見出し画像

「イラストレーターのあなたに仕事が来ないのはなぜか?」 第3回 / 全7回シリーズ

東京の表参道界隈でイラストレーション・エージェンシーを経営して25年目(2023年11月時点)に入りました。トレンドに左右されるイラスト業界で会社継続の長さは売りにはならないかもしれませんが、経験は豊富です。

ありがたいことに、普段イラストレーターさんが売り込みをしてきてくださるので、その方たちのウェブサイトを見たり、「仕事が来ない」という相談をうけるので社内でこれらのことについてよく話し合います。

「あまり仕事がこない」もしくは「全く仕事がこない」には当然理由があります。そういった方たちの気づきになったり、少しでもお役に立てたらと思い、こちらのnoteの記事でその理由を全7回のシリーズでお届けしてまいります。

第1回:イラストが下手
第2回:描いているイラストに需要がない
第3回:描きたいイラストばかり描いている
第4回:こだわりが強すぎる
第5回:いろんな媒体を見たことがない
第6回:あなたを知る機会が無い
第7回:自分を客観的に見れていない

第3回:「描きたいイラストばかり描いている」

カピバラばかり描いている(「私はウサギだから大丈夫!」ではない)。
風景ばかりを描いている。
自分がカワイイ!カッコイイ!キレイ!と思ったものだけ描いている。

そういう方が非常に多い。

だって、自分の好きなことを仕事にしたくてイラストレーターになったんだから、自分の好きなものを描かないと意味がない!
というのであれば、それは否定しません。

しかし、あなたの「カワイイ!カッコイイ!キレイ!」は、クライアントの売りたい商品やサービスを説明するイラストとイコールではありません。

「良いものさえ作っていれば売れる」

みたいなことってよく聞きますよね?
これは半分あっていて、半分間違っています。

良くないと売れない、というかイラストで言えば上手いことが前提で、そこからさらにクライアントが求めるもの、求めるもの以上のものを提供できないと売れません。

「あなたのサービス、私だったらもっと良く表現できますよ!」

という姿勢が重要なんじゃないかな。

好きでもないタッチやスタイルのイラストを制作するのは気乗りしませんか?

でもこれが売れるようになってくると楽しくなってくるんです。売り上げが安定してくると心にも余裕が出てくるんです。

良く見るタッチ、良く見るスタイルのイラストを自分でも制作してみてください。

「いや、自分は自分が好きなイラストやオリジナリティで勝負するんだ」

というふうに考えられる方もいらっしゃると思いますが、どんなタッチやスタイルにしても必ずあなたらしさが出てきますから心配いりません。

流れのあるところに乗るのはとても重要です。
人気のあるスタイルやタッチと、大きな市場、成長産業にフォーカスしてイラスト制作をすることが仕事を獲得する近道だということです。

「好きこそものの上手なれ」
という言葉もありますが、ゾンビが好きでゾンビばかり描いてゾンビの絵が上手くなっても仕事はきません。

ゾンビは極端な例ですが、それに近いことをしているイラストレーターさんが非常に多いので、今回あらためてお伝えすることにしました。

それではまた次の回で。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?