に聞かさせれることが多く、こちらが疲弊するのであれば、何かおかしいと思ってよいのですね。

HSPは聞き役になることが多いです。良い聞き手になれるのは素晴らしいことですが、大事なのは自分の言葉も相手にきちんと聞いてもらうことです。イルセ・サンによると、自己表現することによって過剰な刺激を受けるのを避けることができるそうです。

一方的に話すのではなく、私がどう考え何を感じているのか聞いてほしい(双方向の対話がしたいという意味です)、そして私の話も聞いてほしいと相手に伝えてみましょう。それでもきちんと聞いてもらえない相手だったら、その人との関係を見直すときかもしれません。悲しいことですが、私はその人の気持ちのはけ口にされているだけなのかもしれません。

HSPは孤独を感じることがあり、人の話を献身的に聞くことで寂しさを忘れ心を満たそうとしてしまうケースがあるのではないかと私は考えています(HSPはみんなそうだ、いつもそうだというわけではありません)。とくにそういう人は、誰の話を聞くのかをきちんと選ぶようにしましょう。私たちが持っているリソースは有限です。HSPに限らず聞き手になりがちな人は、貴重なリソースを誰に割くのか(誰の話に耳を傾けるのか)、それにどれだけの時間を費やすのかは慎重に考えて選んでいきたいものです。

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