MercadoLibre（MELI）の第2四半期決算：ラテンアメリカのeコマースとフィンテックの巨人の成長

ラテンアメリカを中心とするeコマース企業のメルカドリブレ（MercadoLibre:ティッカーシンボル MELI）は、2024年第2四半期の決算発表で驚異的な成長を示しました。

同社の株価は現在カップ・ウィズ・ハンドルのベースからの1,792.05ドルの買いポイントを上回り、最近の取引では1,800ドル台に達しています。

今回は同社の最新の財務実績とその強みについて詳しく見ていきましょう。

2024年第2四半期の財務ハイライト

メルカドリブレの2024年第2四半期の決算は以下のような強力な成長を示しています。

• 売上高：前年同期比＋42%の51億ドル（市場予想46.83億ドル）

• 純利益：前年同期比＋103%の5億3,100万ドル、純利益率10.5%

• 一株当たり利益（EPS）：10.48ドル（市場予想の8.48ドルを大幅に上回る）

• 総商品価値（GMV）：前年比20%増の126億ドル（FX中立ベースで83%増）

• 総支払額（TPV）：前年比36%増の463億ドル（FX中立ベースで86%増）

• ユニークアクティブバイヤー：前年比19%増

• 売上個数：前年比29%増

＊FX中立ベースは現地通貨での成長率を示す。

これまでの売上高成長率のトラックレコード

メルカドリブレの過去の売上高成長率も顕著です：

• 2023年第2四半期: 36%

• 2023年第3四半期: 43%

• 2023年第4四半期: 42%

• 2024年第1四半期: 36%

• 2024年第2四半期: 42%

30%台後半から40%台の極めて高い売上高成長率は魅力的ですね。

地域別の成長率も見てみましょう。

• ブラジル:

  • 2023年第2四半期: 25%

  • 2023年第3四半期: 40%

  • 2023年第4四半期: 44%

  • 2024年第1四半期: 57%

  • 2024年第2四半期: 51%

• アルゼンチン:

  • 2023年第2四半期: 42%

  • 2023年第3四半期: 32%

  • 2023年第4四半期: 32%

  • 2024年第1四半期: -22%

  • 2024年第2四半期: 1%

• メキシコ:

  • 2023年第2四半期: 67%

  • 2023年第3四半期: 68%

  • 2023年第4四半期: 51%

  • 2024年第1四半期: 59%

  • 2024年第2四半期: 66%

特にブラジルとメキシコで顕著な成長を遂げています。

経済的に低迷しているアルゼンチンでは売上高成長率は低迷しています。
しかし、以下に述べるような指標やフィンテック部門での成長を考慮するとアルゼンチン市場も今後に期待できると考えられます。

GMV（Gross Merchandise Volume、総商品価値）

プラットフォーム上で取引された商品の総額を示し、成長の重要な指標であるGMVについて確認しましょう。

GMVはプラットフォーム上でのすべての取引の総額を計算する指標で、これには以下が含まれます：
売上額：商品やサービスが売れた金額
配送料：商品配送にかかる費用
その他の手数料：取引に関連するその他の手数料や費用
＊これらの合計がGMVであるため、利益とは異なり、あくまでプラットフォームでの取引量を示す指標です。

総商品価値（GMV）：前年比20%増の126億ドル（FX中立ベースで83%増）

• ブラジル：GMVが前年比36%増と加速し、売上高も前年比51%増加。

• メキシコ：GMVが前年比30%増で安定した成長を維持し、売上高は66%増加。

• アルゼンチン：GMVが前年比252%増と大幅に改善。売上高は他の地域に劣っていますが、厳しい経済状況の中でも、成長の兆しが見えています。

フィンテックサービスの成長

メルカドリブレはフィンテック企業としての側面も持っています。
同社のフィンテック部門であるMercado Pagoも素晴らしい成長を遂げています。

• 月間アクティブユーザー（MAU）：初めて5,000万人を突破し、前年比37%増

• クレジットポートフォリオ：前年比51%増の49億ドル

• 管理資産（AUM）：前年比86%増

AUMは、同社のフィンテックサービスが多くの顧客に利用されていることを示す重要な指標です。

特にアルゼンチンやブラジルでの強い成長は、今後のビジネス拡大と収益増加のポテンシャルを示しています。

AUMの成長を注視することで、同社のフィンテック部門の健全性や成長性を評価することができます。

カップ・ウィズ・ハンドルの買いポイント

テクニカル分析の観点からもメルカドリブレの株価は注目すべき動きを見せています。

株価はカップ・ウィズ・ハンドルのベースからの1,792.05ドルの買いポイントを上回り、最近の取引では1,800ドル台に達しました。

これは投資家にとって強力な買いシグナルとなっています。
＊もちろん現在は市場全体のトレンドがMarket in Correctionとなっているため、注意が必要です。

MercadoLibreの強み

1. 多様な事業ポートフォリオ：eコマースとフィンテックの両方で強力な市場シェアを持ち、収益源が多岐にわたる。

2. 地域に根ざした成長戦略：ブラジルとメキシコなどの主要市場での成長が著しい。

3. 技術とサービスの革新：AIを活用したサービス改善や新製品の導入、物流と配送ネットワークの強化。

4. 強力な財務実績：売上高と純利益の両方で高い成長率を維持。

まとめ

メルカドリブレ（MELI）は「ラテンアメリカのAmazon」とも称されるeコマース企業ですが、フィンテック企業としても南米市場において圧倒的な存在感を示しています。

強力な財務実績、地域ごとの成長、革新的なサービスにより、今後も成長が期待されます。

引き続き値動きも含めて注目しておきたい個別株と考えています。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

この記事が読者の皆様がリスクとリターンを考慮したより良い投資判断を行うための手助けとなれば幸いです。
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＊個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。
＊実際の投資判断については自己責任でお願いします。