小学校の思い出② タイムカプセル

転校生がやって来る。
小学生の頃、3月くらいになると、毎年そんな噂が立った。
どんな子かな？
女の子かな？男の子かな？
皆んなちょっと浮き足だつ

小学校の同級生は、
男の子3人 女の子7人の全員で10人だったので転校生が来るとなると大イベントだった。
でも毎年、転校生の噂は立っていたが転校生が来る事は無かった。

それと同じに、毎年、人数が少ないから来年はとうとう複式学級になってしまうんだと言う噂もあったので、
私達は先生が複式学級にしない為に転校生の噂を立てているんだと皆んなで話しあった。
本当の所はわからない。
誰かがついたウソだったのかも。

それでも6年間の間に転校生は2人来た。
全員で12人で6年生になった。
男子3人女子9人

6年生の卒業前、みんなでタイムカプセルを作ることになった。
20才の成人式に集まって開けるのが普通だと先生が言ったが、私たちは相談して2000年1月のお正月にみんなで集まろうと決めた。
その頃はノストラダムスの大予言が流行っていて1999年に地球滅亡って事だったから、
「無事なら皆んなで集まって開けよう」と話した。

そして、タイムカプセルには28才になった自分に向けての手紙を書いた。
私は28才かぁ。。。と考えた。
何をしているか全く想像がつかなかった。
その頃の私は「オレたちひょうきん族」と「じゃりン子チエ」と「花とゆめ」で作られていて、未来のことなど想像した事も無かった。
「多分結婚してるよ〜」
「子供いるんちゃう？」とか友達が言ってるのは覚えてるけど、結局何を書いたか全然覚えていない。

未来の自分への手紙、写真、何かひとつ思い出の品物を皆んなが持ち寄り、大きな銀色の空缶に入れた。
それを校舎横の百葉箱の近くにみんなで埋めた。
それから、2000年お正月に連絡をする人を決めた。
多分、
まゆみちゃんとひでじくんだったかな？
としやくんだったかも？？

そして2000年お正月。
みんなが集まる事は無かった。
連絡も無かった。
自分から連絡する事も無かった。

自分達が過ごした小学校の校舎はもう無かった。
地区の小学校から村の小学校に変わる時、綺麗な木造校舎に建て替えられていた。

今、村に住んでる同級生は1人くらい。
私も村を離れてる。
あの、タイムカプセルはどうなったのだろう
今でもふと思い出す。

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