綾瀬りず

エブリスタを中心に小説を書いています。

綾瀬りず

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最近の記事

本屋で視界が滲んだ話

こういうことは表立って言うことではないと思うけれど、正直、正直しんどかった。 毎日小石を一つずつ心臓に入れられるような、どんどん心だけが重くなっていくような、そんな日々を過ごしていた。 そして数日前、ふと、思い立った。 忙しさを理由に読書を控えていたが、この際本屋に行って好きなだけ買ってこよう、と。 向かう先は、以前アルバイトをしていた大型書店。馴染みのある場所で時間を気にせず本を買い漁ろうと思った。 普段イヤホンをつけて音楽を聴いて歩く私だけど、本屋だけは違う。本屋独

    • 一年の計は元旦にあり

      新年、あけましておめでとうございます。 新たな1年が始まったということは、綾瀬りずの創作活動が丸10年経ったということですね。 この10年、決して満足のいく創作活動ができたとは言えませんが、様々な人と出会い様々なことを見て、感じて、紡いでいって。そうして今を過ごせていると思えば無駄ではなかったと思います。 無駄ではないと思いますが、もっと頑張れたのではないかという後悔の念は抱いているので、今日からは明確な目標を持ってより精進していきたいと思います。 一年の計は元旦にあり

      • 金木犀と日だまり

        「いいにおい!○○ちゃんにもたのしんでもらおうよ!」 そうして校門近くの一本の金木犀の木の下で、地面に落ちた花を一生懸命拾って連絡帳の入った袋に詰め込んだ。 小学校一年生の私たちは、風邪で休んだクラスメートの連絡帳を届けにその子の家へと向かった。 途中で家の事情を思い出し帰宅した私は、その子のお母さんの反応もその子自身の反応も未だに知らない。 きっと金木犀は小さな袋の中で押し潰されてしまっただろうし、潰れて汚れた袋を見てその子のお母さんはびっくりしたかもしれない。ありがた迷惑

        • 文庫フェスの季節ですね

          綾瀬りずです。 突然ですが、夏です!夏がやってきました! という事は……カドフェス!ナツイチ!新潮文庫の100冊! 出来る限り単行本を購入している私ですが、夏は各出版社さんが文庫フェスを開催するのでこの時ばかりは文庫本を買い漁ります。 購入して大分経ってしまいましたが、今日はざっとその紹介をしていきたいと思います(まだ積読状態の作品が多いので、感想等は割愛させていただきました。既に読み終えた作品の感想はブクログの方に載せてあるので気になる方はそちらをご覧ください)。 【

        本屋で視界が滲んだ話

          ふたつの「僕」

          綾瀬りずです。7月に入ったという事は2020年前半が終了したんですね。あっという間だったような気もするのは、特に5~6月が個人的に必死になっていた時期だったからなのでしょうか。 前回のnoteの最後で言っていた新作は5/15に公開しました。 『(ぼくにも こころが あるんだよ)』 ノベマ!にて最高19位をいただきました。読んでくださった方、本当にありがとうございます。 数年前、ベランダにくまのぬいぐるみが干されているのを見かけたことがあって、「どうして干しているんだろう」、

          ふたつの「僕」

          ふくろうを綴る

          綾瀬りずです。何かお決まりの言葉から始めたいなあと思いつつ、良い案が全く思い浮かばないので今回も名乗ってみました。そろそろこの名前も定着してきたかなあ。 家にこもっている人、働いている人、それぞれの生活があると思いますが、皆さんお元気ですか。 心身ともに元気でいられるように毎日を過ごしていきたいなあと思います。 とっても時差投稿になってしまうのですが、数か月前に行ったお店についてちょっぴり語らせてもらいます。 『本と珈琲 梟書茶房』 ※4/28現在休業中 池袋にあるこ

          ふくろうを綴る

          読書と季節のにおい

          綾瀬りずです。と、名前が定着するまでは名乗ろうと思います。 先日、国語の教師をしている友人から私にオススメの小説をいくつか教えてもらい、その中の一冊を読んだら物凄くおもしろかったのでここでさらっと共有しますね。 『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦さんの小説です。 森見さんの本を読むのは初めてですが、とにかくキャラクターがこんなにもしっかりと確立されているとこんなに魅力的なお話になるんだ、と感じる一冊でした。 謎が多く、その謎をはやく解き明かしたい、でも読み終えるのが惜

          読書と季節のにおい

          astelizm

          綾瀬りずです。と、自己紹介するのは今日が初めてです。 2011年1月1日からネット上で創作活動を始め、ペンネームを何度か変更しましたが、「心菜」という名前は手放さずずっと愛用していました。 けれど、この先の活動について長い間考え、心菜という名前をお終いにしようと決心したのが昨夏。これを機にサイトや活動拠点を移行しようと、サイト名やIDを「astelizm」にしようと決めたのが昨秋。 そして、今日からペンネームを心菜りず改め、綾瀬りずとなります。 サイト名について前サイ