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いえ違います


当時、そんなデザインのものが流行った記録があるかわからない。

彼と出かけるときに選んだ服は白いブラウスにピンクのヨットパーカー。淡めのエメラルドグリーンのフレアスカート。おニューのスカートは二重になっていて、下から白いレースがのぞく。ポシェットと呼ばれた小さな赤いバッグを斜めがけにして、ポニーテールをするほど髪は長くなかったけれど、まあ全体的に言ったら自分では50年代フィフティーズ風の装いにしていたつもりだった。

目当ての遊園地は電車で30分ほどのところにある。まだ手もつないだことのない彼とドア付近に立つ。電車が揺れるたび、わたしがよろけたらすぐに支えようと身構えてくれる彼だった。

そんな緊張感あふれる初々しいわたしたちに、側の手すりにつかまっていたおばちゃんが言った。


おねえさん、スカートからシミーズ出てるよ。





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