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【コミュ考察】シーズが「モノラル・ダイアローグス」で対話して得られた成果とは

283プロダクションへの所属、ユニット結成から1年経過した2022年の春。
今更になって「さあ シーズをはじめよう」というテーマを引っ提げてイベントコミュ「モノラル・ダイアローグス」が4月30日(金)に実装されました。

今回のイベントコミュは上記で述べたように「シーズをデュオユニットとして成立させるために対話をする」というテーマだったと解釈しました。
また、SHHisの二人が動いている裏では「天井努(社長)」と「斑鳩ルカ」、そして「八雲なみ」との関係が見え隠れする内容となっています。

この記事ではコミュの内容を噛み砕き、考察を交えながら各章に沿って解説させて頂きます。イベコミュ本編のネタバレはもちろん、過去のイベコミュの内容や「八雲なみ」を取り巻く環境についても触れておりますのでご了承ください。
最初に結論をお伝えすると、二人は対話によって「新たな考え」を持つようになります。

■にちかが「美琴と対話して」得られた成果
美琴と比較して『優れてる点がある』ことを認識し、素直に評価を受け取り自己肯定感を上げること。美琴に素直に想いを伝える必要があること。

■美琴が「にちかと対話をして」得られた成果
デュオユニットとして歌やダンスだけで人に感動を与えたいのであればパートナーであるにちかを理解してパフォーマンスをする必要があること。
(にちかに興味をもつこと)

上記内容についてはこの後の章で、ご説明いたします。

また、今回明らかになった大きな新情報としては下記の3つがあります。
①「斑鳩ルカ」が大好きな母と接する際は普通の女の子であること
②「斑鳩ルカの母」と「天井努」が共通の知り合いであること
③「緋田美琴」が「七草にちか」に対して何を考えているかが判明

そして今回のイベコミュを通して、自分は
「斑鳩ルカ」「八雲なみ」が親子関係であると考察しました。
このあたりも噛み砕きながら説明していきます。
すみません、今回もイベコミュ自体のボリュームが多くなっていたため記事自体も長くなっています。持ち帰れるものは必ずあると思いますので、お時間がある際にぜひご一度くださいませ。


■タイトル「モノラル・ダイアローグス」

コミュの考察を始める前にタイトルを分解して噛み砕いていきます。

モノラル=ステレオではない方。片耳で聞くこと。
ダイアローグ=対話

モノラル、つまり片耳からしか音を聞けていない=「片方(自分)の意見」しか聞けていないという状態です。
次にダイアローグですが「対話」となり、その複数形となっています。
2つをつなげると
「片方(自分)の意見しか聞けてない状態から、それぞれが対話をする」という意味にも捉えられます。
それではこの物語において、誰と誰が対話をするのでしょうか。

【モノラル・ダイアローグス】Pデスク(あらすじ)

上記のあらすじにある文章はそれぞれ下記の3名が該当すると思われます。
「対話をおそれるひとりごと」は「にちか」
「対話をしらないつぶやき」は「美琴」
「対話のはずだったさけび声」は「ルカ」
主要な登場人物が誰も対話をしていませんね…(※シャニPを除く)

今回のイベコミュのテーマは「対話」となっており、ステージを経ても
まだ「シーズ」は旋律を奏でられておらず、始まってすらいない状態です。
その旋律が始まってやっと「スタート地点」に立てるのです。
つまり今回の話は「にちか」「美琴」「ルカ」がシーズとしてのユニット活動をスタートすべく対話する話であるということがわかります。

ちなみに対話とは「お互いの立場や意見の違いを理解し、方向性をすり合わせること」です。対話と会話の違いは「テーマ(共通議題)があるか」という部分になります。今回はシーズというユニットにおいて「何をすべきか」「何を目指していくべきか」という共通の話をするコミュということがあらすじからもわかります。


■オープニング:赤い休符

物語の時間軸はシーズの感謝祭直後から始まります。
このオープニングのコミュで感謝祭の最後にルカが電車で移動していた行き先が「ルカの実家」であることが判明します。電車の窓から見える風景から海が見えるため、都心から離れているところだと推測されます。
マネージャーは関係各所に電話をした上で、どこにもいないことから
「あそこか」と場所の検討が付きます。

居場所を知っても無理やり連れ戻さないマネ【OP:赤い休符】

この後、マネージャーは留守電を残したりしますが、場所がわかっていてもルカを直接迎えに行きません。マネージャーもルカを無理やり「カミサマ」に仕立て上げてしまったこと、ルカにストレスが溜まっていることも知っていたのでしょう。おそらくルカの失踪は初めての出来事ではなく、仕事以外のレッスンであればカバーできる範囲のため、リフレッシュ休暇扱いだったのかもしれません。
斑鳩ルカとマネージャーとの関係については下記記事をご参照ください。

そしてにちかと美琴の時間軸も同時に進行します。
にちかは引き続き「歌やダンスで人を魅了するアイドル」ではなくバラエティで活躍するアイドル「バラドル」として売れてしまっている現状をみて自分は「アイドルではない」と考えています。

美琴のようになれなければ「アイドル」として自分を肯定できないにちか【OP:赤い休符】

一方、美琴はいつも通り練習に明け暮れています。緋田だけにね!
嘘です、スミマセン。ちゃんとやります。

一晩練習が出来るほどスケジュールに余裕がある美琴【OP:赤い休符】

そしてOPで注目したい表現としてはそれぞれの「暑さ」についてです。
美琴はレッスン室で、にちかは楽屋で、ルカはエアコンの効いた部屋で同じ日に三者三様に仕事に対する温度を感じている表現があります。
美琴:「気温、上がりそう」=まだ暑くない。これから仕事が入りそう。
にちか:「暑い」=現状すでに暑い。仕事が忙しい。
ルカ:「エアコンの効いた部屋」=熱が冷めてる。サボり期間に入る。

そしてにちかはスタッフから聞いた情報を元に、化粧台に落ちていた高級な赤いリップが「前に楽屋を使っていたルカのもの」であることを知ります。この赤い高級なリップは物語を通して「緋田美琴」の比喩表現として使われます。ここでは「ルカの所持品」であった「リップ(美琴)」「化粧台(世間から)」に取り残されており、それを「にちかが拾う(ユニットを組む)」といった構図になります。
リップを拾ったのも、ユニットを組んだのも「七草にちか」の実力ではないところが皮肉ですね。

サブタイの「赤い休符」ですが、休符とは「音を鳴らさないで休む」という音楽用語です。赤いリップの存在が「ルカのサボり期間=休符」をスタートさせたのでしょう。(実際にルカが休む原因となった話はシーズの感謝祭をご参照ください。)


■第1話:月と鍵盤

にちかと美琴が仕事をしている様子が描かれます。
後のコミュでも出てきますが「異星人ゲーム(箱の中身はなんだろな)」のモノローグが間に挟まってきます。

話の進行としてはにちかがレギュラーとして出ている番組に美琴がサプライズゲストで来るという話なのですが、この番組のディレクター少しくせ者かもしれません。
既にコミュを読み終えた皆さんは知っている情報かと思いますが、にちかが忙しすぎる故にこの後、番組の準レギュラーに「斑鳩ルカ」を起用します。

ルカと美琴の関係、その解散を知っていたディレクター【第1話:月と鍵盤】

ルカと美琴が解散していること、今はにちかと美琴がユニットを組んでいること、今二人は「円満なのか」を質問した上で準レギュラーにルカを呼んでいます。撮れ高や化学反応、刺激を求める悪い大人の匂いがします。

また、美琴を巡って対立している二人に同じ動き(考え方)が見られます。にちかは「美琴がくだらないリアクション芸」をしなくていいように
ルカは「くだらない仕事で母親が怪我」をしないように、自分の理想像を押し付けます。

それぞれの理想像を押し付ける二人【第1話:月と鍵盤】

まるで「汚れ役は自分がやる」とでもいわんばかりの考え方。
少し分かりづらいかもしれないのでルカの方だけ補足説明します。
「ママはお姫様」と言っています。誰にとってのお姫様でしょうか。
客観的に考えればスナックのママなので「お客さん」にとってのお姫様でしょう。(スナックに行ったことがないので実際の現場でスナックのママさんがお姫様扱いなのかはわかりませんが・・・)
ここからは考察となります。
後ほど説明しますが、ママルガルカの正体が「八雲なみ」だった場合、「伝説のアイドルが引退して地方でひっそりとスナックをやっている」という構図が出来上がります。また、八雲なみは天井努が用意した「赤い靴」をはいて海外に進出する予定でした。海外ではアイドル路線をやめて「八雲なみ」がやりたかった「歌」を仕事にできるミュージカルをする予定でした。歌が好きな八雲なみは「歌うこと」を捨てることができず、田舎の小さなスナックでたまに歌っていたのかもしれません。
もしくは「スナックのママ」の正体がかつて一世を風靡した「八雲なみ」だと知っているお客さんが昔から「ルカママ」のことをチヤホヤしているのをみて、子供心なりに「お姫様みたい」と思ったのかもしれません。

話をにちかの収録軸に戻します。
仕事中であっても、にちかはルカのことを意識し始めます。

美琴の気持ちが「ルカならわかるのか」と自問自答するにちか【第1話:月と鍵盤】

あらすじにもありましたが、にちかはこのイベントシナリオの中で、
「対話をおそれるひとりごと」をたくさんつぶやきます。
ここもその一部ですね。
番組としての「箱の中身はなんだろな」のチャレンジは成功しましたが、
二人で仕事をすれば「対話」になるのでしょうか。


■第2話:なみまにあい

まずサブタイをみて一度叫びました。
このひらがなで構成されているサブタイは色々な意味に取れます。
「なみ、間に合い」「波間に愛」「なみ、間に、愛」

ここの話ではシャニPがにちかと美琴にそれぞれ向き合い、ユニットとしての活動、そして「本人が幸せになれるか」という部分を考えます。
にちかは「バラドルで売れている自分」が美琴のような自分の理想像である「アイドル」と思えず、自己否定の気持ちを持っています。
にちかは「自分の活動の結果、美琴への仕事が増えればいい」と思っていますが、仮にそれで仕事が増えて大きなステージに立てたとしても「それが二人にとって最良ではない」とシャニPは考えています。

シーズの始まりを見据えてにちかを説得するシャニP【第2話:なみまにあい】

そしてルカの方でも少し進捗があります。
マネージャーから留守電がたくさん入っており、睡眠や食事について心配されています。(居場所が実家だとわかっているので無理やり連れ戻そうとしたり、捜索願を出したりしていないのでしょう。)
そしてここで大事なシーンがひとつあります。
ルカが海辺で鳥に「エサ」をあげるシーンです。

ルカが鳥にエサを上げるシーン【第2話:なみまにあい】

「鳥(カモメ)」、「エサ」、「あい」で連想されるものがありませんか?
そうです、イベントシナリオ「アイムベリーベリーソーリー」です。

ゲームの説明をしてくれる二人【アイムベリーベリーソーリー】OP(ふってきたんだ)

ベリソの話をするともう一本記事ができてしまうので詳細は割愛しますが、ベリソの教訓は「自分で自分を大事にすること」でした。
また、あい(愛)は「一方的に与えられるものではなく、交換するもの」というメッセージ性もありました。
ルカは鳥にエサ(食べ物)をあげていましたが、「あい」をもらって、誰かと愛を交換することができませんでした。(ママルカとならしているかもしれません)
にちかも「愛を伝える対象(美琴)」がいても伝える事ができず、ユニットの未来について対話することもできず物語は進行していきます。

もう一つだけ大事なシーンをご紹介します。
それはルカのツイスタをみる天井社長です。

ルカのツイスタをみて考え込む天井社長【第2話:なみまにあい】

EDのレストランで二人は接触しますが、天井自信もルカのことを気にかけている描写が見れます。
ここからは考察になります。
もし「八雲なみ」の娘が「斑鳩ルカ」であった場合、業界人である天井社長はルカデビュー時等にその情報をどこかで入手しているでしょう。
自分が無理やりプロデュースして引退したアイドルの娘が、アイドルとして現在活動をしている。
そしてその娘とユニットを組んでいた「美琴」を自分のプロダクションに所属させている。
毎年クリスマスの晩に「八雲なみ」のことを思い出すぐらい心に残っていた天井社長です。もちろんルカの動向も気にしているでしょう。

そしてここで、もう一度サブタイに戻ります。
「なみまにあい」ですが、アナグラム(文字を入れ替える)的な観点で見てみると「なみ-に-あまい」が作れます。
そうです、「八雲なみ」と「天井努」が出来上がります。
ダブルミーニングでは終わらない、トリプルミーニング以上が発生しています。あまりの情報量に、オタクの心はKillerされてしまい、全国のシャニマスユーザーの皆さんに自分の考察を届けるというMissionが遂行できなくなりそうになりましたが、なんとか踏みとどまって頑張ります。


■第3話:エンカウンター・グループ

まずはサブタイの解説からいきます。
エンカウンター・グループとは「人間関係能力の開発や心理的成長を目的とした小規模の集中的な心理療法」、つまりカウンセリング、精神内科、メンタルクリニックなどの領域ですね。
アイドルマスターで心療内科を出すというテーマの異質さにも注目したいところですが、解説を進めていきます。
結論から言うとこのコミュでは対話や心療内科を受診せず、次の第4話への手がかかりを知るという話です。

ここでは「シャニPと業界人」、「シャニPと美琴」、「にちかがルカを知る」という3パートに分かれています。それぞれ重要なポイントを解説していきます。

①「シャニPと業界人」パート
おっきな案件をバリバリ動かしている業界人のディレクターが「奥さんとうまくいっておらず、心療内科に夫婦で通ってる」という話をシャニPが聞いてしまうシーンです。
話の結論としては「どんなに仕事が出来る人でも、どんなに長く一緒にいても相手の心はわからない。わからないなら、すり合わせるしかない」といった内容でした。これがサブタイの「エンカウンター・グループ」と第4話に繋がります。

一緒にいられる「条件を探す」というヒント【第3話:エンカウンター・グループ】

この一緒にいられる「条件」「なぜ一緒にいるのかを把握する」という話は「モノラル・ダイアローグス」のEDに美琴とにちかやり取りをしていた部分と繋がります。

②「美琴とシャニP」パート
シャニPが美琴に「シーズとしてのユニットの在り方」を問うパートです。
「第2話:なみまにあい」でにちかに話していた内容と同じように美琴に問いかけるシーンです。

にちか同様に問いかけるシャニP【第3話:エンカウンター・グループ】

逆に考えると歌やダンスが一流である美琴が大きなステージでパフォーマンスを披露しても、二人共幸せになれない=幸せになるためには「何かが欠けている」と伝えています。そしてそれは「練習することで手に入るのか?」と問いかけます。
例えるのであればテニスでダブルスの選手が、サーブやスマッシュの練習だけをひたすら繰り返していて「No.1」になれるのかという話です。
そこに作戦や自分の考え方、相方がどう動くから自分はどうすべきか等の、「相方のことを知る」という工程が抜けています。
チームで、ユニットで動く以上は相方のことを知らずに頂点に至ることはできません。そういったことをシャニPは伝えたかったのではないでしょうか。

③「にちかとルカ」パート
にちかが図書館でルカのことを調べるパートです。
にちかは赤いリップを境目にルカのことを大きく意識し始めます。
ルカはにちかと違い「研究生の頃からずっと一緒にアイドル」で、「美琴のことがわかり」、美琴のことを「美琴」と同列に呼べます。
にちかからみたルカは、にちかが持っていないものを全て持っています。

美琴の呼び方とリップの返却方法を考えるにちか【第3話:エンカウンター・グループ】

第3話の最後では上記のような「ひとりごと」が見受けられますが、これは美琴に対して「美琴さん」ではなく、「でしょ、美琴」という「美琴のことをわかった時に使う掛け声」という意味と、物理的に「赤いリップをいつ返せばいいのか」という2つの意味があると思います。

■第4話:これは棺に違いない

代理店ディレクターさんに紹介してもらった心療内科にレッスンの一環として美琴とにちかを連れていくシャニP。
そこで行われたのはクリニック講師が問いかける異星人ゲームを通じて「相手について主観で語る場」を設けるというエンカウンター・グループの治療法でした。これは「第1話」でも番組で「箱の中身はなんだろなゲーム」として同じことをやっていたにも関わらず、お互いのパーソナルな情報交換は一切なかったことに対する仕切り直しとも言えます。

そしてシャニPはこの異星人ゲームを通じて二人にそれぞれの課題を伝えようとしています。

美琴の課題は「問題があることに気づくこと」【第4話:これは棺に違いない】
にちかの課題は「相手に気持ちを伝えること」【第4話:これは棺に違いない】

そして次の一手として「にちか」が箱に入っていたとして、「美琴はにちかの何を知っているか」「にちかは自分が何を感じているかを言葉にする」という形に誘導します。この話の続きは第5話へ。

この治療の根幹に踏み込むクリニック講師【第4話:これは棺に違いない】

ルカの時間軸でもひとつ重要な話が出ます。
そうです、ナポリタンです。

ナポリタンを娘のために作るママルカ【第4話:これは棺に違いない】

ナポリタンが出た時「うわ~~ナポリタンかよ~!!!」となりました。
自分はこのシーンで「ナポリタンが選ばれた理由」があると思っています。

少し話は代わりますが、最初にイベントキービジュアルを見た時に「不穏すぎ~」とツイートした所、フォロワーから「ピエロが自分の唇の大きさを超えた範囲に口紅を塗っている画像」が送られてきました。
その時、今回のキービジュアルは「にちかが道化師(ピエロ)」として「滑稽な話や格好で他人を楽しませる」という意味があるのではないかと思いました。実際ににちかは「自分が求めていた歌って踊れるアイドル」ではない形でバラエティウケし活躍しています。

まるで鏡に映るのはピエロのような【あっかい】七草にちか(サポートSSR)

サポコミュの「不自然なboogie」でもありましたが、にちかは「純粋に大人で、美しい美琴」とくらべて自分に施されたメイクは「滑稽である」と言ってました。※サポコミュの章で詳細は説明いたします。

ピエロという前提知識を頭に入れた上でナポリタンに戻ります。みなさんナポリタンって食べたことありますか?僕は割りと潔癖症なので口の周りが汚くなるナポリタンがあまり好きではありません。そうです、ナポリタンは食べると口の周りが赤くなるんです。この物語では「ルカ」「天井」がナポリタンを食べており、ご飯を食べている時に真っ赤な口化粧ができている、つまりピエロになっているはずなんです。
オタクの考え過ぎ、こじつけかもしれませんが、ナポリタンはこの物語でもう一度EDに登場します。もしかしたら「天井努と八雲なみを繋ぐ食べ物」だったのかもしれません。

サブタイについて解説いたします。
異星人ゲームのゴールはとある黒い箱を「ピアノ」として認識することでしたが、ピアノの鍵盤を押して単純に音が出たとしてもそれが「楽器」であると認識ができませんでした。
なぜなら異星人たちはピアノをひいた先に出来上がるモノ「曲」を知らなかったからです。この後のコミュに回答がありますが、異星人達は「物理的な情報」は知っていてもそれを「何に使うか」という先の展開までは興味関心を持つことができなかったのです。

クリニック講師の回答【第6話:ライファーズ】

その結果、異星人たちは音がなるこの黒い箱に対して、暗がりでこう決め付けました。「これは棺に違いない」と。


■第5話:協和的不協和

第4話に続きカウンセリングを受ける話と、その後日談であるラジオ収録の話が交差します。

七草にちかをもっと知るためにクリニック講師は質問を繰り返します。
あなたにとって「七草にちかはどんな人ですか?」と。
誕生日や趣味等のパーソナル情報は答えられましたが、その後に複数回質問を受けても美琴は「同じ答え」しか出せませんでした。

にちかについて「うわべだけの情報しか知らない」美琴【第5話:協和的不協和】

異星人達がピアノを棺桶だと思ってしまったのと同じように、美琴はにちかのことを全く知りませんでした。行動原理も人柄も知ろうとしていませんでした。考察とは関係のない主観ですが、僕は一度ここで吐きそうになりました。シャニマスは人と人との繋がりや成長を重視しているのに対して、緋田美琴は「七草にちか」に対して何も知りませんでした。知らないことが悪いのではありません。「知らないことに違和感を覚えなかった」という事実にどんな人生を送ってきたのか想像してゾッとしました。
美琴は人生を振り返った時に「レッスンをしている風景ばかり」と言っていました。緋田美琴という人間は通常の人間が社会やコミュニティで培うはずの「相手を知る」ということを経験せずに、十数年ひたすら自分と向き合い、パフォーマンスを研ぎ澄ましていたのでしょう。
美琴はにちかを「ユニットのパートナー」と認識しているにも関わらず、「にちかと一緒に過ごす未来」を想像していなかったのです。
知らないならここで質問すればいいだけですが、質問すら出てこない、質問が出来なければ対話にも会話にもなりません。
美琴の「対話をしらないつぶやき」がここで回収されます。

交差している2つ目のパート、ラジオ局での仕事の解説に移ります。
こちらでは同じ仕事なのに部屋を分けられてしまい「落ち込むにちか」と、「風邪かもしれないからにちかを気遣い部屋をわける美琴」という構図が出来上がります。シャニPから美琴の意図を聞いて美琴に触れ合ってもにちかは自嘲気味に「自分では美琴の意図も感じ取れないし、触ることすらできない」と嘆きます。
「触れない」というキーワード、テストに出るので覚えておいてください。
こんなに彼女と近くにいて時間をとって触れ合っているのに、「美琴の隣にいるのはルカのほうがふさわしいのではないか」と考えてしまいます。

相方が「見えなくて」「触れない」にちか(ピエロ)【第5話:協和的不協和】

協和とは「心をあわせること」、不協和とは「協和しないこと」
美琴は自分が「不協和」であることにEDで気づきますが、この時点では気づいていません。にちかはいつでも美琴に合わせようとしていました(協和的)。
ですが、ここでにちかは「合わせない」という選択、「ルカのほうがふさわしい」と思ってしまいます。
サブタイは「協和しないこと」を「協和させる」、つまり「お互いがお互いのことを考えない」というスタンスを二人で肯定する形です。
今までは「美琴←にちか」という一方的な協和でしたが、この時点をもって「美琴←→にちか」というユニットとして最悪の状態となりました。


■第6話:ライファーズ

ライファーズとは終身刑、無期受刑者のことを指します。
誰が終身刑を受けているのか考えながら考察を進めます。

第5話に引き続き、二回目のカウンセリングを受けて美琴とにちかがクリニック講師から確信に迫る質問をされて事実と自分の意見と相手の意見をすり合わせていきます。「目に見えない心」というものを「言語化していく」という工程は二人をユニットに、シーズとしての始まりに近づけます。このあたりは誰がみても同じ解釈にたどり着くと思いますので割愛します。

ここからは「美琴がにちかを知る」というパートと「ルカとにちかの邂逅」の2つのパートが進行します。

①「美琴がにちかを知る」パート
美琴がにちかのバイト先のCDショップに行き、にちか作の「手書きPOP」やショップ店員の同僚からにちかの「想い」を受け取ります。

顔が死ぬほどいいのに全然変装とかしていかない女、緋田美琴【第6話:ライファーズ】

このあたりの詳細な心情についてはイベントSSRである【あっかい】の1つ目のコミュで補足されているため後ほどご説明いたします。

余談ですがにちかが書いたポップの文言は4月17日に開催されたTwitterジャック企画「シャニマスミュージックシェア」で使われていた言い回しです。

「才能が3D」というすごい発想力【第6話:ライファーズ】
【シャニマスミュージックシェア:4月17日(日)18時06分の投稿】

②「ルカとにちかの邂逅」
にちかは無意識ですが「とある言葉」をルカから貰うために会いに行きます。ルカはママルガルカに促されて職場復帰をしており新衣装でライブをしています。

新衣装もカワイイヨー!!ナカナイデー!!!斑鳩ルカ様【第6話:ライファーズ】

そしてにちかは偶然ルカと遭遇します。
ここのパートのにちかは「実際に声に出してルカに伝えたセリフ」「心のなかで自分が感じていたこと」「無意識に考えていた本心」の3つが交差するため読み取るのが少し難しいパートとなります。
画面の端が「黒い」か、画面に「白い」モヤがかかっているか、「普通」かの3つで判断してください。

外枠が黒い=にちかの心の声【第6話:ライファーズ】
画面が白い=無意識の本心(副音声あり)【第6話:ライファーズ】

それでは順を追って説明いたします。
「何か言え」と言われたにちかはルカに緋田美琴の比喩表現である「赤いリップ」を返そうとします。
しかし、ルカから見た視点では「なくなったリップ」「美琴を奪った憎き相手」が持っていたと感じたわけです。
ルカは「パクったのか???」といい、にちかはルカに「ホンモノ」を感じます。緋田美琴の気持ちがわかり歌って踊れる「ホンモノのアイドル」に。

自嘲気味に内心で納得するにちかと、全てを奪われたルカ【第6話:ライファーズ】

ここのルカが言っている「あれもこれも」というのは赤いリップだけではなく、「美琴とユニット活動をする」という立場も盗まれたと思っているのでしょう。注目すべきポイントはルカが「盗まれた」と思っていることです。
つまりルカはまだ「美琴の隣に立つのは自分であるべき(美琴は私のモノ)」と思っているということです。盗まれたら取り返すということですね。

そしてリップを返そうとした時に「オマエが触ったものなんか欲しくねェよ」と言われたにちかは更に自嘲気味に「あははっ」と笑います。
そして心の声、ここに来た目的を理解します。

「これ言われたかったのかー」というにちかの本心【第6話:ライファーズ】
※白モヤはテキストと音声が異なる演出です。ゲーム内で音声を再生してみてください。

そして緋田美琴の比喩表現である「赤いリップ」を「貰っていきますね」とまるで「美琴は私のものだ」と言わんばかりに宣戦布告して帰ります。
ルカは状況が分からず相手と対話することも出来ず「対話のはずの叫び声」をあげます。

さて、先程テストに出るといったキーワードが出てきました。
にちかは美琴の隣にたって同じユニットを組んでいたにも関わらず、
「触れる」ことが出来ませんでした。
ルカは「にちかが触ったものなんて欲しくない」と言います。
にちかは大胆に宣戦布告をしていきましたが、
心情的には「美琴に触れられていません」
物理的にはクリニック講師との異星人ゲームにて箱の中で指が触れあっているのですが、もしにちかが美琴に直接意見や想いを伝えてわかりあえていたのであれば、美琴の心にも触れられていたかもしれません。
ですが、現時点でのにちかにそれは出来ず美琴の心は
「手垢がついてない状態」となります。
にちかの所有物ではなく、真のパートナーではない「緋田美琴」が存在しているわけです。ルカの行動方針が決まります。
盗まれたものは「取り返す」。そう、正しい所有者の元へ。

「神様は死んだ、って」の歌詞考察記事でも解説しましたが、ルカは天井がプロデュースした「偶像のアイドル(八雲なみ)を生み出す施策」を現在、自分が体現しており「後悔、罪、罰」を背負って紛い物の作られた「カミサマ」を演じています。
終身刑とも言えるほどの罪を背負ながら生きているライファーズは「斑鳩ルカ」を指しているのかもしれません。


■エンディング:O

にちかの保護者である「七草はづき」に事の顛末を報告するシャニP。
心療内科の講師からきたメールでレッスンは一区切りとなります。

専門家からみた「正反対の二人」が前に進み始めたというメール【ED:O】

「どちらの事実」というのは「にちかにとっての事実」と「美琴にとっての事実」の2つがあります。

にちかが見つめていなかった「まっすぐな事実(にちかが逃げたこと)」
にちか:バラエティ等で活躍出来る、美琴より優れている部分がある事実
美琴:「にちか」とユニットを解散していないという事実

■美琴が目を向けていなかった「事実(美琴がやるべきだったこと)」
美琴:歌やダンス以外に求められていたものを知ること
にちか:相方のことを知り、二人でユニットとして高みを目指すこと

そして二人は事実と向き合い共通の話題であるユニットの将来性について、「対話」を始めます。
クリニック講師の先生の教えどおり、にちかは想いを言葉にします。
「なぜ私と練習をしてくれるのか」
「完璧超人である美琴は、なぜ私と組んでくれるのか」
それに美琴は答えます。

「七草にちか」と練習する意味を考え始めた美琴【ED:O】

対話を通して二人はお互いの想いや気持ちに向き合い、前に進み始めます。
にちかと向き合った美琴は「仕事面」でも輝き始めます。
公開練習の様子を撮影するオファーは「にちかに教える」という構図となり、「撮れ高」があるため、美琴自身のスキルの高さを相対的に世間にアピール出来る結果となり、「にちかに視点を向ける」ことで美琴の世界も広がり始めました。
そして美琴は「シーズというデュオユニットを始める」ために、自分と向き合う時間が欲しいと言い実家の北海道に帰ります。

練習以外のものがあった時間に向き合う美琴【ED:O】

美琴は北海道でアイドルになる前の自分が育った場所で、当時の記憶、「周りの人に感じていた気持ち」に向き合う旅にでるのでしょう。

そしておまたせいたしました。
「斑鳩ルカ」「天井努」がユーザーの見える範囲で初めて対話します。
ここからは重要な部分を画像とキャプションでお届けした後に考察します。

「何か」に耐えながら「誰か」とご飯を食べている天井努【ED:O】
わざわざシェフがいるような店で「ナポリタン」を食べる因縁の二人【ED:O】
まずいのはナポリタン?それともこの現状?【ED:O】
まずい現状は「誰/アンタら」が作り出したのか【ED:O】
ルカの母親は今、不幸せなのか質問する天井【ED:O】

ノーカラットや感謝祭の時もそうでしたが、シーズのイベコミュは最後に大きな爆弾を落としていきます。それでは会話を分解・細分化していきます。

ルカは天井に対して「誰と食ってるんだよオイ」と言っています。
天井もルカも目視できる場にいるのに「誰と食っているか」を質問する場合、考えられるのは2つです。
①「ルカが知らない天井の知り合い」と天井がナポリタンを食べている
②その場に誰もいない(天井一人)、もしくは相手が離席中

次に業界人である二組がわざわざ同じお店で庶民の味である「ナポリタン」を頼んでいます。偶然でしょうか?
「今日が誰かの記念日で、その人の好物をお気に入りの場所で食べる」という身内だけが知っているルールがあるとしたら、納得できませんか?

「オンチだね、283の社長さんはやっぱ」というセリフには皮肉が込められています。「社長が昔からオンチであること」をわざわざ声にだして、まるで「誰かに聞こえるように」言っているように感じます。
相手が一人で、周りの人がいないのであれば「味オンチだね、昔からオマエは」でいいはずです。

そして天井の「料理の味を損ねているのは誰かね」という質問にルカは「アンタ」が全部やったことだろう、「自分」だけ幸せごっこやってんじゃねぇといいます。どうやらこの場には天井以外が存在しているようです。
ルカは天井が誰かと「幸せごっこ」をしていると言います。
「ごっこ」という言葉には児童の遊戯である「家族ごっこ」を連想させます。天井努は結婚している描写がなく、親友である七草が残した娘である「七草はづき」を我が子のように大切にしています。

そして天井は「ふしあわせなのか、あの人は」とルカに質問します。
「あの人」という若干距離のある言葉であり、固有名詞ではないにも関わらずそれだけで会話が成立するような「共通の相手」が二人にはいるということです。
その質問を受けてルカの頭に浮かんだのは「笑っている母の顔」でした。
天井は「八雲なみ」が自分の元から離れることが幸せと思い、八雲なみ失踪後も捜索をしませんでした。
ルカが知ってる「母の記憶」は幸せだったのでしょう。
しかしルカは「天井が母の人生」をめちゃくちゃにしたと思っています。
一度「母親」を不幸せにして捨てた人間が、その後の人生を再度気にかける。ルカからすると「そんな資格」はないんでしょうね。
上記細分化した内容を組み合わせて一つの考察に繋げます。

①今日は天井が過去にプロデュースしていた「八雲なみ(ルカの母)」の記念日。天井は毎年クリスマスになると神社に行くように過去に囚われている。今でもこの日になるとナポリタンを食べにくる。

②今日は斑鳩ルカにとって母の記念日思い出の日
家族の味である「ナポリタン」を食べにきた。母の好物であるナポリタンは家庭でもよく出てきたため、ルカ自身も好物となる。

③二組が同じ場所で同じモノを食べながら邂逅する。
「はづき」をディナーに誘っていた天井がルカと遭遇する。
ルカは「はづき」を見たことがない。何故ならはづきは「事務員」のパートであり、芸能界には出ないため。
そして年の離れた二人はまるで「親子」のような関係にも見えるが、天井努が「家庭を持っている」という情報は芸能界に出回っていない。
「八雲なみを無理やりプロデュースして引退させた」という自分の過去の失敗を棚に上げて、まるで何もなかったかのように笑顔で家族のような「ごっっこ遊び」をして幸せそうにしているため、わざと陥れるよう、周囲の人間に伝わるように「自分だけ幸せになってんじゃねぇ」と皮肉を言う。

④天井は「八雲なみ」の現状を娘である「斑鳩ルカ」に確認する。
「(今でも)・・・ふしあわせなのか、あの人は」と。
ルカの頭に浮かんだのは「笑う母の記憶」
とっさに思い出した母の顔は「憎しみ」や「恨み」「後悔」ではなく、幸せな姿だった。ルカが見て育った「母の記憶」は幸せだったのだ。
そのギャップと事実に言葉を失うルカ。

オタク君の妄想がふんだんにトッピングされた「ナポリタン怪文書」が出来上がってしまいました。ですがあまりにも出来すぎていると思いませんか?

そして、前回の考察記事の最後、現実世界の時間軸でいうと「神様は死んだ、って」の歌詞が公開された2022年1月6日の時点で自分は「八雲なみ」は芸名で本名が「斑鳩なみ」であるという仮説を立てていました。
その仮説は斑鳩ルカのモチーフである「三光鳥(サンコウチョウ)」から発想を得たものです。
にちかのWINGコミュで「八雲なみ」についてシャニPが客観的に語るシーンがあります。

「その尾がまだ煌々と光を放つうちに消えてしまった」【七草にちか】WING(なみ)

ルカのモチーフである斑鳩=サンコウチョウについての情報はこちらです。

サントリーの愛鳥活動より抜粋 https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1429.html

①サンコウチョウは「海外に行かず、日本で繁殖」する
八雲なみ(本名:斑鳩なみ)は天井努が用意した海外の仕事に行かず、日本で身ごもりアイドルを引退

②秋に渡ると長い尾は無くなっている
「その尾がまだ煌々と光を放つうちに消えてしまった」つまり、アイドルとしてこれからという光り輝き始めた時期に東京という都会、芸能界から引退(尾を無くす)して田舎で暮らす。

上記2点が「八雲なみ」を表現している部分と重なっていることから、自分は「八雲なみ」は芸名、もしくは旧姓で現在の本名は「斑鳩なみ」であると考えました。
ちなみに「妊娠させた相手が天井努で、その事実や責任を天井に押し付けないために失踪して田舎の実家でルカを育てた。」という考え方もありますが、ソースがないので妄想になります。
ですが、これが正しければルカが天井を憎んでいる理由がはっきりします。

「斑鳩なみ(母)」を妊娠させたくせに自分だけ責任は取らず苦労もせず、認知もしていない自分勝手な父親が「尊敬する元ユニットの相方」である「緋田美琴」を自分のプロダクションに引き入れている。
という構図です。地獄か。助けてくれ。これではないと祈ってる。

色々と考察をしてきましたが、今回確定出来た事実としては「天井努」と「斑鳩ルカ」に「共通の知り合いがいる(ルカの母)」ということだけです。残りは史実やモチーフ、コミュの欠片から繋ぎ合わせた考察となりますので確定事項ではありませんのでご了承ください。

一応補足ですが「美琴が八雲なみの娘節」もゼロではありません。
「天井努」と「ルカの母」が結婚しており、「二人の子供」としてルカを授かる。離婚後、母親がルカを引き取り田舎で暮らす。
そして天井がプロデュースしていた「八雲なみ」という女性の曲を「ルカの母」も好きで離婚後も家で流していた。
そのためルカも「八雲なみ」の曲を昔から知っていた。
そして失踪した八雲なみは北海道で子供を作り、その子供に「美琴」と名付ける。美琴は親の七光りではなく、自分の実力だけで「アイドル」になりたいと思い「八雲美琴」という本名を伏せて「緋田美琴」と名乗る。
実家に帰ると「母にアイドルの記憶」を思い出させてしまうため戻らないという構図も出来上がります。

ですが、プロダクションで履歴書を見たり家に行っているような間柄のシャニPが「八雲」という美琴の本名と「八雲なみ」を結び付けられないというのも考えにくいのでこの線は薄いと思っています。
少し白熱しすぎたのでイベントシナリオに話を戻します。

番組の準レギュラーに「斑鳩ルカ」がアサインされます。
第1話の月と鍵盤でも少し触れましたがシャニPに「二人は円満なの?」と質問した「美琴とルカの過去を知っているディレクター」がアサインしています。

(美琴も幸せも)全部・・・取り戻してやる・・・【ED:O】

こうして「緋田美琴」と「七草にちか」のデュオユニット「シーズ」の舞台に3人目の役者が満を持して介入してきました。

異星人ゲーム中は語り部の椅子にしか当たらなかったライトが3つの椅子を照らす【ED:O】

以前考察したイベントシナリオ「OO-ct. ──ノー・カラット」の記事の最後でも触れましたが、ノーカラットのエンディングでは「O」が少しずつ離れていく=2つの想いがすれ違う、離れていくということがありました。

モノラル・ダイアローグスでは「O」が離れることなく一つになっています。シーズというユニットとして「一つの共通意識」を持つことを目標にしてきましたが、エンディングで一つの「O」となったのです。
そのOが一つとなったのは「美琴」と「にちか」か。それとも「美琴」と「ルカ」か。シーズというユニットは本当に「緋田美琴」「七草にちか」のユニットなのか。
そんな課題を残してイベントコミュは終わりを告げます。


■【あっかい】七草にちか(サポートSSR)

同時実装されたサポコミュも考察していきます。
「あっかい」はもちろん「赤い」リップを表しています。

▼ポップ'n pop(S1)
シーズとして売れてきたにちかがCDショップでポップを作る話です。
美琴に直接伝えればいい賛辞の言葉を、ポップにたくさん詰め込みます。
ここは第6話:ライファーズの裏側です。美琴がにちかに興味を持つために訪れたCDショップですが、最後には美琴にも「おかしい(おもしろい)」という感情を抱かせます。美琴への想いはとても「あつい」ことがわかります。

美琴への想いが文面で届いた瞬間【あっかい】(ポップ'n pop)

タイトルは言わずもがなですが「面白い(ポップ)」×「pop」で「ポップ'n pop」となります。このコミュはわりと心がおだやかでした。

▼不思議なboogie(S2)
ハイライトを忘れてはづきのメイク道具を勝手に使うにちか。

可愛すぎる姉妹のやり取り。もうずっとこれやってくれ頼む【あっかい】(不思議なboogie)

ちなみにハイライトは「顔に立体感」を持たせるために「鼻筋」や「おでこ」、「顎」に塗りたくり、光を反射させてツヤ感を出すコスメだそうです。詳しくはググってください。
にちかは若いので「作りすぎは可愛くないよ」とはづきは言っていますが、当の本人はハイライトでツヤ感を出してるのに「マットリップ」で唇はツヤを消すというゴリゴリに顔を作ってるという姉妹の仲良シーンです。
コスメわかんねぇ助けてくれ、コスメ詳しい方いたらご助言ください。

そしてにちかは仕事でカリスマメイクスタッフに「オトナメイク」をしてもらいます。いつもと違う大人感を「つや肌」で演出してくれましたが、にちかはただ「顔がテカってる」だけと思ってしまいます。

大人メイクでツヤ感を出してもらったが不自然なにちか【あっかい】(不思議なboogie)

そして実はイベコミュ冒頭にも、にちかの顔が「テカってる」場面があります。それはOPの「赤い休符」の楽屋でルカのリップを拾うシーンです。

暑さで顔が「てっかてか」のにちか。【OP:赤い休符】

この顔がテカっている状態はにちかの「不自然さ(ちぐはぐ)」を表していると自分は考えました。冒頭では「歌って踊れるアイドルじゃないのに、楽屋でチヤホヤされること」への不自然さで、この「不思議なboogie(S2)」ではメイクスタッフさんの話を通して完璧な「美琴」の隣にいる未熟な自分が「不自然」で、ルカのほうがふさわしいと思ってしまっています。
あの日、ルカと初めて対峙した時のように。

本音と建前が「ちぐはぐ」になるにちか【あっかい】(不思議なboogie)

ここからまたテキストと音声が異なる特殊演出が入ります。
にちかの本音と建前がちぐはぐになります。
もし余裕があればゲーム内で再生してみてください。

「全然あってない(音声)」
「美琴さんのは(音声)」
「自分が綺麗なことを気にしない綺麗さ(音声)」
「磨き続けてる人の綺麗さ(音声)」
「おまえのは(音声)」
「おまえが美琴の隣にいるのは不自然」【あっかい】(不思議なboogie)

サブタイの「boogie(ブギー)」はジャズやロックンロール等の音楽で使われる「反復フレーズ」です。いわゆる繰り返し部分ですね。
にちかは美琴と対話をしたはずなのに、再度繰り返し考えてしまいます。
「美琴の隣に立つのにふさわしいのはルカなのではないか」と。

以上でイベントシナリオ「モノラル・ダイアローグス」の解説、考察パートを終わります。ここから先は感想になりますので興味がある方だけ読んで下さい。

■イベントシナリオを全て読んだ感想

どうして誰も幸せにならないんだ。
どうして奪い合うことしか出来ないんだ。
誰がルカを救ってくれるんだという気持ちです。

今回のイベコミュで大きく自分の視点が変わったポイントとしては「斑鳩ルカ」がハチャメチャに可愛いということです。
実家にいる時は「元気で素直、家事を手伝い、母を慕うただの女の子」でした。全ての各IPでギャル担当の自分としてはカリスマなのに家事が出来て、家族や好きな人を大切にする一途さはSUKIYAKIポイント高めです。

【公式サイトより抜粋】https://shinycolors.idolmaster.jp/idol/other/luca.html

公式サイトのセリフにあるように「使う、捨てる」というのは「八雲なみ」が天井努に使い捨てられたように感じているのではないかと思います。
あと新衣装めっちゃ可愛くないですか?ルカ様を泣かせるやつ許せねぇ。

そしてシーズのロゴには作中に何度も出てきた「赤いリップ」があります。

【公式サイトより抜粋】https://shinycolors.idolmaster.jp/idol/shhis/

赤いリップ=キスマークは独占欲の証でもあります。緋田美琴という「赤いリップ」を独占したい「ルカ」と「にちか」が奪い合うことは、最初から決まっていたのかもしれません。
余談ではありますが「SHHis」というユニット名には大文字が3つあります。 
2人ユニットなら「SHhis」や「ShhiS」でも良いのではないかと思います。まぁ「黙って静かに聴いていて。(シー🤫)」を表す言葉が英語表記で「SHH(シー)」なので、単語区切りで大文字なんだろうとは思いますが、将来は「美琴、にちか、ルカ」の3人で一つのユニットになるといいなぁと思います。

そして今回のイベコミュでは前々から一度も描写されていなかった「美琴がにちかのことをどう思っているか」が描写されます。
まぁ、「興味関心がなくて何も思ってなかった」ってのが描写されたんですけど・・・

ノクチル以上にずっと苦しい。助けて欲しい。
俺はどこに共感すればいいんだ。
ルカと自分を比べて、一生自己肯定感が上がらないにちか?
他人に興味関心がなくストイックに一つの事に取り組む超絶美人な美琴?
何も悪くない、全てを奪われたルカ?

もう、二次創作の「シーズルカ」のギャグマンガに頼るしか救いはないのだろうか。そりゃカミサマも「全てを終わりにさせて」なんて言うわけだよ。
次はシーズのGRADや8月の対バンが控えていますが、イベコミュは年1ペースなのでルカとにちかがバラエティで共演する「モノラル・ダイアローグス」の後の話は1年後かもしれないですね。

ちなみに「七草にちか」と「斑鳩ルカ」の境遇はとても似ています。
・美琴が好き
・美琴より先に売れた
・八雲なみが好き
・現状のアイドル活動が苦しい

二次創作で描かれますが美琴を好きだからこそ対立しています。
「二人共美琴が好き」じゃダメか?3人ユニットじゃダメなんか?

余談ですがイベント予告やエンディングで流れていたバイオリンのBGMは「2つのヴァイオリンのための協奏曲(バッハ) 第3楽章 Allegro」となります。(マシュマロで教えてくれた教養のある方、アリガトウゴザイマス!!)
対位法という「複数の旋律を独自性を保ちつつ調和させて重ねる」という技法が用いられていることが特徴の楽曲です。
シーズというそれぞれ違う魅力を持った二人が調和して重ねる(L@YERED)ことができるのか。
4thライブのテーマであった「過去/現在/未来」は「美琴とルカが組んでいた過去」と「美琴とにちかが組んでいる現在」と「美琴とにちかorルカが組む未来」という形で完成します。
今後に期待していきましょう。

そして約2万字近い文章を最後まで読んでくださった熱心なシャニマスユーザーの皆さん、お疲れ様でした。(2万字ってもはや論文の領域です)
きっとここまで読んでくださった皆さんはイベントシナリオを読んで「よくわからなかった部分がある」方や「他人の解釈を知りたい」と思ってくれた方だと思います。

この考察記事は「必ずそうだ」と断定するものではありません。
アステルというインターネットポエマーが書いただけの怪文書である可能性は大いにあります。
シャニマスを愛する1ユーザーの視点として「自分はこう感じた」という内容をまとめた記事となります。コミュ考察や話の矛盾点、疑問点、腑に落ちない点、考察を促進できる貴方だけの考えや意見等があればコメントやTwitter、マシュマロ等でぜひ教えてください。
特にナポリタン怪文書の部分は様々な可能性、解釈があると思っていますので、ぜひ皆さんが感じた「モノラル・ダイアローグス」を教えてください。
Twitterやマシュマロもやっていますので興味があれば覗いてみてください。
それではまた次の記事でお会いしましょう。

💄シーズに関する考察記事はコチラ💄

アイドルマスター シャイニーカラーズ公式サイト
https://shinycolors.enza.fun/

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