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旅の記憶

2020年8月1日、旅に出た。 身体は痛いとこばっかりで、果たしていけるのだろうか? 大丈夫か⁈、行く前はやはりそう考えていた。 前日は実は体調が悪く、腹痛の上に動悸・不正脈が重なってたいそうしんどかった。 …   

結果、行けた! もちろん前日から薬の服用には気をつけていた。 前日の夜もよく眠れて、朝から体調がよかった。 というより、痛みとかダルさとか、そういったものが全然なかった。 朝ごはんも食べて、排便もあった。(薬の影響で便秘気味) …   そして到着、YAMAHAトレーサー900GT!

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写真で見たよりやっぱりゴツかった…。 まあ、見た目よりもやはり醍醐味は乗り味、この後私は後ろに乗り、高速に乗って奈良県は天川村を目指すのでありました。 年式は2020、新車のスーパーテクノロジーバイク(?)です。^_^

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私も中型免許ですが以前バイクに乗っていて、人を後ろに乗せることはあっても自分が後ろに乗ることはあまりなかったので、新鮮でした。 またいで後ろに乗るのは左足マヒのため少し手間どいますが、風を受けて走り出すと、"タンデムってこんな気持ちええねんなぁ!" と興奮しました。 しばらく乗っていて気づきましたがこのバイク、安定性がメチャクチャいい。^_^   文字通りクルーザーといった感じです、車のような安定感、そして安心感を与えてくれるパワー。 普段スクーターのか弱い走りに慣れてしまっていた私には、久しぶりにまたがる大きなバイクに感動しました。 "やっぱバイク最高!"   そしてそのバイクには走行モードが3つあり、帰りに体験した一番パワフルなモードでの加速では、心臓の弱い人は泣いてしまうでしょう。 私は幸運にも2.3滴チビっただけでした。^_^

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左足は足先の方は全く感覚がなく力も入りませんから、走行中足を乗せるステップから勝手にずり落ちてしまうんじゃないか、と心配していましたが、意外にも結構身体は安定して足もズレることはほぼありませんでした。 また、腹痛や下剤も飲んでいるので、トイレ大丈夫かな?という心配をよそに、快調に旅は進みました。 高速を降りてまず着いたのは奈良県は葛城市にある道の駅「かつらぎ」。 ちょうど天川までの中間地点ということで、行きも帰りも少し休憩しました。 イカ焼きの匂いと誘導のおっさんの案内をことごとく無視して駐車したことが思い出です。^_^   こっちは障害者ですから! 障害者用スペースに停めます!(おっちゃん無視してゴメンね。^_^)

そこから天川までは下道で、ルートは大きくわけて2つあるみたいなのですが、行きはマイナーな方のルートで廃線跡の景色を楽しみながら、少しスリリングな道を堪能しました。 そして着きました、天川!

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天川村では、名水ごろごろ水を堪能して、昼食は中華料理屋に入りました。 そこでは珍しい、ラーメン丼なるものを食べました。 中間はたまご焼きで仕切っており、上はラーメン、下は丼ぶりという、匠の一品です。^_^   フツーに美味しい中華料理屋さんでした。 天川村にある鍾乳洞には、待ち時間の関係で行きませんでしたが、友人が是非見せたい本当の天川の景色がある、との事で、そこにむかいました。 そしてその景色が見えてくると、一目で違いがわかりました。 今まで見た川とは違う、エメラルドグリーンに輝くとても美しい川でした。 ところどころ、川遊びできるようなスポットがあるのですが、友人一番の押しであった、前に友人が来た時に見た、4,5人ぐらいの女の子のビキニ姿が見れなかった事は非常に残念です。 悔やんでも悔やんでも悔やみきれません、こんなに悔しい気持ちになるなんて…。^_^   友人は思わずバイクを停めてまで、ガン見したそうです。 「チィクショー!!」

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        (ノンアル)

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と、その話はさておき、この辺りで私はお腹が痛くなってきました。 おそらく痛み止めが効かなくなってきたのです。 痛い所は他にもありますが、何日か前からずっと、腹痛が止まりません。

その美しい川では結構階段も昇って、滝や橋、岩のくぼみにできたキレイな池など、いろいろ楽しみました。 友人はあんまり無理するなと心配していたようですが、私は折角だから満喫したいと、そういう気持ちでした。 そしてお土産屋さんで一服した後帰路につきました。 帰りの高速も安定して快調にとばし、気持ちよかったです。

と、ここでその友人のことを話しておきましょう。 私も病気になってますます身体に異変が多くなり出来ることがどんどん減っていく中で、新車を買ったからとツーリングに誘ってくれた事に感謝しています。 外出することも減っていたので、本当に良い一日を過ごすことができました。

その友人と出会ったのは今からもう20年近く前、私が19歳の時だったと思います。 大阪梅田のとあるビルの31階にある、イタリア料理の厨房でバイトしていた時の先輩でした。 まあー、メンドくさい奴が多かった(^_^)ですが、個性的な仲間や、人生の大先輩であるチーフ・主任さんらに囲まれて若い時分に大変人生勉強になる約2年間でした。 みんな仲が良かったんですが、ケンカも大変多かったです。 厨房の人はちょっと気性が荒いのかなー、っという印象でしたが、誤解されがちですが私なんかが一番平和的だったと思います。(そう思ってない人もいるかもですが…。) でも楽しい思い出もたくさんあったので、私なんかは、それがずっと続いたら良かったのになぁ、っと思います。 現に私はそう願っていました。

そしてその中でもその友人は、私の憧れでありました。 まあ少し気性は荒くて、今でもたまに目つきが尋常でない時がありますが(^_^)、まあ不器用というか、人間関係でつまずいても、本当に努力して自分の悪いところは直そうとしているのがわかりましたし、人の噂をする時でも、とても第三者に気を遣うというか、それ以上は冗談でも言ってはいけない、というラインを守る人でした。 私なんかはよく調子に乗って言い過ぎてしまうことがあるのですが、まあ骨があるというか、意志が強いというか、若い時分でも言わなければいけない事はハッキリと言える人でありました。 そして自分よりも他人の事を優先できる優しさの持ち主でもありました。 今でも飲みに行ったりした時は決して私にお金は払わせません。 カッコつけたいとかそういうのではなく、損得でない人の付き合いができる数少ない人の一人です。

変な意味ではなく、男が男に惚れる、というのは滅多にない事です。 子どもの頃、そういう憧れる友人というのはいましたが、大人になってからそういう人に出会う、という体験は滅多にありません。 また女だけでなく男からも信頼が厚い男というものは、ホンモノだと思います。 気持ち悪い、と思う人もいるかも知れませんが、そういう人に出会えることはまさしく人生の財産であると、私は思います。

今は憧れとか、そういう気持ちではないですが、そんな友人と体調を崩すことなく気晴らしのツーリングができて本当に良かったです。 そして私の事を心から心配してくれる他の友人達や関係者の方にも、改めて感謝を述べたいと思います。

ありがとう。

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