異世界コメディだけど、それだけじゃない【我が焔炎にひれ伏せ世界 感想】
こんにちは、ひろとです。
今回は最近読んだ最近読んだ「我が焔炎にひれ伏せ世界」というラノベの感想を書いていきます。
こちらの作品は第27回スニーカー大賞で大賞を取り書籍化された注目作
因みに大賞を受賞した作品は12年ぶりということで、そういう意味でも注目度が高いようです。
Twitterでのプロモーションもしっかり気合いが入ってますし、一巻発売前から声優さんを付けてボイスコミックやらオーディオドラマという様な展開もしていますし……だいぶ、この作品に賭けている事が伺えます。
私が知ったきっかけもTwitterでフォローしている声優さん、遠野ひかるさんのツイートなので、そういう導線は結構大事なのかもと思いました。
遠野さんは主人公のホムラを演じている訳ですが………このお芝居がすんごい良かったなというのも興味惹かれたポイントだったりするので
是非、聴いてちょ
そんでは、こっからは感想をちゃんと書いていくのですが、簡単に言えば「異世界に召喚された女の子達が持ってる力を駆使して世界を救う」
そんな話です。間違ってはいないです。結果そうなるかと思うので、はい
これだけ聞くとありきたりな異世界ファンタジーという感じですが、これは大賞作品。当然それだけの作品ではありません。
メインの女の子が全員イカれてます(笑)色々
正にイカれたメンバーを紹介するぜぇとなってしまうキャラ紹介
発火能力、パイロキネシスを持ち、トランス状態で放火魔になる以外はパーティーメンバーの中では比較的一般人(?)なホムラ。
高い頭脳を持つ、倫理観が狂ったマッドサイエンティスト
自分の力は自分の喜びの為だけに使う少女、サイコ
悪を斬る暗殺者。
故に人斬りに全く躊躇いない。サムライガール、ジン
機械生命体。奇跡も魔法もまったくないので全てを物理で解決する。生意気メイドロボ、プロト
見た目は可愛らしいが実は生体兵器。毒を撒き散らして周りを苦しめる。食欲旺盛マスコットのツツミ
とまぁ、この5人が女神さまのお願いの元、異世界転移(転生して)現地の住民にご迷惑を掛けながら世の為、人の為というよりは自分の為に(主にサイコが)魔王討伐に向かってやっていくお話
因みに超能力やら生体兵器やらの各々の個性的な能力は元々いた世界に住んでた頃から持っていたものです。
さらに言うとその世界観は現代社会のそれです。
暗殺者やら、機械生命体やらが存在する現代社会………もう異世界行かないでそのまま話を展開すれば良いのでは?
そう思うぐらいには色々と個性というか属性が過多なメンバー
でも一巻ではホムラ以外のメンバーの内面だったり背景だったりを詳しく語る所が無い故に、この属性もりもり感でキャラクターの印象をバッチリ掴めるという所もあるので、過多で良いのだ。
当然戦闘力もかなり高い………ホムラは(概ね)一般人なのでメンタルもバイタルもそこまでなのですけど他4人がかなりアグレッシブに敵をメッタメタにします。
それでも格上のキャラクターなどが普通にいますし一巻のボス相手には全滅しかける位に苦戦したりします。この辺りのバランス加減も個人的に好み
やはりある程度の緊張感のある戦闘シーンの方が読みがいがあると思いますし
割と世界観………というか描写も予想外にハードな展開が多い
異世界コメディ謳っているけど
「このすば」の暁なつめ先生が帯コメ出してるけど
結構、残酷に人が死んでいく。敵も一般人も死んでいく
味方の倫理観が壊れてるから大分緩和されているけど割かし人の命が軽く吹っ飛んでる………まぁ異世界だしと言い訳しようと思ったけど先に書いた通り現世から来た彼女達の倫理感が壊れていて人の死に近い所にいた様な言動もあるので多分作者的にはハードな世界に狂気(主人公達)をぶち込んでコメディに昇華させる………的なアレなのかもしれない
ちょっと無理がある気もするが………なんとかなるやろ
一番の見所はラストバトル。ホムラの回想(走馬灯)シーンですかね
その体質故に人々から忌み嫌われ続けたホムラ。
人の醜さ。自身を正当化するためならば他人を平気で踏みにじり、薄っぺらい言葉と共に善人面をする。残酷で浅ましい人間達
そういう人間をホムラは「理不尽」だと感じた。クズだと思った。
だから目の前の敵を………そういう奴らを燃やし尽くしたい
その感情と共に文字通り力を爆発させるシーンがとても良かったです。
回想シーンのページは黒くなっている事もあってか心の深い部分を覗いている様で心がキュッと締まる様な気になりました。
ここのシーンを持って今作が正義では無く自分達の衝動のままに敵をぶっ倒していく作品なんだというのが伝わってきた気がします
作者もホムラ達は悪の敵であり正義の味方では無いとあとがきで書いていますし
「毒を以て毒を制す」とまではいきませんがアウトサイダー集団が異世界で魔王を倒すという名目の元、無法に動く
こう書くと中々やべーだけだと思いますが、そこには彼女達がマイノリティな存在故に感じてきた人や世界への反逆心のようなものも感じられて……だからこそ似た者同士故に自分をぶつけ合って笑い合えたりして
それぞれのキャラクターの秘めたる思いの部分がしっかりと描かれていくとその度に深みが増していくのかなと思える作品です
異世界で、コメディで、無法者。でもそれだけじゃない(?)
そんな「我が焔炎にひれ伏せ世界」の今後に期待しています。
二巻も楽しみに待ってます
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