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【 asparagusのシンプル地理授業 No.1 】シンプル地理授業のはじまりはじまり~

授業の目的って何だろう…
最近の流行キーワードは、

 ・主体的で対話的で深い学び
 ・個別最適化された学び
 ・協働的な学び
 ・ICTを活用した学び

といったところであろうか。
目的をあげればきりがないのが授業である。
研究授業をしても、

「ここが足りなかった」

といつも足りないところを指摘される。

当たり前だ。
たった50分の授業の中に、全てを入れることが出来れば、
教育なんてとっくの昔に完成されているはずである。

私たち教師は、未完成の先の見えない実践の中にいる。
いつもモヤモヤした状況の中で実践している。

「これだ!」

と思っていても、自信を持てない。

このあたりの気持ちは以下の記事に記しているので、お時間あれば覗いてみてくださいね。

さて、そんな僕は、公立中学校社会科の教師。
最近、僕は授業の目的をシンプルに捉え直している。
そうすると、気持ちが楽になった。
そして、生徒たちからも分かりやすいと評判になった。

このマガジンでは、僕自身の思考の整理も含めて、地理的分野での実践を紹介していくことにする。

名付けて、

「asparagusのシンプル地理授業」

このマガジンを始めるにあたっては、
僕が中学校の地理的分野の授業をどう捉えているかを伝えておく必要がある。

みなさんが持っている地理的分野の授業って?
 
 ・地名を覚える
 ・いろんな観光地、特産物があることを知る
 ・気候を知る
 ・工業地帯の名前と特徴を覚える
   ・
   ・
   ・

と言った感じかな…
こういった感覚の人は、

「社会科=知識を覚える」

っていうイメージなんだろうな。保護者の方にも懇談などの場面でよく言われる。「私も覚えるのが苦手だったから、社会科は本当にそういう人にとって難しいよね…」って。

僕は、ネット社会が成熟した現代において、

社会科知識を暗記をする必要は一切ない

と思っている。そんなこと調べればいくらでも出てくる。
むしろこの部分で言うと、これからは正しい情報を探ることが出来るリテラシーの方が大切だ。

だから、僕の授業は語句は最後にさらっと流すだけ。
生徒たちにも、語句はほとんど覚えなくて良いと断言している。

では何を意識しているのか…
それは、

「動的な見方・考え方ができるようになること」

地理を一点の静止画で見せず、動的な動きとして考えさせる。

例えば…

「北陸新幹線が開通しました」
ではなく…
「北陸新幹線が開通してどのような変化が生まれたか?」

「EU加盟国は国境をパスポートなしで通過できる」
ではなく…
「パスポートなしで通過できることによってどのような変化が生まれたか?」

「北関東工業地域があります」
ではなく…
「どうして内陸部にも工業地域が出来たか?」

「高知県は促成栽培が盛んです」
ではなく…
「高知県の促成栽培はなぜ盛んになったのか?」

など、いろんな地理的事象を静止画で捉えるのではなく、
動的な動きとして見る練習をしていくのである。

この「動的な見方・考え方」が出来れば、
現代社会にある様々な課題について、
自ら考え、自分の意見を持つことができる。

大学の研究分野でいうと
「地政学的な見方・考え方」
といったところであろうか。

その基礎的な部分を中学校では伝え、実践していくのである。
僕の授業では、グラフや地図がたくさん用意される。
さまざまなデータや地理的な位置を見ていくことで、
客観的に動的な見方・考え方が出来るようになるためだ。
語句の説明はほとんどない。

よく周りの先生から、

「テストの点あげられるの?」
「知識覚えられるの?」
「社会科苦手な生徒は大丈夫なの?」

などの声も聴くが、あまり気にしていない。

「テストより大切で将来に絶対に生かせることが地理的分野にはある」

と確信しているから。

 ・主体的で対話的で深い学び
 ・個別最適化された学び
 ・協働的な学び
 ・ICTを活用した学び

など最初にあげたキーワードもあまり意識しない。
これはあくまで学びの手段であり、僕にとっては副次的な目的だから。
たぶん、具体的な実践はこれのどれかに当てはまってるんだろうけど、
必要であれば、指導案などでは整理して時々語句で登場するって感じ。
普段は全く気にしていない。

授業をシンプルに捉え直すと、とても気が楽だし実践もしやすい。
そして、子どもたちにもシンプルに伝わる。

僕の地理授業の中心は、シンプルに

「動的な見方・考え方ができるようになること」

そんな僕が、実際に各授業でどのように実践しているのか、
これからマイペースに整理していこうと思っている。

「asparagusのシンプル地理授業」のはじまりはじまり~!!



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