ラーメン

幾度も記していますが、事の発端は15歳の頃からです。
そういう質問を繰り返し繰り返ししてきました。
一番はラーメンです。

減量中、絶対に食べることの出来ないので、どうしても
そうなることは理解しています。
他のものを選びたくてもラーメンを選んでしまいます。

ラーメン、大好きです。

僕はもう、大分昔の選手ですがでも、それは今の選手も
変わらないはずです。
減量中、無性に食べたくなるもの。
それがラーメンです。
自分の減量中にはいつもそうですし、選手と話す際、
大抵そう返ってきます。

どのくらい好きかなんて聞かないでください。
好き以上に好きです。


練習を終えて、同輩らにそんな戯言をする様になったことが
切っ掛けです。

でも、昔から遠距離恋愛中です。


プロを目指す後輩、プロになった後輩同輩らと練習後に
坂の上のコンビニでガリガリくん一本分の戯言をして、
各自家路に着きます。

なので、そんなに詳しくはありません。
滅多に食べないからです。


僕は少し遠回りになりますが、でも、それが毎日の楽しみ
でした。

「ラーメン食べてぇー。」

必ず減量中の同輩後輩らの口から出てくるもの、それが
ラーメンです。

「ラーメン食べ忘れたー。」

減量に入ってから食べ収めしなかったことを後悔するのは
よくあることですが、そんな後悔をいつもしていました。

「何食べたい?」

ガリガリくん一本分の会話は減量中も行います。
最後の方は何も食べないで戯言だけの立ち話になるのですが、

「ラーメン。」

減量中の選手の口から出てくる一番食べたいものは
ラーメンが多いです。


「じゃあ、何ラーメン?」


「脂っこいものは嫌だなぁ、体重増えちゃうし。」

減量中だから食えやしないのに、食べることと前提で、食べた後の
心配まで考えて立ち話に花が咲くのです。

時は昭和です。
しかし、平成だろうと令和だろうと減量中の選手はどいつも
イタリアもラーメンを求めるのです。
今年に入って試合した選手も、まさしく今減量中の選手も
皆、ラーメンを求めてやまないのです。

「味噌ラーメンに唐辛子と酢を入れて、
最後にご飯入れて食べたい。」


僕の食べ方に、同意してくれる仲間はいませんでしたが、
でも、十代の半ばから好きなのです。
味を壊すことが勿体ない程のラーメンならしませんが、よくある
カップラーメンや、その辺のラーメンならその様な食べ方をします。

汁一滴も残さず最後の一口までありがたくいただきたいという
願望があります。
当然、味を壊しても汁一滴足りとも、米粒一粒足りとも残すことは
しません。


食べられないその時、食べ物の話はとても楽しく嬉しい
瞬間でもあります。
話に花が、いや話にラードが咲き乱れ、妄想で乾いた口の中に
唾液が薄っすら滲みます。


スープは少しだけとか、麺を少しだけにするだとかの
ダイエット用法を偉そうに語っているのを目にすると吐き気が
します。
残す前提でのそれは、食べ物に対しての横暴とすら思います。
粗末にすることが大嫌いです。
でも、汁まで啜り、全部食べると1・5kg以上体重は
増えます。
その間、水も飲みますからね。
そして、食べ終えた後にも喉が渇き水分を摂りますからね。

「水はカロリーゼロだから。」
知りもしない人はよく口にしますが、確かに小便は出ますが
しっかりと身体に残ります。
腹の中で塩分と糖分と混ざり合うのだと素人の感覚ですが、
そう体感します。

「自分は増えませんよ。毎日食べてるけど。」
昔、会員が云いました。
「そりゃ貴方痩せてないからねぇ。」

太っていたら食べてもそんなに変わらないでしょう。
でも、身体には天井があり、その天井を越えてしまうと
その体重が通常になるのです。
またしばらくの間は食べ過ぎても維持できるのでしょうが、
天井を破り、新たな天井を作ってしまったらそこが通常の
体重になります。
だから、普段から出来るだけ抑える様に努めるのです。


「立嶋さん、増えちゃいました。」
しばらくして、会員は云いました。
「だから云ったじゃん。」
そんなことが10数年前にありました。

階級を上げることは否定しません。
ただ、不摂生して減量が苦しいからというだけで上げるのは
違うと思います。
今年はまだ、食べていません。

ラーメンを食べてもいい体重を作ったら食べようと思います。
もう長いこと、一年に一杯食べるか否かのペースです。


一昨年末、その年初めてのラーメンを飯田橋から船橋まで走る
道中、平井で立ち寄りました。
スカイツリーまで走る際、いつも気になっていたのです。
減量して、計量を終えてリカバリーしたとはいえ、まだ全然軽い
体重です。
何のお咎めもありません。
しかし、です。
軽快に進んできたというのに食後、身体が堪らなく重くなり
そこから全然足が進みません。
自宅に辿り着いて体重計に乗ると、やはり、いつもの
体重よりも2kg程増えていました。
もし、走っていないでそのままの体重で食べていたらと
思うと吃驚です。

「このところ、毎日ラーメンを食べてるよ。」
腹回りをさすって僕は云います。
「大台。3桁。」
そう云って苦虫を噛み潰したかの様な引き攣った笑顔で
云います。
そんな近未来の自分ははっきりと見えています。


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これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。