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霧の滑走路


朝からの雪は止んでいたが、空港には霧が立ち込めていた。こんなんじゃ飛行機飛ぶのか知らん。と思いながら、朝ごはんにそばにするかうどんにするかという相談をしているグループの間を抜けて、コーヒーショップに行った。

娘とサンドウィッチとカフェラテを買って帰る途中、美味しそうなおむすび屋さんを見つけて、明太子おむすびの方が良かったなとちょっと思いながら通り過ぎる。

チェックインカウンターに行く必要はなくて、荷物検査のあと、搭乗口まで行くためにQRコード付きのeチケットで中に入ることができた。そうかイミグレーションが無いから簡単なんだ。国内線は本当に久しぶりだ。

カフェラテを飲み終わる頃、少し霧が晴れてきた。このまま外が真っ白なら遅れるだろうと思っていたので助かった。
搭乗の案内コールがかかって、搭乗客が集まってくる。無事に席について飛行機がゆっくりと動き出した。
いよいよだが、やはりまだ少し霧はかかっている。こんなのでも飛べるんだなと思う。うっすらと白い世界を飛行機が激しく限界まで助走する。

ふわりと浮かんだ。その10秒後。

クリアになった視界が窓の外に開けて、美しい青空が見えた。

なんとまあ。

白い霧が立ち込めていたのは地面からほんの十数メートルだったのだろう。心配してたのわたしだけ?
飛行機はあっけらかんと、そして悠々と青空を飛んでいた。


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