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米国株指数の見通しは?(2024年6月16日)

先週(6月10日~6月14日)のS&P500、NASDAQはともに上昇しました。
特にNASDAQは+3.2%と大幅に上昇し、年初来+17%以上の強い動きを見せています。

この結果、NASDAQは先週引けの時点で50日移動平均線を7.5%上回っており、短期的な調整が起こるリスクを考慮しておく必要がある水準となってきています。

また、NASDAQのAD line(Advance/Decline line)はかなり低下しており、AI・半導体銘柄やビックテックなどの一部の銘柄が指数をけん引する相場となっていることを示しています。

その影響もあり、NASDAQとダウ平均のパフォーマンスに最近大きな乖離が生じてきています。

年初来の主要指数の推移(2023年末を100とする)

2023年末を100とした主要3指数の2024年6月14日の値は、
NASDAQ: 117.85
S&P500: 113.89
ダウ平均: 102.39
となっており、NASDAQとダウ平均のパフォーマンス乖離率は約15%となっています。

同じように両指数のパフォーマンスの乖離が見られたケースは過去にもあります。

2003年のNASDAQ,ダウ平均のパフォーマンス乖離率(%)

2003年の相場においても点線で示したパフォーマンス乖離率を見ると、パフォーマンスの乖離率が上昇した後、そのギャップを修正するようにNASDAQの下落が見られています。(2003年7月の下落局面など)


これを根拠に現時点で大きな調整が起こる可能性が極めて高いと考えるほどではありません。
ただし、その他の状況も考慮すると今後短期の調整が起こる可能性に注意が必要だと考えています。

私自身はNASDAQの急速な上昇を受けて、いったんトレード枠のポジションは解消しました。
具体的には指数ETF(VOO)の信用買い枠の利益確定を行いました。

信用買いポジションには金利コストがかかるため、調整が起こった場合に株価が戻るまで我慢してホールドすることは効率が悪く難しいと考えたためです。


また、週報で述べたように、先週のFOMCで示された金利見通しでは年内3回の利下げから年内1回の利下げまで利下げ見通しが後退しました。
FRBはインフレの沈静化については依然として厳しい見方をしているとも言えます。

一方で、6月12日のCPIが市場予想を下回ったことを受けて、市場ではインフレの沈静化については楽観的な見方が広がっています。
FRBとは対照的にインフレの行方について市場は楽観しています。
CME FedWatchでも年内の利下げ見通しは2回との見方が優勢です。

CME FedWatch(2024年6月15日時点)

FRBと市場のインフレに対する認識の違いがリスクになり得ると思われます。

①短期的なNASDAQの過熱感
②インフレ見通しについてのFRBと市場のギャップ

この2つからサマーラリーから調整局面に移行する可能性に注意しています。
ただし、9-10月のアノマリー的に下落しやすい時期まではまだ時間があるため、短期の調整が起こってもサマーラリーが終わらず7-8月までラリーが継続する可能性もあるでしょう。

9-10月には調整が起こると考えていますが、大統領選挙前(10月下旬ころ)から再度株価上昇が起こることがアノマリーで知られています。(下図)

米国大統領選前後のS&P500株価推移

以上のように、米国株市場は年末までの中期で見れば上昇すると考えていますが、短期的な調整には警戒が必要な好況であると考えています。

対応が難しいですが、少なくともここから積極的に新規の買いポジションを取る状況ではないと考えています。

そのため、ポジションを落とすとしても信用ポジションの解消のみとしており、指数や個別株についてはこのままホールドとしています。
*売却益に対する20%程度の税金を考慮するとここで利益確定するメリットは少ないと考えているため。

信用買いポジションによる利益を元手に、10月頃に指数ETFの現物を購入する予定です。
それに加えて再度指数ETFの信用買いポジションをたてる予定です。

引き続き、サマーラリーの行方に注目したいですね。

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