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最期まで

次の誕生日にはすべてを忘れて もう絵を描くこともなく 詩を書くこともなく 信じたことも忘れて あいしたものには飽きて ただの生き物になって 美しい獣にすらなる権利はなく すべてを失くし 失くしたことも知らず 残りの生を生きるのでしょうか 神さま わたしは身を尽くしてきました 例えば青い太陽に 例えば遺書に たましいの大きな欠片を きっと大きすぎた欠片を 渡して此処まで来たのです 神さま わたしの信じるすべてを死ぬまで信じさせてください わたしのいのちを未だ美しく使わせてください 薄氷を踏んで 未だ歩きたいのです きっと醜く老いて 身体も動かず こころは薄れ始め 手は震え それでも たとえ破れても 最期まで 青いたましいを 最期まで 勝手に負った天の為に 一心に 燃やして もっと澄んだものになって 祈るやうに描いて そしてほんたうの最期には たおやかに 還れますよう それだけを祈らせてください わたしのたましいの色がどうか変わってしまいませんよう 最期まで ただ青く 青く

おたすけくださひな。