夏場の服装談義ver1

梅雨入り前だというのに気温もずいぶんと高くなって、もはや春を素通りした感じの気候になった。僕の家は海に近いせいか湿度も高く、既に夏になったのかと錯覚してしまうほどだ。

こんな気候なもんだから、日本の夏を過ごす大人の男のファッションは中々骨が折れる。暑さにやられて楽な方向に流れてしまうとあまりにラフすぎる格好になってしまう。現実のリゾート地ならいざ知らず、どこでも短パンサンダルのリゾートファッションでうろうろするには、日本は少し都会すぎる。なにより屋内は冷房が効いてるので、短パンサンダルだと物理的に寒い。

かといって海外のように夏でもジャケパンで快適に過ごせるような気候でもない。いくら格好にこだわっていたとしても、熱中症になっては元も子もないではないか。つまるところ日本の夏は気候とTPOの塩梅をどうやってバランスさせるかが難しい季節なのである。

こうなってくるとせいぜい楽しめるのは着る服の素材ぐらいになってくる。シャンとした格好をするためにも、夏場のファッションで素材選びは欠かせない要素の一つだと僕は思っている。化繊も機能的には大分進化しているようだが、やはり天然素材の方が選択肢の多さと生地感の違いにおいて勝っている。

リネンやモヘア混の生地は丈夫だし見た目にも涼しさを感じさせるシャリ感がある。サマーツイードの目の粗いざっくり感もラフで力の抜けた感じが涼しげだ。クールビズになるとほとんどがシャツとパンツだけのスタイルになるからこそ、素材感を利かせた佇まいは粋に見える。こういう違いを楽しめてこそ大人ってやつではないだろうか。

とまぁ色々工夫のしどころを見つけるのが夏場のファッションの楽しみ方ではあるものの、昨今の夏はそんな工夫すら笑い飛ばすほどの暑さが続いている。短パンではしゃぐ子供たちを見てつけては、あの頃なら短パンでどこでもいけたのに、と悲哀を感じてしまうのだ。ああ、大人になるというのはなんとつらいことなのだろう…

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